水神の家族、フォンテーヌの守り猫 作:チナトロ先生
あれから少しだけ生活に変化があった。
以前にフリーナと住んでいていた家はとても大きく、立地も目立ち過ぎたため、彼女は小さい一軒家に引っ越した。
もちろんペット可の物件だ。
フリーナは今までの反動か、暫くは人前に姿を現さなかった。
時間だけが癒してくれるものもある、そう思った。
ただ想像していたよりずっと早く、フリーナが再び表舞台に立つ日はやってきた。
とある劇団の者が彼女へ協力を求めた結果、彼女は協力する意思を見せた。
その出来事の最中、舞台に上がった彼女は奇しくも神の目を手にすることになった。
それが良いきっかけになったのか、彼女は徐々に以前の明るさを取り戻しているようだった。
旅人が次なる国ナタへ旅立つ前に、少し話をする機会があった。
遥か昔のことなので役には立たないだろうが、一応自分が過去に妹らしき人影を見たことは伝えておいた。
二人からも、稲妻で会った喋る猫の事など、色々な冒険の話を聞かせてもらった。
その他にも、作ってもらった料理をごちそうになったり、塵歌壺に入れてもらった時は感動した。
私は旅人とパイモンのことがいっそう好きになった。
機会があれば、また会うこともあるだろう。
あまり考えたくはないが、二人が七国全てを回った後、全世界に危機が迫る――!という展開が正直あると思っている。そのため、覚悟はしておくつもりだ。
そういえば、旅人は璃月の鍾離という人物と、フォンテーヌに猫の知人が居ることについて話したことがあると言っていた。
その名前には思い当たることがあった。
実はあれから璃月に訪れることは無かったし、それどころかフォンテーヌから出ることもなかった。
しかし、ようやくフリーナの重荷が解き放たれた今、落ち着いたら一緒に璃月や各国へ旅することを考えてもいいだろう。
この先、時間はいくらでもあるのだから。
私は、変わらずフォンテーヌの地を見守り続けている。
それは呼び名や誰かに頼まれたからではなく、私自身がやりたいことだからだ。
自身がやりたいことが誰かに必要とされること。それは恐らくこの上ない幸運なのだと思う。
……
家を出て、街を出て、海の見える場所に腰を下ろす。
波の音がひどく心地よい。
いつか見た光景だが、今は隣にフリーナがいた。
隣でしゃがんだ彼女が私に声を掛ける。
「そうだ、僕も元素力を使えるようになったから、今度それを使ったショーを練習してみないかい?キミ以上に息が合うパートナーは居ないだろうし、きっと派手で、盛り上がると思うんだ!」
それは楽しそうだ、と頷いた。
だが、最近は舞台俳優として出るのは敬遠していたのでは?とも思った。
「別にいいじゃないか、見せるのはステージじゃなくても、どこでもいいんだ。練習だって本番だって、楽しければそれでいいんだよ」
確かにそれはそうだ、と納得した。
……そういえば、私は彼女の前で喋ってもいないのに、何故言っていることが分かるのだろう?と首を傾げた。
すると彼女はその思いすら読み取ったようで、得意そうに答えを教えてくれた。
「キミは、僕の家族だからね!」
眩しい太陽のような笑顔を見て、少し笑って頷いた。
今は、この世界の全てが輝いているような気がした。
【水神の家族、フォンテーヌの守り猫 完】
拙い二次小説を最後まで読んでくださり、大変ありがとうございました。
今後は空き時間を見て番外編などの投稿を考えていますが、少し時間が空く予定です。
もし過去を書くにしても、ゲーム本編の伝説任務のように現在の時系列から語る形を考えています。
以下には少し長めの後書きを書いています。
作品のノイズに感じられるかもしれませんので、特に読んでいただかなくても大丈夫です。
■後書き
元々この二次小説は一月末までの完結を目指していましたが、評価・感想・ここすき・ランキング掲載にやる気をいただけましたので、一話を書いて投稿してから書き溜めはほぼありませんでしたが結果的にはあっという間に完結までいけました。
重ねて感謝いたします。
自分としては色々と至らぬところを実感しましたが、それでも最終的には途中何度も書き直した結果である今の内容と、完結できたことについては満足しています。
二次小説をちゃんと完結まで書けた話は初めてでした。
ただ、現代編をかなり飛ばした辺りは展開が思いつかないという完全な力不足です。今のところ誤字脱字以外の修正予定もありません。
わざわざここまで読んでくれている方で、さらに気が向いた方は、一応完結まで行きましたので評価の点数を高くても低くても付けていただけると幸いです。
もちろん、既に評価済みの方も完結後の評価で点数を上げ下げしていただければと思います。
今後の参考にさせていただきたいと思います。
また、どの話数の事でも構いませんので、もし一言でも感想をいただけましたら、ありがたく返信させていただくつもりです。
ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました。