バットエンド地雷原な巨大都市でほの字にアーカイブ 作:即オチスキー
対スケバンの初戦後。
各自で装備のチェックを行っている。
まぁ忘れてたらこのあとにカチコミが十分にできないからするしかない。
そして私は、ホローポイント弾なる弾丸を受けた肩を冷やしている。
チナツさんの手当てがバチクソありがたい。
先生さんや、チナツと温泉なんて……許せる!
そんな時にトリニティ自警団、スズミが先生へ呟く。
「なんだか戦闘がいつもよりやりやすかった気がします……」
「…そう、よね。」
「先生の指揮のおかげで普段よりずっと戦いやすかったです。」
ユウカとハスミがうんうんと頷く。大勢を相手にして普通に対処できてるのが夢のようで不思議な気分になっているのだ。
「__次の戦闘もお願いしていいでしょうか先生?」
"もちろん"
そう頼んだハスミや他のみんなに笑顔で言った。
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−シャーレの部室目前−
ついに目標の寸前まで一同はやって来る。
『皆さん少々よろしいでしょうか?』
それはリンからの通信だった。
『今、この騒ぎを巻き起こした生徒の正体が判明しました。』
全員の意識がリンへと向く。
『_狐坂ワカモ。百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。似たような前科がいくつもある人物なので、気をつけてください。』
リンの報告があっても下がることはできない。ただ前進する。
シャーレの奪還が今の全てだから。
第二波、既に傾向や武器種の情報が割れているスケバン達の相手はこなせるようになりむしろワカモのヤバさを知ってる者としては気休めの部類。
なので難なく斃せる。……主に味方のおかげで。
『ぎぁあ!!』
『ぶべらっ!?』
ヘッドショットを決めれば大方相手は倒せなくとも止まる。むしろ即興チームだと足止めが役割まである。
なにより先生の有無がデカい。派閥とかを問わず指示を即座にみんなで聞けるので動きに無駄がない。見てるかトリ○スと頭ゲヘナのみなさん?
最前線の相手を倒し前進する。
やべぇ、ついにスケバン連中の中でひと際異彩としか言えない生徒とついに相まみえた。
「騒動の中心人物を発見、対処します!」
「「!!!」」
ハスミはワカモがいると全体に伝える。
騒動の中心人物、狐坂ワカモ。趣味は破壊と略奪。ちょっと洒落にならない。
着物とセーラー服を掛け合わせたような派手な衣装と狐の面を被ってるのが特徴、そしてやたらめったら強い。
猟銃と軍用銃の差をわからせられちゃう!
「フフ…連邦生徒会の子犬達が現れましたか?お可愛いらしいこと。」
雰囲気が怖いワン。
ニュータイプとか特性とかのプレッシャーを放ってやがる。
……落ち着け、相手は今ワカモ一人だ。それに優秀なライフル使いはこちらにもいる。正義実現委員会の方がな!
"ハスミ、フルカ、あそこのブロックに彼女を誘導して!"
「「はい!」」
よし、照準捉えた…当たる。
自分のライフルの引き金を引く。
「!」
「(外した?)」
狙撃を察したのか通行止めブロックにしゃがまれた。
……違う、勘じゃない。狙撃用レンズの反射光か!
だがワカモの足は止まった、これから障害物越しの撃ち合いだ。先生の指示通りで結果オーライ。
ゴリ押しで突破できる!
実際に結構被弾こそしながらも確実に銃口の数とネームド生徒達、指揮という援護もありで優位になっていく。
確かにワカモは強い、鬼強い。
しかし目と即興の知恵比べで先生が出し抜いた。彼はシャーレを眺めてるような向きで少し上を観察していおり_
"_ユウカ、バリアをもう一度お願い!…右方法、迂回!"
「了解!」
障害物をワカモ視点で右側から顔とライフルを覗かせる。視点を変えて正面近くにいるユウカの視点からだと左から射撃をしている。
そこをユウカは右から回り込む。すると障害物の裏側にワカモの背を視認した。
サブマシからの弾幕、その前に背を取られたと気配で気づく。
「ッ!?」
(なぜ悟られて!!)
「あなたね、この騒ぎの原因は!!」
ワカモは来たる掃射をフィジカルで跳躍して回避し、射線に出て来たため、これを集団で撃つ。
弾は当たってるはずなのに止まらんぞ?
「ちょっとは止まりなさい!」
ユウカの叫びも虚しく指示には従ってくれない。
うわダッシュ速すぎ当たらん。照準が追いつかん。映画とかでよくある雑魚のクソエイムになるぞこれ。
(頭の
避けた弾の一発がワカモに躱されある物体に当たる。
(……なるほど。
道路にあったカーブミラーで動きを読まれていただけ。先読みのタネは簡単なものであった。
同時に狙撃手二人へ注意を割き過ぎてそこまで誘導されたことにも気付いた。
ジリジリと下がればいつかは壁と開閉せず突破に時間のかかる可能性のあるシャーレの開閉ドア。横はもう建物同士の隙間のない街路。ここで安易な離脱はできない。
ワンチャンワカモを収容できる流れになったその時_
首謀者の退散と入れ替えにぞろぞろと不良生徒達が集まってきた。
「私はここまで、後は任せます。」
「この、待ちなさい!追うわよ!」
追いかけようとするユウカをハスミが止めた。
「いいえ、生半可な行動をしてはなりません。私達の目的はあくまでもシャーレの奪還。このままシャーレのビルまで前進するべきです。」
"そうだね。じゃあ私もその方向で考えるよ"
スケバンというスケバンを弾丸で叩き、ついにシャーレ入口まであと僅かとなった。
「うん?この音は……」
先頭のユウカが音の方向を見る。大型の何か、通常の車両ではない何かが側面から大型の物体が一気に横切り、正面に居座る。
不可解な音の正体は履帯での走行音。
そして正体は戦車だ。
「気をつけてください。巡航戦車です。」
戦車は一部の地域で区分分けされており、チナツは立ちはだかる戦車を巡航戦車と認識した。
えっと…特徴として走行能力が高く耐久性は重視されていない。反対に耐久性を重視して走行性を重視していないものを歩兵戦車としている。だったかな?
だとしても持ってきたライフルではもう無理くない?
軍用モデルじゃないんだが?
「あれはトリニティの_」
「えぇ。クルセイダー1型、私達の学園の制式戦車と同じ型です。」
スズミとハスミは自分達のところから流れたのではと互いに推測し、険しい表情を見せる。
「不法に流通されたものに違いないわ!PMCに流れたのを不良たちが買ってたのかも。」
確かにヤバイったらヤバイが……しかしメンツでまだどうとでもなる。なんせ相手さんは戦車道を嗜んでるタイプではない。
「だから先生、あれは別に壊してもいいものよ。不法に流通しているから!」
"なら心配はないね。あの子達には悪いけど…"
気をつけるべきは射線と車体の突進、これができればオーケー。
自分は牽制に徹して、そして先生への被弾を防げばいける!
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『ぐわぁー!!!』
『制御系から煙が!ヤバい!?』
……戦車は割と秒殺だった。
なんなら戦車戦で自分が一番活躍してないまである。
戦車にイマイチ効かない猟銃タンタンの後、出てきた不良生徒をタンタン撃っただけ。
主に戦車はスズミのスタングレネードとユウカのバリアーで妨害して後は滅多撃ちにして終了。
なんなら先生も止めなかったし多分いけるやろテンションだ。
「さてさて、あちらに気を取られてる間に……ちょっとお邪魔しますね。」
誰にも聞かれず主導者のワカモはシャーレ施設に入っていく。
"リン、多分終わったけどどうする?"
『周囲に残存勢力なし、シャーレ部室の奪還を確認しました。私ももうすぐ到着予定です。建物の地下で会いましょう、先生。』
これでしばらくの間先生はシャーレのメインロビーとか言う部屋を拠点に引き継ぎ業務を始めることになるだろう。
一介の生徒じゃ入れないし暇そうなんて呼ばれた生徒達と一緒に待機中なわけで……うわっあのドンパチやった跡は誰が片付けるんだろう?みんなでかな?業者さんかな?
待っていると先生が施設から出てきた。アロナとは指タッチしたねこれは。
笑顔が眩しい。そのうち襲われちゃうよ?
「お疲れでした、先生。今日のことも含めてキヴォトス全域に先生のことが広まるかもしれませんね?」
一段落終えた先生にユウカがそういった。
"みんなお疲れ様。悩み事のある子たちの為にもそうであって欲しいな。"
「これでお別れですが、近いうちにぜひ、トリニティ総合学園に立ち寄ってください。先生。」
「私からもよろしくお願いします。」
トリニティ所属のハスミとスズミからも一言。
「私も風紀委員長に今日のことを報告しに戻ります。ゲヘナ学園にいらっしゃったとき是非訪ねてください。」
ゲヘナ所属のチナツもそれに続く。
"もちろんそのつもりだよ。"
「早瀬会計と私はミレニアムサイエンススクールの生徒なのでもし用があるならお会いできるかも、ですね。今後もよろしくお願いします。」
「あ、なら私も、初日から大変でしたが先生も頑張ってくださいね!」
"うん、ありがとう。"
最後はみんなと別れ先生はシャーレへ戻っていった。自分達も解散。
これからアビドスに遭難しに逝くのか……なんとか助けたいけどそれは別の生徒の役目だし……お金で現地民を雇ったりして案内頼むように、とか言ってればよかったかな?
「でもあの先生もなんだか散財しそうな感じするし……」
「!!!」
あっ、独り言がユウカさんに聞かれた。
すまぬ先生。この感じは後日尻に敷かれるな。