転生したら滅却師だった件   作:抹茶オレン

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戦闘シーンです。

今更ですが滅却師の力はあくまで転スラ世界のスキルなので仕様がBLEACHとは違います。

霊子に関しても転スラの霊子を基準にしているのでBLEACHの霊子とは違います。


反省と不穏な点

 ミスった。素直にそう思った。

 

 戦い始めておよそ5分ほど、すでに俺の体は既にボロボロだった。

 

 コイツが俺が思ったより強かった? 否、

 

 ユニークスキルを見誤った? 否、

 

 原因はコイツじゃない。さっきコイツが使ったマジックアイテムだ。あれは逃げ場をなくす為だけだと思ってた。

 

 けど違った。これはそれだけじゃない! 

 

 デカブツは加速者(カソクスルモノ)でスピードを上げつつ俺に突進するわけでもなく、デカブツは黒い膜に向かって突進し始める。

 

 デカブツは壁に直撃するが止まるのではなく不自然に跳ねた。そのままオレの方に向かって突進してくるが俺はそれに避けきれず、吹っ飛ばされる。

 

 壁に背中からあたるが、膜はバネのように俺を押し返す。今度は逆方向に吹っ飛ぶが、待ってましたと言わんばかりにデカブツが突進してくる。俺はどうにか体制を整え飛廉脚で避ける。

 

「今のが避けられるとは思わなかったぜ」

 

 デカブツは感心するように言うが、今のもかなりギリギリだった。

 

 黒い膜がバネの様になっていてコイツを何倍にも厄介にしている。

 

 黒い膜が覆う範囲は直径100mほどあるのが救いだな。

 

 一直線に速いだけだったら問題なかった……黒い膜がバネの様になってるって誰がわかんだよ! くっそ……会話で少し時間を稼ぐか……

 

「どこで手に入れたんだよ? あのマジックアイテム、聞いたことないぞ。こんな効果」

 

「ハハッ、そこらで買えるわけねーだろ!」

 

 だろうな。そこら辺に売ってるものじゃないことくらい皇子の俺でもわかる。わかってるがやっぱり気になるな。

 

「教えてくれたら、俺の剣がなんなのか教えてもいいぞ?」

 

 さっきの攻防で確信したが、このデカブツ見た目に反してちゃんと考えて戦ってる。

 

 霊子兵装は周囲の魔素を分解し、霊子を収束及び形成している。今、持っている剣は青白く光る剣なわけで見た目はかなり珍しいはずだ。そのせいか、デカブツは先ほどから剣持っている右側からは攻撃せずにいた。

 

 跳ね返る方向をもある程度調整できるみたいだし、なりより今は情報が欲しい。

 

「フンッ、有利な状況で自分の手札を晒すやつがドコにいる?」

 

 そう言うとデカブツは腰落とし突進の構えをとってくる。

 まぁだよな、教えても良いって言ってる時点で晒しても問題ない手札ですって言ってるようなものだ。そもそも終始デカブツが有利なわけで、手札を晒すわけでもないわけだ。

 

 まぁ、息を整える時間くらいは稼げたな。最初は警戒して速攻で終わらせてくることはなかったが、おそらくこのデカブツは次で決めてくるはずだ。

 

 ここは俺たちの本陣、時間をかければ敵に囲まれる。

 

 俺をゆっくりに殺そうとすれば俺が速さ慣れてくるかもしれない。

 

 奴にとって時間は二重の意味で敵なのだ。

 

 故にチャンス一度、失敗すれば俺は死ぬ。そう考えると心臓の音がやけにはっきりと聞こえる様になってきた。俺は深呼吸して心を落ち着ける。そしてデカブツに言った。

 

「来い」

 

 デカブツは正面から突進してきたが俺のタイミングに合わせてきてしかも正面からくるのはおかしい! ブラフだ! 

 

 そう確信しながらデカブツの突進を右側にズレて避けるが後ろの膜にあたり跳ねる。加速しては跳ねるを繰り返しあっという間にデカブツを視認出来なくなった。

 

「これで終わりだァァァァァァ!!」

 

 奴の声が何重にも響いて聞こえる。ここに来て小細工を使ってきたか! 地味だが一度であれば翻弄出来るだろう。ただでさえ視認出来ないのにダメ押しの一手を切ってきた。

 

「シュティーアシュトルム!!!!!」

 

 加速者とバネの様な膜で加速し続け、真後ろからユリウスに突進する。

 

 背中から当たりユリウスを粉砕するはずの一撃必殺の突進は、正面から止められていた。

 

 何が起こった? 何故来るタイミングや方向がわかった? そもそも何故正面から受け止められる? 油断せず全力の一撃をぶつけた。だが止められた? 

 

 自信があったのだろう。自分の全力が止められるはずがないとそして、その動揺が勝敗を別けた。

 

 空中の神聖弓(ハイリッヒ・ボーゲン)から神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)が放たれ奴の足を地面に縫い付けた。

 

 

聖唱(キルヒエンリート)

 

 

 ユリウスの掌から文字の刻まれた帯が流出し、地面へと流れていく。

 

 帯は青白い光を帯び始め巨大な五芒星を形成した。

 

 五芒星から2人を囲む様に、青白い光の柱が立ち上がり光の柱から光が溢れ始める。

 

 

聖域礼賛(ザンクト・ツヴィンガー)

 

 

 足元からは光が立ち昇り、黒い膜を破壊しながら辺り一帯は巨大な光に包まれた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 目覚めた時には、一週間が経過していた。

 

 すでにスペル王国との戦争はこちらの勝利に終わっており、戦争賠償として多少の金貨と国境線沿いの平原を丸々領土にする事が出来た。

 

 俺の怪我は両腕の粉砕骨折に全身の裂傷、右足も骨折の重傷だ。

 まぁ生きているだけでも儲けもんだろう。

 

 何故、勝てたのかというとあの時の俺は地面に向かって血装(ブルート)の様に霊子を地面に流した。

 

 ユニークスキル《滅却師(クインシー)》は魔素を分解し霊子を生み出す。生み出した霊子を集束させ、集束した霊子を使って弓矢や剣を形成することが出来る。

 

 その影響で俺は霊子の動きに敏感になっており、周囲に霊子を張り巡らせる事で奴の動きを把握し正面から受け止める事が出来たのだ。

 将来的には空間にも同じ事が出来るのではないかと思っている。

 

 まぁ今回の戦闘は経験の少なさが出た。元々俺は静血装(ブルート・ヴェーネ)を使えば多少のダメージを負っても止める事は出来た。

 だが俺はダメージを負うことに躊躇したせいで敵の技術(アーツ)を受け止めることなってしまった。

 

 キルゲなら多少のダメージ覚悟で倒す判断が出来たはずだ。最終的になんとかなったとはいえ、相手の最後の攻撃がもっと強かったら俺は受け止める事が出来ずに轢き潰されていただろう。

 

「反省点の多い勝利だったな」

 

 俺は今回の戦闘の反省をしながら、自分の部屋のベットで休んでいると突如部屋のドアが開き、とんでもない速度の物体が俺の腹に直撃した。

 

「お兄様! おはようございます!」

 

 他でもない、我が妹アンネリーゼもといリーゼである。

 

 でもなリーゼ……元気に挨拶するのは良いが、腹にタックルはやめてほしい。一応俺、重傷なんだよ? 

 

「おはようリーゼ、腹にタックルするのはやめてくれ。というかしばらくタックルは見たくないんだ」

 

「リーゼさん。ユリウス様は重傷者なんですから、優しくしないとだめですよ?」

 

 そう言いながら、部屋に入って来たのはエレナだ。後ろにはドーラもいる。

 

「わかりました……エレナお姉様……でも! お兄様! 今回の件で少しは反省してくだい!」

 

 リーゼがプリプリ怒りながら注意してくる。

 

「俺も今回は反省する事が多いと思ってるよ(主に戦闘面で)」

 

「わかればいいんです!」

 

「何か食い違っている気がしますね」

 

 余計な事を言うドーラを睨んで黙らせる。だが残念な事にエレナは気付いてしまったらしい。ため息をつきこちらをジト目で睨んでいる。

 

「ひとまず無事に帰ってきた事、喜ばしく思います」

 

「ありがとうエレナ」

 

「今回の戦争でユリウス様は軍での印象がとてもよくなっていますよ」

 

 ??? どういうことだ??? あの戦闘は黒い膜で覆われており誰も見れなかったはずだ。エレナは俺の考えをていることを察したようで補足の説明をしてくる。

 

「本陣の近くで巨大な光の柱が確認され、敵も味方も大慌てだったそうです。一旦、戦いは中断されたようですがその後光の原因がユリウス様が奇襲してきた敵を倒すために出したものだとわかり兵士の士気が上がったんですよ?」

 

「なんで光を見ただけで士気が上がるんだ?」

 

「何でもその光はまるで神の光の様に神秘的で、大魔法でもあんな事は出来ないと魔法部隊の兵士達が他の隊の兵士に言い回ったそうですよ。兵士達はユリウス様が神の御使いではないのかと思われていました」

 

「勘弁してくれ…………」

 

 エレナは面白そうに口を手で押さえながら笑っている。本当に勘弁してほしい。俺は皇子として神輿になる覚悟はあるが神の御使いは御免だ。後のことを思い憂鬱な気分になっていると、エレナが真剣な顔で話を続ける。

 

「ただ少し不可解な事がありまして、ユリウス様と一緒にいた騎士団員は伏兵の索敵に行きましたが3人ほど少し離れた位置でユリウス様を守れる位置で待機していたようなのですが…………突如ユリウス様と襲撃者が消えたのです」

 

「消えた? 俺はその場から移動してないぞ?」

 

「はい昨日、ユリウス様が目覚めた時にその話は伺っています。その後に騎士団員の証言が出たんです」

 

「マジックアイテムの影響で外から見えない様に隠蔽されていたのか? だとしたら…………」

 

「おかしいですよね?」

 

「あぁ結界の中と外で違う効果のマジックアイテムなんて聞いたことがない」

 

「スペル王国にそれほど優秀な刻印魔法を使える者がいるとは聞いたことがありません」

 

「とすると第三者の介入か? それも凄腕の刻印魔法の使い手か…………」

 

 部屋が少し重い空気なってしまった。どうにか誤魔化そうと考えていたところでエレナが手を叩いて話を変える。

 

「何にせよ、戦争は無事に勝利しましたし。ユリウス様も命に別上はないのは良かったですね? ねぇリーゼさん?」

 

「えぇ良かったですとも、御二人だけで話すくらいにはお兄様は元気のようですしね!」

 

 どうやらリーゼは自分を無視して、エレナと話した事にご立腹らしい。怪我をして心配させてしまったし、しばらくはリーゼのご機嫌とりに時間をついやさなければ。

 

 こうしてスペル王国との戦争は帝国の勝利によって幕を閉じた。

 

 俺は第三者の介入について少しだけ心当たりがあった。「超魔導大国であれば凄腕の刻印魔法の使い手くらいはいるのでないか?」と。

 

 何の根拠のない推論だ。何となくそう思っただけ。

 

 だから俺は考えるのをやめた。理由のない疑いで目を曇らせ、判断を見誤りたく無かったからだ。

 

 

 

 

 

 この判断が間違いなのかどうかは、今の俺に知るすべはなかった。

 

 

 




もうすぐで原作キャラが出てきます。

なおまだほとんど関わらないです。出るだけです。

転スラとBLEACHについてどれくらい知っていますか? 転スラ書籍版を1、BLEACHを2と表記します

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  • 1は知っているが2は知らない
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