バットエンド地雷原な巨大都市でほの字にアーカイブ   作:即オチスキー

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ホシノ救出

 

『_さぁ来い、戦い方を教えてやる!』

 

フルカはカイザーPMC兵士らへ啖呵を切り、一気にバイクを加速させる。

 

倒すべき相手はアヤネの報告があった後続含めて現在200弱。

対策委員会がいくらか落としてこの数だ。

まだ援軍が来る可能性も否定できない。

しかし大隊規模を釘付けにしてるゲヘナの風紀委員長に比べれば数は僅か、そう思えば小〜中隊なら臆せず相手にできる。

 

ここでできなきゃただの恩知らずになってしまうからそれでもやるしかない。

 

 

兵士達が囲ってマシンガンを掃射、狙いは当然一人。

しかしまともに当たらない。

 

(センサーを頼りに撃つのは当たり前だが、それに狙いを絞りすぎているな!)

 

PMC兵士のサーマルセンサーが座標あたりの温度を捉える性質上その場の温度が上がるまでに少し時間がかかり正確性が損なわれてしまっているのだ。

 

相手がオートバイで走るとなればより速度が出て命中率は下がる。

 

 

「そこっ!」

 

風と煙を切り、片手で構えてライフルの引き金を引く。

 

『_ホガッ!?』

 

命中した兵士がのけぞってしまいバイクから落下する。

一人落としても彼らは二人乗り、まだ戦力足り得てしまう。

 

急に座席がの高さ上がり仲間がやられたことに気付いたバディの兵士が後ろを振り向いた。

 

前方不注意、その隙を見逃さずすれ違いざまに蹴りを一発お見舞いする。

 

『_ッ!?』

『うおぁぁあッ!?』

 

フルカの蹴りで横に吹っ飛びバイクは横転。

吹っ飛んだ兵士が別の兵士に激突し更にもう一台バイクがひっくり返る。

 

より巻き添えを、と思った。

しかしバイク部隊は倒れたバイクと兵士らをスルリとかわしながら走り抜けて赤い襲撃者を追う。

 

先頭はフルカ、腕部のガス排気装置から煙幕を放出して追手の視界を妨げながら奔る。

 

(怖いけど…あそこでやるか。)

 

彼女は向かう。

制圧攻撃で崩れた中継地へと。

 

___________

 

−PMC拠点中継施設−

 

瓦礫と砂がひしめく悪路となったそこで戦局を傾けさせるためにフルカはアクセルを全開に捻り加速させる。

 

途中で煙幕の展開するための携帯ボトルが空になり薬莢のように腕部から排出され横へ跳ねる。

 

(さっきので常備用は最後、ここから目眩ましは無しでやるしかない!)

 

速度で負けじとバイク部隊も速度を上げて接近。マシンガンを再び掃射し、まだ残る煙幕で火花が散った。

フルカのスーツに着弾したが効果は薄い。またバイクは硬質のリアボックスと保護板が弾丸を本体に通さない。

そのため命中してもまだ問題なし。

 

より後ろ側の兵士がロケットランチャーを構える。

ライフルによる狙撃のリスクがないことを把握したからだ。

 

狙いはフルカとその周囲、引き金を引き弾頭が飛び出す。

撃ち出した弾頭は一瞬で加速した。

彼女やその周りを目掛けて行き距離は接触寸前、

 

 

[_せいっ!!]

 

背後から飛んできた弾頭を二つ、後蹴りで弾き飛ばす。

信管に衝撃が走り空中で爆発した。それにより距離が近いバイク兵は餌食になり、その他の兵にもサーマルセンサーが辺り一帯を高熱源と表示させる異常を発生させた。

 

爆発の中、煙を押しのけてフルカのバイクが飛び出す。

 

『ホワィ!?』

 

灰色の煙から油断し蹴り飛ばされた兵士も出てくる。彼は重力と移動速度という二つの力によって砂漠に叩きつけられ勢いでゴロゴロと転がり放置された。

 

 

『ぎゃあ!?』

『しまった!ぐぉぁあ〜〜!!』

 

蹴り飛ばされた兵士より後ろでは視界を確保できる機能が一時的に全てなくなり最前列あたりの兵士達が次々と事故を起こしバイクから落下していく。

 

ただでさえ不整地であるのに目隠しして100km/h近いスピードで走るようなものだ、その手のプロだとしても事故だって起こる。

 

脱落した兵士を躱して後続のバイク部隊が代わりに前衛へと出た。

 

(ここでダメ押し!)

 

後方側面のリアボックスが二つ車体から切り離され転がり落ちる。

 

バイク部隊は最前列でも接触しないよう逸れていく。

だが、フルカの狙いはそこではない。

 

 

 

(今、点火!)

『『『__!!!』』』

 

切り離され自動でボックスが開き、中身が爆発。

爆発が火器やオイルタンクに引火して爆発を呼ぶ。

 

その熱と爆発が背中を撫でる程規模が大きくなった。

結果、燃えることのない砂漠がガソリンと火薬により燃えている。

 

 

 

 

 

もうここでいいや、決着をつけよう。

バイクをターンさせて背で燃え上がる炎へ振り向くように停め、座席を降りた。

 

数は幾ら減らせただろうか?50減らせれば御の字だが…

 

まず最初に出てきたやつを撃ち落とす。直線で突っ込んでくるんだから当てるのは楽だ。

 

次に来た兵士にはバイクにパンチを入れて二人まとめて壁の跡へ激突してもらった。激突したバイクがもう定番くらい燃えている。

 

また銃を構えて弾丸を浴びせる。

 

 

そうやって来るやつを倒せどもついに四方を囲まれた。

オートバイの機動力がたった一人の制圧力を越えることは容易だ。ライフルと物理攻撃だけになっているからできて当然。

自分の視界に入る兵士はマシンガン、死角に近づくほどロケットランチャーを構えている。

 

『『『……』』』

 

《やっと囲めたか。ふん、貴様らなど集まろうが所詮子供。子供など怖くない!怖いのは降格だ!!》

 

こっちは弾切れ。リロードするには余裕がない。

もうスーツの性能が頼りだ。

 

《総員放て!》

「_とぅっ!!」

 

一跳びで10mを軽く越えて上昇し弾幕を躱す。

すごいジャンプしたんだ!どうせ落下するなら!

本気でやる!!

 

ライダーキィィィイック!!!

 

《弾幕を張って撃ち落とせ!な、来るな!くるっ、ほぐわっー!?》

 

着地、そして爆散!

爆散しないし死なないけど爆散!

 

 

あぁ、本当にすごいなこのパワードスーツ!よく動くしよく見える!

 

『銃が全く効かないぞコイツ!?』

 

部長、技術開発部のみんな!本当に……

 

『ちょ、直撃だぞ!!ロケランの!どうなってるんだ!!』

「んなわけない。盾になるものならいくらでも落ちてる。」

『え?でも爆風は…ぎゃん!!』

 

 

本当にありがとう!!

 

[最大稼働、開始。予備タンク使用。]

 

 

『目眩まし!?またこれか!!!』

『ヤツはどこにい、ぐぎゃあぁぁーッ!?』

『何でバイクより速いんだよ!?ありえおぶげっ!!』

 

文字通りバッタバッタとなぎ倒す。特撮の敵戦闘員をヒーローが何人相手取っても倒すように倒す。

 

 

 

『馬鹿な!これではたった一人に我々が!我々がぁ!!』

 

「どぉぉぉりゃあぁぁぁ!!!」

 

最後の一人へハイキックを叩きつける。

 

『申し訳ありません!部隊長、カイザー理事ィィイ!!!』

 

彼は上司への謝罪とともに吹っ飛んで砂漠に半身を埋めるのだった。

 

 

 

「……終わった。まだ終わってないけど、終わった。」

 

 

 

なら行かなきゃ。

アビドスのみんなが…あっ、先に連絡をしないと。

報連相は大事だ。

 

 

「……アヤネさん、こちらフルカです。請け負ったカイザーの兵士は全て撃退しました。」

 

『__ありがとうございます!私達は現在カイザー理事と交戦中です!後は全て任せてください!』

 

「はい、わかりました!」

 

……ふう、ならそろそろ終わるな。

カイザー理事は自分と同じでドンパチを積極的にできるタイプじゃないし。魔境アビドスを生きる生徒達の敵ではない。

行くか。ここで帰るのも水臭いものだ。

 

バイクはどこやったっけ?……あれか!爆破の衝撃で倒れちゃったけど。

 

エンジンは…かかるな。よし!

マスクは暑苦しいので外…すのは砂が目に入ったら嫌だしギリギリまでつけておこう。

ひょっとしたらファウスト様&トリニティの人達や便利屋68の面々も道中で見かけるかもしれないなー。

 

____________

 

−PMCアビドス拠点本部−

 

対策委員会の生徒達はカイザーPMC理事を撃破して囚われた生徒、小鳥遊ホシノの救助に成功した。

 

砂漠に埋もれるビル群、アビドスの衰退を示す場所である。

それでも彼女達は安堵と笑顔を見せた。

暗闇だった施設を出たホシノには少し眩しい景色だ。

 

(……あぁそっか。みんなが、先生が。)

 

 

「お、おかえりっ!先輩!」

「あ〜!セリカちゃんに先を越されてしまいました!恥ずかしいから言わないって言ってたのにズルいです!」

 

「えっ…じゅ、順番なんてどうでもいいことでしょ!」

「そんなどうでもいいなんて。…先輩!おかえりなさい、です!」

 

「……無事でよかった。おかえり、ホシノ先輩。」

「ホシノ先輩、おかえりなさい!」

 

"無事で本当によかった!"

 

「あはは……。」

 

ホシノにとっては嬉しくもどこか気恥ずかしい。自分から犠牲になるために飛び込んだのに後輩とこうなるまで信用できなかったはずの先生に助けられてしまったから。それに_

 

「……なんだか期待に満ちた表情なんだけど。……求められてるのはあの台詞かな〜?」

 

「でも、もうちょっと待っててくださいよ!あと一人すぐに来ますから!」

 

少し横目になって恥ずかしがる先輩へセリカが待ったをかける。

 

「うへっ」

 

 

 

 

「…ん、来た。」

 

 

バイクのエンジン音が近づき乗っているのは赤いパワードスーツを着込んだ生徒だと気づく。

 

ホシノにも見覚えのある生徒だ。

なぜか全裸で砂漠で彷徨っているところを助けたあの子。

 

彼女は適当なところでバイクを降りる。

マスクを取り外しホシノの元へ立った。

 

「_お久しぶりです、ホシノさん。」

「わ〜フルカちゃんだ。ちょっと格好が気になるけど…じゃあ他にも手を貸してくれた子がいたりして……?」

 

 

「「「「「はい。」」」」」

 

「うへ〜」

 

ひとしきり悶絶して落ち着いたのかみんなに顔を向ける。

 

「はぁ〜、穴があったら入りたいって気分だけど……その前に集まっちゃったね〜。まだかなーって感じも伝わってくるよ…。」

 

真面目さと親愛の籠もった瞳、表情、心で応える。

 

 

 

         −ただいま−

 

 

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  • もちろんリオ会長
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