バットエンド地雷原な巨大都市でほの字にアーカイブ   作:即オチスキー

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アリスはヤバい生徒?

ミレニアムサイエンススクールの生徒会、セミナーと呼ばれる組織がある。

 

そしてそのセミナーの会長から支援要請という実質強制徴収を受けて技術開発部のパワードスーツと装着者愛弐フルカが一時的な引き抜きに遭うのだった。

 

 

 

 

 

どうも愛弐フルカとしてキヴォトスを生きている者です。

トキさんの脅迫?があって翌日、早速セミナーより携帯電話で連絡が入りました。

 

『正午にセミナー執務室にて待機』

 

わぁ、わかりやすい!内容は何もわからないけどねぇ!

あと個人用アドレスに送るのやめて!閲覧履歴とか見られたら人は腹を切らねばならぬ。

 

更に大変なことに気づいちゃった。技術開発部もエントリー予定のミレニアムプライス、肝心の実物がセミナーに徴収されちゃったから参加できない!

 

あんなにみんなで頑張ったのに……いや直接セミナーにスカウトが来たと解釈すればまぁ恨まずに済む。

……でもやっぱり悔しい。元は災害救助用に製作されたパワードスーツが自分のわがままのせいでなんか使えるかもって……。

俺が悪いんだよ、そしてまた自分のわがままを重ねるのか。

 

黙っててバレてないけどこれもう悪だろ。(真実)

 

 

 

 

−セミナー執務室前−

 

我が子(パワードスーツ)を取られて死んだ雰囲気の技術開発部の部員に行ってこいと背中をここまで押されてやってきた。

 

一旦ドアをノックする。

 

「失礼します。技術開発部一年、愛弐フルカです。」

 

『入りなさい。』

 

ドアの向こう側からの声。トキではない。

なら他に心当たりのある人物は…。

 

「_失礼します。(うおデッッッッ!)」

 

入ってまず目に映ったのは黒髪ロングのバリキャリな雰囲気を持つ少女、調月リオがいた。

 

「こんにちは、愛弐さん。」

「あ、はい、こんにちは。」

 

先生はよく鼻の下伸びなかったものだ。本当にすごい、尊敬する。

こんなのボン・キュッ・ボンの暴力だよ!!

技術開発部のみんなには申し訳ないけど落ち込んだ気持ちが吹っ飛んだのだけど!?

 

「先日は急に支援要請をしてしまい申し訳ないわね。」

「い、いえ!全然大丈夫なんで気にしないでください!」

 

頭を下げるリオ会長。

自分も慌てて手を振る。

 

「ああ、そんなに緊張しないで。それより私としては_愛弐さん、あなたの活躍は私も耳にしている。」

 

リオ会長は私の目を見る。くっ、顔がいい。

 

 

「え?あ、はい。……でも私である必要はないのではありませんか?C&Cどころかゲーム開発部の方が普通に強いですし。」

 

活躍を耳にしたというより情報を抜かれたのでは?フルカは訝しんだ。

 

「ええ、あなたの直接な戦闘面の実力はそのとおりで間違いないわ。実績を除けばの話だけれど。」

「……?」

 

アビドスでは一人のカイザーPMC兵士を一人あたり軽く100人以上倒さないといけないのでみんなやるしかなかった。パワードスーツがないと私にはそれができなかった。

それを実績と呼べるのか?魔境キヴォトスだぞ?

 

「あら、自覚がないのかしら?」

 

「あの、アビドス砂漠の件でしたらアレはパワードスーツの性能のおかげです。同じ部員なら誰でもできます。」

 

「_シャーレ奪還作戦。」

 

いやそれも腕っぷしの立つ人達と指揮が上手い先生のおかげで突破できたのであって断じて私の手柄ではない。

 

「あれだってそうです。セミナーの早瀬会計や他派閥の生徒、シャーレの先生のおかげです。私の有無なんて誤差ですよ……本当に。」

 

「そうね。確かに全て偶然で片付けることもできるわ。むしろその方が答えを出すのに簡単よ。でもミレニアムは偶然だとしても結果は結果に変わりないわ。」

 

リオ会長はまだわからんのかとでもいいたそうな感じだけど!私にも弱いという事実がある!

 

「あなたにはシャーレ奪還、中隊規模のPMCカイザー兵士を単独撃破という結果があるの。」

 

「あ、ハイ。」

 

そう言われたら事実だねとしか言えない。だから結果論を信じすぎるのもよくない!

ここミレニアムの悪いところ。

 

 

「この功績より愛弐フルカ、本日付けで要塞都市エリドゥの防衛をセミナー権限で任命する。」

 

さぁ、心の中でゴタゴタ文句を垂れ流した。後は腹をくくろう。自分の意思できたんだから言い訳するな。

先生が天秤にかけて救えなかった生徒を少しでも救う為に、私だって幻想に過ぎなかったけれど先生だったのだ。だから手を取ってみせる。

 

 

「指令を確かに承りました。全力を以て任務遂行します。」

 

一礼して賛同の意志を示す。

 

正しいと信じて作り上げた敵だらけの計画。裏を返せば共通の敵を作れば人は手を取り合えて心を一つにできるのだ。

 

たった一人の少女と持ちうる正義にキヴォトスの運命を賭けた天才達の奔走に混ざり敗北する。そんな戦いをしなくてはならない。

 

「えぇ、頑張ってちょうだい。」

 

この日から技術開発部でしばらくフルカを見かける者はいなくなった。

 

___________

 

技術開発部はすっかり元気をなくして数週間。

この期間に目玉のミレニアムプライスはやむを得ずパワードスーツとは別の代替案を提出したが力を入れてなかったので受賞を逃す。

だがフルカは受賞できなかったことしかわからなかった。辞令により時間を共有できずみんなの顔すらみていないのだから。

 

 

今日は計画がまとまったらしくリオ会長がセミナー執務室にトキとフルカを集めた。

デスクには以前なかった資料の山、どれほど調べたかがよくわかる。

 

「ゲーム開発部所属の天道アリス、彼女の正体についてまだ仮説だけど把握できたの。」

 

「……」

「最近ミレニアム編入したらしいあの子のですか?」

 

 

天童アリス

人数不足、部活として貢献できるような活動を最近できてないとの理由で解散寸前だったゲーム開発部に急遽入って来た純真無垢の一年生。廃墟群からゲーム開発部が持って帰ってきた謎の存在にしてクソゲーの被害者。

怪力でスーパーノヴァと命名された重ビーム砲を光の剣と呼び軽々扱える。

 

そんなの怪しすぎる……とリオ会長は踏んだのか。

 

「そうよ。彼女の…いや、アレの正体は_古の民が残した遺産。と推察しているわ。」

 

「「遺産(ですか)?」」

 

 

「そう、俗にいうオーパーツよ。」

 

 

「……。」

「アリスさんが…。」

 

 

資料を一部ずつ渡して来たので受け取る。

分厚い!専門書かな?

 

ふむふむ……?……??

 

 

内容はかなり難しいがDivi:Sionだの名もなき司祭だの名もなき神とブルアカのプレイヤーとして見たことあるワードがつらつらと印刷されてあった。

難しいけど古文書めいて読めないところはリオ会長が丁寧に翻訳してくれてなんとか読めるぞ!

 

 

うんうん。資料から読み取ると、観測がほとんどできない昔の時代に滅びた存在がいて彼らが再びキヴォトスの覇権を握るために準備をしていると。その実行役が多分天童アリスじゃね?っと。

 

なんかそんなのあったねー……あったよね?

 

そして続きは当人のアリスが敵対行動を取った場合の処置。

ヘイロー(生徒の頭上にある謎の記号みたいなの)を破壊して機能を停止させると。実際コワい。

けど組織の長として手をかけることだってやらざるおえないか。

 

 

 

「さて、現在あなた達に伝えられることはここまでだけど質問はあるかしら?」

 

質問があるかと聞かれるがどう答えたものか?

リスクとして無難な反応は『何もない』、次点で『ワードへの質問』、大穴は『計画への評価』。

 

 

失敗しますと素直に答えるのも択だが化学的根拠なんてないし古の民の技術なんてアリス以外その場にない兵器なんて証明しようがない。反論には状況証拠だけで述べる必要がある。

 

けど根幹を変えなきゃリオ会長は止まれない。理性と正義を以て暴走する。暴走というか原因を排除するという最短を目指したのだと思うけど。

 

天才が全力でやって、それでも勝てない。

ここで決断しろ。大筋そのままか何か意見するか。

 

「私はありません。全てリオ様のご意向に従います。」

 

「そう。フルカ(あなた)は?」

 

 

 

「………困難を極めるかと思います。」

 

言った、言ったぞフルカ!胃が痛い。

次は根拠だ。

 

 

「…なぜそう思ったのかしら?」

 

「……現状のミレニアムは確かにキヴォトストップクラスの技術力を有します。えっと、ここに間違いはありません。そしてミレニアムで生み出す製品、特にプログラム側を基準にした際にそう結論付けました。」

 

アリスを基準に考えられると根拠になるよね?現状唯一の状況証拠だし、リオ会長はちょっと眉ひそめてるし。

 

「続けて。」

 

「はい、今の状態では参考にできる事柄としてアリスさんのことがあるでしょう。彼女をオーパーツと表現するなら演算能力はミレニアムの技術の先を行きます。なにせ自己のみで他の生徒のよう失敗し、学び、成長しますので。」

 

アリスはミレニアムの学生であって直接キヴォトスに脅威をもたらすわけではない。アリスと共にある存在が脅威になる。

まだそれを誰も知らない。だからそれは言っても意味がない。

 

「既にミレニアムの技術力をある程度把握されてかつ、本人は命を吹き込まれたといっても過言ではない技術力によって生まれたのでしょう。技術と情報、相手に既に二つ有利な条件が発生してる以上計画の成就はできないと愚考します。」

 

言った、言いきったぞ。しかし質問は受け付けたくない。素人質問で恐縮ですがは悪魔のワードだ。

特に頭のいい人のそれは凶器と変わらない。

 

 

「……」

「……」

 

わぁ、間が恐ろしや。事前に相談などしてないトキは当たり前だが助け舟の一つも何もない。リオ会長は色々素晴らしいので胃痛に関係ないけど運命を変えるかもと思えば腹が痛くなる。

 

 

「つまりミレニアムの技術と戦力だけでは不可能、と言いたいの?」

「あぁ…いえ。そうではないです。計画の基本は会長のプランで最適解だと思ってます。」

 

「「?」」

 

意味がわからない、といった様子を二人はみせる。誰だってそうだろう。自分でもそうだ。

『計画は失敗するかも?でも何も計画は変えなくていい。』なんて聞いたら普通の反応はそうだろう。

 

自分の提案は難しいことではない。ただ__

 

「勝利条件の変更を提案します。天童アリスの排除を無害化に変更するのが良いかと申し上げます。…例えたくさんの人の感情を利用することになっても。会長の手がけたエリドゥを釣り餌にしてでも!」

 

そう、本当に戦うべき相手が何かを決めることを提案する。

 

リオ会長とトキはどちらが好きですか?

  • もちろんリオ会長
  • 当然トキ
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