バットエンド地雷原な巨大都市でほの字にアーカイブ   作:即オチスキー

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初回報酬
青輝石×40


絆ストーリー2

−技術開発部部室−

 

技術開発部部員から手助けをして欲しいと連絡がありシャーレの先生はミレニアムへ来た。

 

部室前のドアノックをしたが反応がない。

ドアノブを回すと遮るロックがないので鍵は掛かっていない。

 

"ごめん!連絡をもらったから一応入るよ!"

 

先生は部室へ入った。室内は最低限整理されてるとはいえ物が多く廊下が半分の幅しか使えない有様であった。

 

 

「……あ、おはようごさいます先生。ちょっと集中していて…すみません。」

 

部室へ入ると部員の少女フルカが紙の説明書と実物を見比べながら作業をしているタイミングだった。そこで彼女が先生に気づき挨拶をする。

 

"おはようフルカ。むしろ私が勝手に入って来たことを謝るよ。"

 

「いえ、そのように言われても…」

先生はフルカや仕事周りの様子であることに気づく。

辺りにはエナジードリンク、本来彼女がしないような内容の書類。

本人が望まない限り深くまでほじくらないつもりだがミレニアム生徒会の文言の記載まで確認できた。

 

"それより手伝って欲しいことがあるって言ってたけどどんなことかな?"

 

「ハッ!?そうでしたそうでした!!」

 

"!?"

 

ダンッと大きく机を叩き立つ。雰囲気から謎のプレッシャーを感じて先生は一歩、二歩と下がる。

 

目に曇り一つ、輝き一つないない表情が妙に背筋をゾワりとさせて更に一歩下がる。

 

「怖がるようなことはありません。ただちょっとこちらのものを装着していただいてテストをするだけですので!!是非!!!」

 

"フルカ、ちょっと落ち着いて!"

 

「大丈夫ですよ、落ち着いてます。別に痛くありませんので何卒!フヘヘへッ、お願いします!」

 

 

フルカの指している所には赤黒いスーツがあった。

同時に被ると思われるバイザーの付いてるマスクもある。

 

"(なんかコワイ!)"

 

生徒の要望を無碍にはできず頷く。半分はスーツへの興味からだが。

 

"わ、わかったから!やるから落ち着いて!"

 

「フヘへ、…スー、ハー……わかりました。では早速取りかかりますね♪」

 

 

__________

 

先生はフルカに渡されたパワードスーツを装着した。

 

「はい先生、マスク。」

 

"うん。"

 

最後にマスクを装着。

 

"……どうかな?重いけど辛くはないね。"

 

「ふふっ、ヒーローショーに出てきそうですね。今からキヴォトスを周ってみます?マスクで顔も割れませんし…なんて。」

 

スーツを纏った姿を部室にある鏡で確認したらフルカの言う通り何かしらのヒーローに見える。ただし少々怖い印象もあるかもしれない。

 

 

"それも悪くないね。でも今日やることは別なはずだけど?"

 

「そうでしたね。性能テストです。本当は私や他の部員の誰かが着る予定だったのですが急遽一人で作業することになったので先生にお願いしました。」

 

"なるほど、なら任せてよ。"

 

 

ある程度納得がいき、先生も前向きな反応を示す。

少年の心でスーツでうろうろする先生を尻目にフルカはテーブルにあるマニュアルに手をつける。

 

「えー、さてと。まずはメイン電源をつけますね。」

 

バイザーに電気が通る。するとマスク内の視界が一気に明るく、見やすくなっていく。

 

"おっ!軽くもなった!"

 

「人力でも可動しますがメインは電力駆動なのでスーツの負担もそのように軽減できます。……全箇所稼働できてますので次は_。」

 

 

フルカはマニュアルをめくり目を通す。

 

「装備確認ですね。腕部と腰部のですが、あーっと腰装備はオミットされてるので腕部のみになります。付属してるテスト用の発煙タンクのトリガーを…先生、腕にある小さいのを引いてください。」

 

腕はチューブ配線が外付けでむき出しになっている。その中で指を引っ掛けられそうなパーツを先生は発見。

 

 

"トリガーってこれかな?"

 

「そうです。それを上に、肘関節の方向に引いてください。」

 

腕に指の第一関節でスライドする部分に触れて上腕側に引っ張る。

すると勢いよく空気を吹き出す音が出た。

 

"!!"

 

慌てて先生が指を離すと空気の放出が収まり音がしなくなる。

 

 

「あっ問題ないですね。次行きましょう。」

 

"びっくりした……。壊れちゃったかと思ったよ。"

 

「このくらい出力が高くないと大規模な煙幕を張れませんので。これでいいんです。」

 

"へ〜。"

 

 

「えっと…次は実際に身体を動かしたテストです。グラウンドをお借りしてますのでそちらで行います。先生もついてきてください、性能すごいんで期待していいですよ。」

 

"わかった行こう。"

"(まるで特撮みたいでわくわくしてきた!)"

 

 

 

 

−グラウンド−

 

様々ある巨大な施設を抜けてグラウンドに入った。

 

先生とフルカはそれぞれ計測機器を含む備品を台車に乗せて持って行く。道中では清掃ロボや移動するドローンといったハイテク機器が物珍しくないので人力で物を運ぶ人が逆に珍しい。

 

競走で使うだろうレーンの内側で二人は機材を漁って持ち出す。

 

"……"

 

ここまで足取り軽く到着した先生は今か今とフルカに無言で伝えている。ソワソワ具合は少年の心全開の大人だ。

 

 

「では先生もご多忙ですし早速100m走をしていきましょう。」

 

"よし、ばっちこい!あ、これは先に外しておこう。"

 

首に下げているネームホルダーを外して計測機器の近くに置き、先生は速足で陸上トラックへ移動。スタートラインである白い線を探してその後ろで屈伸や軽く跳ねたりして身体をほぐしていく。

 

その間にフルカが100m先で計測用の機器を置き、その動作を確認まで行い準備する。

 

 

「準備できました!それでは始めます!」

 

"了解!"

 

先生はクラウチングスタートの体制をとり待機、ゴール地点より戻って来たフルカは空砲の入った銃を空に突き上げた。

 

 

「オンユアマーク、セット……。」

 

 

タァン!

銃声が鳴り同時に地を踏みしめスタートダッシュをかける。

走る速さは一瞬で乗用車並みになりより加速、ゴールが一気に接近していく。

 

"!!!"

 

 

スタートからほんの2,3秒でラストスパートをかけて走り、駆け抜けた。

そしてあっという間にゴール。

 

ゴールに着いても上げたスピードをすぐには下げられず何mか減速のために走り先生はフルカのいるスタートライン付近に戻って来る。

 

 

"なんだかすごい!速い!!記録はどうだった?"

 

「5秒01、時速換算で70kmくらい出てますね。」

 

 

"!?!?しゅごい!"

 

「ふふふ、そうでしょう技術開発部の技術の結晶ですもの、すごくないなんてありえません!」

 

スーツの性能にも惚れ込んだ先生とわいわい騒ぐ。

端から見れば子ども二人がはしゃいでいるようでもあった。

 

 

 

「次は垂直跳びでの跳躍力。誤差は出ますが先生には巻き尺を持っていただき跳んでもらいます。」

 

フルカは全開まで引き出した巻き尺の先端を持たせる。

 

 

「いつでもどうぞ。着地は両足ですれば安全に、足以外で落下してもたいして痛くありませんのでご安心を。」

 

"なるべく足で着地ね。いくよ…………とぉっ!!うぉぉぉ!?"

 

勢いよく跳びテープ部分が空へスルスル上がっていく。凄まじいジャンプ力でミレニアムの建物の2階3階の高さを越えてより高く上昇。

 

"_おオォォォォー!?"

 

 

重力があると当然落下する。両足を意識して落下に着地を合わせて踏ん張る。

 

"ふんッ!!"

 

ドスッと落下音が鳴った。高さとスーツの重さにより今まで聞いたことのない音が鳴り、衝撃で深い足跡が付く。

 

 

「ちょっとビデオを再確認します。」

 

フルカは撮影していたデータを再生しどのあたりでテープ部の上昇が止まるかを確認、テープに若干のたわみが記録されており出される数値はだいたいの精度になるが数字に起こさなくてはならない。

 

 

「記録はおよそ22〜23mでしょう。」

 

"……少し怖かった。でもあんなに跳べたよ!"

 

「はい!では正確性のためもう一度よろしいですか?」

 

"もちろん!"

 

高所による恐怖とロマンで差し引きした結果先生としてはロマンへの興味が勝ったらしい。楽しそうである。

 

 

気づけばパワードスーツの奇抜な見た目や100m走と垂直跳びを見ていたミレニアムの生徒達もなんだアレは?とちらほら集まって見学していた。

 

『なんかやってるね〜。』

『今の見た!?あんなに跳んだよ!』

『どこの部活の人?』

『ヘイローがないけどロボットの方?それとも噂のシャーレにいる先生?』

 

 

 

"フルカ、生徒達が集まってきたけど大丈夫?"

 

企業秘密のように何か隠したいことがあるんじゃないかと先生は気を使う。

 

「そうですね。次は屋内での項目になりますので退散するには丁度よかったかと。」

 

"じゃあ片付けていこっか。"

 

「はい。」

 

見学する生徒の前で先生はパワードスーツのマスクを外してネームホルダーを首にかけた。生徒達もスーツの中の人がシャーレの先生だと理解する。

 

"ごめんねみんな!集まってくれてるけどもうお開きかな!"

 

『えー。』

『もうちょっとぐらい……うーん…。』

『いけない!セミナーの人に用があるんだった!』

 

 

生徒らはそれぞれの事情で解散。フルカと先生も屋内へ移動するためグラウンドをあとにした。

 

 

− フィットネスセンター −

 

そこはミレニアムに所属する生徒達へ健康を提供する施設である。……が、童心が脳内の100%を占めた二人によって試験施設へ変貌していた。

 

 

「すごいですよこれは!!ベンチプレス500kgを片手で!」

 

"なんだか疲れない!あと100回くらいは全然いけそうだ!"

 

「"うおぉぉぉぉっ!"」

 

燃え上がる情熱に従い、持ちうる性能を追求していく。その姿は科学者、研究者を志した者達の始発点、きっかけのようだ。

 

「握力は指2本で計測器のギリギリまで到達!」

"それ以上は計器が壊れそうだし仕方ないね!"

 

 

 

 

「あのすみません。」

 

2人の背後から声がした。黒髪のポニーテールが特徴的な生徒がそこにいる。

 

「はい?」

"スミレ?どうしたの?"

 

ポニーテールの少女改めトレーニング部所属の乙花スミレが話しかけくる。どうにも彼女は困った表情を示す。

 

 

「器具を丁寧に使ってくれているのはわかりますが、流石にトレーニング以外の用途で使うのは…控えてもらっていいですか?」

 

「すみませんでした。」

"すみませんでした。"

 

 

こうしてはしゃぎ合った試験は終わるのだった。

リオ会長とトキはどちらが好きですか?

  • もちろんリオ会長
  • 当然トキ
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