楽しく会話とはいきません。
肉体が死を迎え、消滅するはずだった。
魂を自らの力にするために取り込んだ。
俺が取り込んだ魂は約30万、エレナとリーゼには10万ずつの魂を与えた。今頃2人は生き返っているだろう。
だが素直に喜ぶことは出来なかった。取り込んだ際の魂の残滓から、あらゆる感情が一気に流れ込んできた。頭が割れそうな情報量に今にも発狂しそうだ……。今も頭に響き続ける言葉の数々に顔を顰める。
怖い
痛い
死にたくない
助けて
嫌だ
悲しい
次々と流れてくる言葉の濁流に晒されながらユリウスの思考は一つの結論を見出していた。
そうだ…………アレを止めないと。
あの飛行物体は間違いなく生物だ。あれがまたこちらに来ない保証なんてない。もしきたら、3人を守ることが出来るかどうかわからない。
なら選択肢は一つだ。アレを殺す……もう俺から何も奪わせない。
『
後世にて、聖魔決戦と呼ばれる神話の戦いが今、始まった。
超魔導大国ソーマは消滅した。それはこの世界でただ1人の
ミリム・ナーヴァは友である
ミリムは友の死に嘆き、悲しみ、怒り狂い、そして力を暴走させた。
その結果は1つの大国を滅ぼしたが、それでもミリムの暴走は収まらない。もはや正気とは言えないだろう。
その証拠とも言えるように、ミリムはより凶悪な姿へと変化していた。
額からは虹色に輝く大きな一本角が生え、全身は黒竜を思わせる鎧を全身に纏い、手足の爪は血をように赤い。徐々に人から竜のような姿へと変わっていき、ついには黒い翼に黒く輝く尾までも生えてくる。
このままでは世界の全てを破壊し尽くしたとしても、ミリムの暴走が止まるのかは誰にもわからない。
そんな暴走するミリムの前に世界最古の魔王。
「よぉミリム。元気、とは言えなさそうだな」
「
ミリムは怒りのままに、爪をギィへと叩きつけた。だがギィは涼しい顔でその爪を受け止めた。
「悪いな、ミリム。事前に止める事ができなかったのはオレの責任でもあるが、お前に世界を壊させるわけにはいかないんだよ」
「多少手荒になるが…………仕方ない……」
『ギィ様! そちらに高速で接近する物体が向かっています!』
ギィが戦闘態勢に入る瞬間に自身のメイドであるミザリーから思念伝達が来た。報告を聞いてギィは周りに意識を向けると、確かにいた。こちらに接近してくる気配。
「ミリムのオーラが大きすぎて気づけなかったがあっちもかなりあるな。だが知らない気配だ……」
ギィがそう考えているとミリムは接近してくる存在へと向かった。
どうやら、魔素量が多いに引き寄せられるらしい。ギィはいつも魔素量を隠しているが、暴走しているミリムにそれがわかるはずがない。
近づいてくる者がようやく見えた。どうやら人間の青年のようだ。聖人に至っているようだが、まだなって日が浅いのか、力が精神に馴染んでいなかった。
人間は時間をかけて修行すれば、仙人という半精神生命体に、さらに上位には聖人という精神生命体になることが出来る。だが稀に意思の力で聖人になるやつがいる。
目の前の人間は、どうやらその類のようで自分の力をまともに使いこなせていなかった。状況から見てミリムの暴走の被害者ってところだな。その結果、聖人に至ったのだろう…………
ギイはミリムと聖人が戦い始めたのを見て、状況が悪くなる前に戦いに割り込む事にした。
コイツだ! コイツが国を滅ぼした
だがそんなことはどうでもよかった。これ以上の被害が増える前に目の前の化け物を殺そうと決意を固める。
化け物は俺の接近に気づきこちらに爪を振り下ろすが俺は剣で受け止めるがそのまま後方に吹っ飛ばされる。
どんなパワーしてるんだコイツ!! まともに受けたら
ただ攻撃自体は単純だ。攻撃を受け流して隙を作れば勝てる!
「
巨大な光の弓が3つ、俺の後ろに現れ光の矢を化け物に向かって放つがそれをものともせずに爪で叩き落とす。
「
化け物を取り囲むようにに光の柱が現れ、そこから神聖滅矢を放ち直撃するが、まともに効いた様子はない。
「チッ…………、こんなんじゃだめか…………」
どうしたものか考えていると、化け物は横から魔法で遥か彼方へと吹っ飛ばされていった。俺がその状況に驚いていると横から声がかかる。
「悪いが、邪魔させて貰うぜ…………」
そこに居たのは、赤髪の青年だった。一見すると人のように見えるが俺にはわかるアレは悪魔だ。というよりこいつは聞き逃せないことを言った。
「邪魔? 邪魔をするなら帰れよ。悪魔……」
「そう言うなよ。オレにも事情があるんだよ」
ヘラヘラとした態度が癪だった。今はこいつと話している暇はない。さっさと、化け物を倒しに……
無視していこうとすると、悪魔は俺の前に立ち塞がって来た。
「今はお前に構ってる暇はないんだよ……そこをどけ……」
「奇遇だなぁオレも出来るなら、お前に構わずミリムを止めたい」
「止める? 殺すんじゃなく?」
「あぁ暴走しているみたいだからな正気に戻さないとだろ?」
「本気で言っているのか!? いくつもの国が滅んで何百万人の人が死んだと思ってる!」
「そんなの知るかよ。オレは悪魔だぜ? 国がいくつ滅ぼうが人間がいくら死のうが関係ない」
そうだ。何を馬鹿な事を言っているんだ俺は、相手は悪魔だぞ、人間じゃない。どれだけ人が死のうが関係ない。悪魔とはそういうものだろう?
俺はそんなことすらわからなくなるほどに感情的になっていることに気づく。
そうだ思い出した。
赤髪の悪魔であの化け物の止めると当たり前のように言っている辺りこいつはこの世界の魔王ギィ・クリムゾンか…………
こんな時に魔王かよ…………なんで世界は邪魔ばかりするんだ。
今はこの理不尽を呑み込め、そして超えるんだ……
「もう一度言う。そこをどけ……」
「イヤだね。実力でどかしてみろ」
「なら死ね……」
「
巨大な光の弓が5つ現れ、1つの弓につき5つの矢がギィに向かって発射される。ギィは余裕そうな笑みを浮かべ
「そういえば。さっき霊子を固めた剣を使ってたよな? 合わせてやるよ」
ギィはそういって、どこからか剣を取り出した。それは刀に近いものだった。たが刀にしては反りがなく、直刀にしては大きい。
まるで片手剣と直刀を合わせたような剣だった。その剣から感じるのは圧倒的な存在感。ただの剣とは違うのが見るだけでわかるほどのものだった。
ギィはその剣を一振りすると、全ての矢が斬り落とされたと同時に俺は真上に飛び霊子礼装で矢を構え、引いた。
「
「
霊子の矢の雨が放たれ、さらに
ギィは剣を居合のように構えると、
一閃
すると霊子の矢の雨は、一瞬で消滅した。
「どうした? こんなものか?」
ギィがこちらを試すように聞いてくる。何処までも余裕綽々とでもいうような態度に思わず苦い顔をする。数で無理なら質で勝負するしかない。
大聖弓で牽制しながら、1つの大聖弓を俺の足元に放つ。ギィはそれを見て不思議そうな顔するが、すぐに納得したような顔になる。理解が早すぎる…………!
「
俺のもとに来たのは矢ではなく片刃の剣。相手の武器には劣るが今の俺ではこれが限界だ。
「まぁ、弓矢が通じないのであれば、剣を使うよな」
そう言いつつ大聖弓を軽く捌いているギィに斬月で斬りかかる。だが
だが距離は詰めれた! ギィの胸元を掴み離れないようにする。
「
「
五芒星から溢れる光の奔流が俺たちを呑み込む。悪魔にこの聖属性は効くだろう……少し離れ光から出る。
「今のは流石に効いた。ある程度防御しても、魔王にここまでの手傷を負わせたんだ。誇っていいぜ」
ギィは健在だった。確かに傷は負っているが、まだ戦闘は可能だろう。するとギィは満足したように言い始める。
「さて、大まかの力は見れたな。流石にこれ以上時間は掛けてられないし、終わらせるか」
今まで遊んでいたかのような発言に腹が立つが、認めざるおえない。俺の攻撃を避けずに全て受け止めていた。
くっそ! どうする! 力の差はそこまで大きい訳では無いのに実力が違いすぎる。どうにかしてコイツを「お前は経験が無さすぎる」
!?!?
「がッッッッ」
なんだ!? 吹き飛ばされたのか? 一体どうやって!?
吹っ飛ばされる体をどうにか減速させ、ギィの方を見るがそこにギィの姿は見えない。
「敵から目を離すな」
背後から声が聞こえ振り返るとそこには誰もいない。
「魔法の対処がまるで出来ていない」
また別の場所から声が聞こえるが、声の場所には何もいない。
魔法で音を飛ばして撹乱したのか! まずい、もろに引っかかった!
「終わりだ」
後ろからそう声が聞こえるがブラフだと思った俺は周囲を警戒していた。だが自分の腕が斬られていることに気づく。後ろからの声は本当だったのだろう…………見事に騙されたわけだ。
駄目だ。コイツにまともな勝負では勝てない。まだ使いたくないが、温存して勝てるような相手じゃない。
そして俺は眼を開いた。
次の瞬間、ギィの斬り落とした腕が何事もなかったようにくっついており、ゲガをした様子も見られない。さすがのギィもこの状況に驚愕した。
どういうことだ……確かにオレはあいつの腕を斬り落としたはずだ。
だがあいつの腕はある。それにオレはあいつの真後ろに居たはず、だというのに今は何故かあいつの前にいる。
幻覚か? いや、オレはそこら辺の対策もしっかりしている。仮に幻覚系の
一番気になるのは、あの3つの瞳だな。さっきまでとは雰囲気が別物だ。おそらく、アレが切り札だろうな。
「お前、何をした?」
「少しは自分で考えたらどうだ?」
「そうかよ。じゃあそうさせて貰うぜ!」
ギィはユリウスに斬りかかる。見事真っ二つに斬ったはずだが、次の瞬間には斬られていないユリウスとその後ろで剣を振り降ろしたギィだけが残った。
そのまま振り返り首を斬るが先程と同じ結果だった。その隙をユリウスが見逃すはずもなく、
「
ゼロ距離からの光の奔流がギィを呑み込んだ。
「クソ、結構痛ぇな」
「勝負は決まっただろう。そこをどけ」
「そう言う割にお前は余裕がなさそうだな?」
「……」
「お前、ソレをまだ使いこなせてないんだろ?」
「…………」
「さっきの攻防で一歩も動かないのも、攻撃で致命傷を取れないのも、オレを殺すのではなく退くように言うのも、全部お前にその余裕がないからだろ?」
「温存しておきたいだけだ。お前の後が本命なんだよ」
「このオレを前座扱いとは、大したもんだな。だがまだ勝負は終わってないぜ?」
「『
よほどコイツは戦いたくないらしい。相当余裕がないのか。
ギィには勝算がすでに着いていた。先程、思念伝達でミリムがこちらに向かっていると報告があった。この聖人の瞳が3つになった時にだ。
コイツは間違いなく実戦の経験が浅い。それなりに技は磨いているようだが、オレからすればまだまだヒヨッ子。
まだ力にも慣れていないようで、使いこなすことも難しいようだ。その状態であればコレが効く可能性は高い。
後はタイミングだ。ミリムの接近に気づかれないようにこっそりと結界を張ったが、ミリムの魔素量は徐々に増してきている。結界で誤魔化すのは限界がある。
コイツが動けないのであればちょうどいい。
ギィは自分とミリムの間にユリウスがいるように位置取りをし、オーラの隠蔽をやめ解放する。
この影響で周囲の空間が歪むが仕方ない。ミリムは巨大な気配が2つに増えた事で対象同時に殲滅出来るように魔素を1つに収束させる。
その瞬間にギィは停止世界を発動した。
停止世界では光、重力、分子結合、空気の振動などの時間の流れの中に存在するあらゆる力が停止する世界。
つまりユリウスは『
ミリムは停止世界でも動くことが出来る。その事実が意味するのは、
ユリウスにミリムの攻撃を防ぐ手段はないと言う事だ。
「
ユリウスは何の反応もする事もなく、必殺の一撃に呑み込まれた。
ちなみに画面外でヴェルザードがミリムと戦ってました。
ギィがミリムの所に早く行かないのはユリウスの力に警戒しているのとヴェルザードがいるからです。
ユリウスはまだ力を全然使いこなせていません。しかもまだ15なので技術も経験もギィには遠く及びません。その状態でギィに勝つのは無理ゲーです。ポテンシャルはあるんですよ?
転スラとBLEACHについてどれくらい知っていますか? 転スラ書籍版を1、BLEACHを2と表記します
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