日英同盟召喚   作:東海鯰

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報復の光

パーパルディア皇国軍上陸部隊

 

「進めー! 捕らえたアルタラスの民は自由にしてよい!!」

「「「「「ウラー!!」」」」」

 

地雷を排除し、ワイバーンロードによる防空支援を受けながら前進する上陸部隊。しかし、突如として彼らの耳には奇妙な音が聞こえてくる。

 

「・・・・? なんだあ? あれは?」

 

次の瞬間、大地が爆発し、多数の将兵が爆風に吹き飛ばされる。

 

「何事だ!? 海軍の誤射か!?」

「分かりません! ですが、我軍ではないのは確かです!! 内陸部から飛んできました!!」

 

こうしている間にも次々と大地が爆発し、多数の将兵が巻き込まれていく。

 

「ワイバーンロードの偵察によると、遥か後方にアルタラス王国陸軍の砲兵陣地を確認したとのこと!!」

「なにぃ!? 蛮族が我らより長射程の砲を運用しているだと!? ワイバーンロードには砲兵陣地攻撃を指示せよ!! また、陸軍部隊には負傷者を収容し、下がるように伝えよ!!」

 

 

パーパルディア皇国竜母艦隊航空部隊

 

「我らの母艦に飽きたらず、陸軍までにも屈辱を与えたこと、絶対に許すまじ!! 全軍突撃!! 降伏は許すでないぞ!!」

 

母艦を沈められ、恨みが溜まっているワイバーンロード部隊はアルタラス王国陸軍の砲兵陣地に向けて進軍する。

 

「見えたぞ!!」

「何て速射性の高さだ!! 滅ぼせばその技術も我らの物だ!」

「ん? 何かが此方に砲を向けて・・・」

 

次の瞬間、ワイバーンロード部隊目掛けて多数の銃弾が放たれる。まともに喰らった者は肉塊へと姿を変え、運良く生き残った者は腕や脚をもがれ、地上に墜落していく。先陣をきった部隊は見るも無惨な姿に変えられていく。

 

「馬鹿な! 最強の我軍のワイバーンロードをハエの如く叩き落とすだと!?」

 

仲間の仇を!と突っ込んでいくワイバーンロード部隊は次々と銃弾の雨に狩り取られる。やがて30分後にはワイバーンロード部隊は全滅し、パーパルディア皇国軍の航空戦力は皆無になってしまう。

 

 

アルタラス王国陸軍砲兵陣地

 

「日本の兵器の質の高さは異常だな。これは高い訳だ」

 

アルタラス王国陸軍は砲兵部隊に日本から輸出された兵器を使用していた。牽引式の155mm砲や99式自走榴弾砲、そして26式自走対空高射機関砲を装備し、パーパルディア皇国軍と戦闘。各々の性能の高さを存分に発揮し、パーパルディア皇国軍の進軍を完全に止め、ワイバーンロード部隊を瞬く間に叩き落とした。将兵の士気はうなぎ登りであり、勝利を確信していた。

 

「・・・・頃合いですな」

「ああ。海軍からの合図で我らも前進する!! 総員装備の最終点検急げ!!」

 

 

アルタラス王国海軍旗艦ベシアル

 

「目標捕捉! 主砲照準、多数のパーパルディア皇国艦隊!!」

「主砲照準完了した艦から順次砲撃を開始せよ!」

「うちーかたー、はじめ!!」

 

海上ではパーパルディア皇国艦隊を捕捉したアルタラス王国・イギリス連合艦隊が砲撃を開始した。圧倒的射程圏外から放たれる鉄の雨を喰らったパーパルディア皇国艦隊は為す術なく次々と轟沈。あまりの悲惨さに逃げ出す艦があとを絶たず、指揮系統が完全に混乱。更には司令官シウスが座乗する旗艦が艦長の判断で撤退を開始。シウスは撤退を認めないとして、艦長を拘束するよう指示するも、シウス以下上級将校を逆に艦の乗員が拘束。営倉送りにしてしまう事件が発生。旗艦が真っ先に離脱したことで指揮系統は完全に崩壊。指揮を第81戦隊指令タドコロ大佐が引き継いで戦闘に臨むも、艦を次々に沈められ壊滅。

 

「(性能差が)アリスギィ!!」

 

と言い残して艦は爆沈。沖合いで艦隊が次々と火だるまになり、逃げ出していく様子を見た上陸部隊は絶望。士気の低下は止まらず、揚陸艦で逃げ出そうとする始末であった。なお、その揚陸艦を沈めるべく、アルタラス国際空港から出撃したユーロファイタータイフーンやアルタラス王国空軍のワイバーン部隊が参戦。イギリス空軍の攻撃で戦闘力を喪い、アルタラス王国空軍によりトドメを刺される。脱出に成功したのはたった1隻しかなく、他は全て沈められるか座礁・炎上した。これにより上陸部隊はアルタラス島から脱出することが不可能になった。そんな彼らに最後の裁きを下すべく、アルタラス王国陸軍は前進を開始した。

 

「陸の王者、前へ!!」

「訓練の成果を見せてやるぞ!!」

 

アルタラス王国陸軍は満を持してレオパルド2を投入。26式やブッシュマスターを引き連れ、孤立したパーパルディア皇国軍全滅に向けて動き出した。

 

「鉄の象の前に地を這う竜なんぞ恐れるに足らず! うてー!!」

 

レオパルド2はパーパルディア皇国軍のリントヴルム目掛けて戦車砲を発射。随伴する26式やブッシュマスターは機関砲を乱射し、歩兵部隊を血祭りに上げていく。

 

「進め進めー! 敵には海軍の支援はない!!」

「降伏は白旗のみ!! それ以外は認められない!! うてうてー!!」

 

一部の部隊が第三文明圏方式の降伏の合図をとるも、NATO式に再編する際に降伏は白旗のみと教育されていたアルタラス王国軍は敵が降伏しているとわかっていながら攻撃を続行。戦後にアルタラス王国国内の反王室派が反発するが、彼らはまもなくMI6や日本のとある企業により地上からは姿を消すことになるのである。

 

「降伏したのに!! おのれ蛮族どもが!!」

 

捨て身の特攻を試みる兵もいたが、容赦なく戦車に牽き殺される。ブッシュマスターに取り付いた兵もいたが、内部から完全武装のアルタラス王国軍兵士が現れ銃剣で命を落とす。その後ブッシュマスターから続々と陸軍兵士が吐き出され、掃討戦に移行。パーパルディア皇国軍は陸海空共に壊滅的な被害を出し惨敗。生き残ったのは、揚陸艦で真っ先に脱出した陸軍300名、戦列艦45隻、揚陸艦1隻、運良く戦列艦まで辿り着けたワイバーンロード1騎というものだった。その他はアルタラス王国・イギリス連邦王国軍により撃破または鹵獲、あるいはシオス王国やナハナート王国等の中立国に逃げ込み武装解除された。こうしてアルタラス王国侵攻作戦は完全に失敗。パーパルディア皇国皇帝ルディアスの権威を失墜させると共に、日英両国は対パーパルディア皇国戦に必要な拠点の維持に成功した。

 

 

アルタラス王国首都ル・ブリアス

駐アルタラス王国イギリス大使館前

 

「アルタラス王国万歳!! 国王陛下万歳!!」

「テンノーヘイカー、バンザーイ!!」

「イギリス連邦王国国王バンザーイ!!」

 

アルタラス王国のイギリス大使館前では、自国軍がイギリス連邦王国軍と共にパーパルディア皇国軍を完膚なきまでに粉砕したことを喜び、感謝の声をあげていた。日本から輸入された爆竹が多数鳴らされ、同じく日本から輸入された花火が連日打ち上げられお祭り状態であった。

 

「エンペラー万歳って、ここは日本大使館じゃないんだけどな・・・」

 

イギリス大使館前で天皇陛下万歳と言われたハルト大使は複雑な気持ちになる。ちなみに日本大使館はイギリス大使館からはかなり離れた路地裏(土地代が安かった)にあり、知る人ぞ知る大国の大使館になっている。

 

「とにもかくにも、アルタラス王国の拠点は維持出来た。そしてそろそろ・・・始まるな・・・」

 

 

パーパルディア皇国工業都市デュロより5000キロ沖合い

イギリス海軍原子力潜水艦ヴィクトリアス

 

「我らが乗艦してからずっと潜りっぱなしですな」

「にも関わらず我らの船より快適なのは凄いとしか・・・」

「そもそも海中に潜るという考えさえありませんでしたぞ」

 

ムーを始めとする第二文明圏国家群の観戦武官はイギリス海軍の原子力潜水艦ヴィクトリアスの能力に驚くばかりであった。乗艦後にイギリス海軍の一翼、そして強大な抑止力を担う原子力潜水艦についての説明を受けた。それだけでも驚きなのにこの艦は都市、いや国一つを軽く消し飛ばすことが出来る兵器を運用しているという。それを報復としてパーパルディア皇国の工業都市デュロに撃ち込むというのだ。説明として戦前、現在のイギリスの同盟国日本と戦争していた時にアメリカにより広島と長崎に投下された際の被害状況や悲惨な光景を収録したビデオが上映されると、嘔吐や涙が止まらぬ武官が続出。皇国はとんでもない国々を激怒させた。我らはそんな彼らと友好関係を築くことが出来た。

 

「本国の連中は驚くでしょうなあ・・・」

「果たして信じて貰えるのやら・・・」

 

その後、時間になりイギリス海軍の原子力潜水艦ヴィクトリアスは遂にパーパルディア皇国に向けて核弾頭を搭載したトライデントⅡを発射した。ミサイルには5発の核弾頭が搭載されており、イギリスの勝利と皇国の敗北が約束された懲罰の光が今まさに放たれた。パーパルディア皇国にはこれを防ぐ力は・・・・ない。

 

 

(続く)

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