日英同盟召喚   作:東海鯰

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日英同盟締結

日本国 東京都 首相官邸

 

「では、両国の首相は条約への署名をお願いいたします」

 

日本とイギリス連邦王国の国々がクワ・トイネ公国との外交折衝に臨む傍らで両国の結束をより強固にする条約の調印が日英の首相により行われていた。調印後、両国の首相は満面の笑みで握手を交わした。

 

異世界における日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合並びに英連邦王国との相互協力及び安全保障条約

 

通称「日英同盟」の締結である。元々日英両国は中国やロシアの脅威の増大やアメリカの影響力低下等から連携を強化していた。そんな中両国が異世界に転移したことでより一層連携の強化を行い、日英が共に手を結びながら生き残ることで一致。これまでの関係を本格的な軍事同盟へと引き上げることになった。おおまかな内容としては、

 

1.日英両国は両国並びに英連邦王国の何れかが戦闘状態に突入した場合、相互に参戦の権利と義務を有する

 

2.自由主義を護持し、日英両国が諸分野で協力することを規定する

 

3.日英双方が、憲法の定めに従い、各自の防衛能力を維持発展させることを規定する

 

4.日英両国は必要に応じて両国並びに英連邦王国国内及び第三国政府が使用を認めた軍事施設を自由に使用する権利を有する

 

5.日英両国並びに英連邦王国軍兵士並びに軍属による犯罪行為が発生した場合は、発生国の警察機関の捜査に全面的に協力しなければならない。被疑者の引き渡し並びに軍事施設への警察機関の立ち入りを拒むことは出来ない

 

6.この条約は自動更新とする。破棄する場合、通告から一年後に破棄される

 

となった。また同時に日本は英国からユーロファイタータイフーンを100機購入することを併せて表明した。これは異世界転移によりアメリカ製のF15戦闘機のアップデートが事実上不可能となり、更にF35のリバースエンジニアリングや新型機の開発には時間がかかる為、そもそもステルス戦闘機の運用には莫大なコストがかかり、更に言えばF15の後継機としてのF35の調達も困難である為である。更にオーストラリアとニュージーランドは現在運用中のアンザック級フリゲートをクワ・トイネ公国に供与し、日本のもがみ型護衛艦ベースの新型艦を、カナダは現在運用中のヴィクトリア級潜水艦の後継としてたいげい型をそれぞれ導入することを決定。日英両国の軍事協力はより強固なものとなり、後の英国と異世界国家との紛争に日本は巻き込まれていくことになるのである。

 

「これで日本と英国は正式な同盟国となりました。これは歴史的な成果ですねスターマン首相!!」

「全くですなプライムミニスターイシハ!! 更に原子力関係の協定も我々は結びました。ジャパンの技術力に我が国は大いに期待していますぞ!!」

 

異世界における日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合の原子力技術に関する協定

 

日英同盟と共に両国は異世界における原子力政策に関する協定にも署名していた。通称日英原子力協定と呼ばれたこの協定では原子力発電所を初めとする原子力関係の技術協力の強化、英国が保有する核兵器運用に関する技術協力、更にオーストラリアが導入予定であったアメリカ製の原子力潜水艦の代替艦を日英豪で共同開発し、日本とオーストラリアが導入すること、そして導入後は日本が英国と対等な立場で核共有を行うことが定められた。初めは英国が保有する核兵器を日本が導入するが、並行して新型の核兵器を日英共同開発することも決まっている。本来であればこんな内容を日本の世論が認めることはあり得ないが、軍事オタクである石葉首相の性格や異世界転移により国民の間で不安感が広がっていること、アメリカの消滅による抑止力の低下、原子力関係の技術の維持等が組合わさりこの協定は調印された。後に両国の議会でこれらの条約や協定は与党に加えほとんどの主要野党による圧倒的賛成多数により可決成立。日本では極一部の左派政党や市民団体が国会前で抗議活動に勤しんだものの、中国やロシアからの資金援助が途絶え、与党に加えほとんどの野党も賛成していたことから主催者発表10000人、警察発表1000人のデモになったという。

 

 

クワトイネ公国北東50キロ沖合い

海上自衛隊護衛艦もがみ

 

「クワ・トイネ公国の外交官によると、まもなくかの国の領海に近付くとのことです。その後、海上警備中の帆船が現れるだろうと」

「つまりはお出迎えという訳か。彼方さんとのやり取りはどうなる?」

「クワ・トイネ公国の外交官らが魔信、我々でいう無線でやり取りをするので任せて頂きたいとのことです」

「承知した」

「艦長! レーダーに感! おそらくはクワ・トイネ公国海軍艦艇です!!」

「早速お出ましか。外交官らに伝えよ!!」

「ははっ!」

 

(続く)

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