日英同盟召喚   作:東海鯰

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国交樹立

クワ・トイネ公国海軍

軍船ピーマ

 

「我が国の領海に接近する大型船を確認! 灰色の船が2、白色の船が1!!」

「当概船は皆帆を降ろしています!!」

「フン! 図体はデカイが、我々に恐れをなして戦意喪失したか!!」

 

そもそも帆を積んではいないのだが、彼らの常識的ではあり得ない為、軍船ピーマ船長ミドリ以下乗員は護衛艦もがみ以下日英艦隊をそのように解釈していた。やがて日英艦隊は機関を停止し、その場で待機する。

 

「概船は停止した模様。我々の臨検を受け入れるものと思われます!!」

「しかし、見たことのない旗だな。もしかしたら新興国の使節を乗せた船かもしれん。皆の者! 我々はこれよりあのバカデカイ船の臨検を行う!! されど新興国の使節を乗せている可能性がある!! くれぐれも・・・」

「船長! 魔信です!! あの白い船から発せられています!! ・・・・これは・・・約二週間前に派遣した調査隊からです!!」

「なんだと! 生きていたのか!! 未だに消息がなかったから死んだと思っていたが・・・読み上げよ!!」

「読み上げます!! 現在眼下に映る船は敵に在らず。我々調査隊と日本国、グレートブリテン及び北アイルランド連合並びに英連邦王国の外交官は白い船に乗船している。灰色の船は我々の護衛の為に行動を共にしている軍艦である。先の我が国の領空を侵犯したのは日本国の哨戒騎であり、政府公式の謝罪並びに賠償の用意がある。また、彼らは我々と対等な条件での国交樹立を希望している、と!!」

「なんと! とても我々の手には負えん! 臨検はするが、そなたは直ちに本国政府に報告せよ!! 今の時間なら政治部会が開催中のはずだ! 急げ!!」

「ははっ!!」

 

その後、大型クルーズ船に乗り込んだミドリ以下臨検隊はヤゴウら外交官らと合流。これまでの経緯についての報告を受けた。とても信じられない内容ばかりであったが、今こうして彼らの国力を肌で感じており、更に派遣した外交官や兵士が嘘をつくとは考えられず、ミドリはありのままの内容を報告した。その後、本国政府から彼らをマイハーク港まで移動させるように指示を受けたことから移動を開始。水深の不足から日英艦隊は入港出来なかったことから、沖合いに停泊。その後内火艇にて日英の外交官らはクワ・トイネ公国に上陸。待機していた馬車に乗車すると、公都クワトイネへ移動。クワ・トイネ公国首相カナタ同席の下で日英とクワ・トイネ公国による外交交渉が行われた。

 

「我が国は日本並びにイギリス連邦王国と友好関係を築きたいと思います。外交官らが纏めた暫定案を更に発展させたこの内容で国交樹立したいと思います」

 

日本、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、その他英連邦王国の国々の外交官と握手を交わすクワ・トイネ公国首相カナタ。内容としては以下の通りである。

 

 

日桑通商友好条約

 

1.日本国とクワ・トイネ公国は対等な条件で国交を樹立する

 

2.日本国はクワ・トイネ公国に対して、哨戒機/騎による領空侵犯に対して公式に謝罪し、公国はこれを受け入れる

 

 

3.クワ・トイネ公国は日本国に対して条約批准後速やかに食料の輸出を行う

 

4.クワ・トイネ公国は日本国と他の異世界国家の国交樹立に向けた仲介を担う

 

5.1-4履行の見返りとして、日本国は無償でクワ・トイネ公国のインフラ整備を政府開発援助で行う

 

6.1-4履行の見返りとして、日本国はクワ・トイネ公国の海上における警察能力向上の為、巡視船を5隻を無償供与し、訓練も併せて支援する。その後、円借款を用いて30隻の巡視船等を追加供与する

 

7.日本国とクワ・トイネ公国は互いに領土の主権を尊重し、不可侵を確約する

 

8.国交樹立後一年後を目処に両国の変動制の為替レートを設定する

 

9.等条約発効を以てクワ・トイネ公国は日本国に対する賠償の請求権を放棄する

 

その後、イギリス連邦王国各国とも似た内容の条約を締結。更に公国の仲介の下で隣国クイラ王国とも国交を樹立。天然資源の宝庫である同国は日英加豪の企業が採掘権を取得。現地にクイラ王国との合弁会社を設立し、現地人の雇用を促進した。更に両国に対して日本は医療支援も実施。これまでは不治の病と怖れられていた様々な感染症の治療が可能になったことで両国から日英に対する好感度が上昇。日英としても現地進出に辺り、未知の感染症に対する対策や衛生環境の改善が急務だったこともあり、非常に良い結果となった。一部の反ワクチン勢力が暴れていたものの、相手にされることはなかったという。

 

 

クワ・トイネ公国 ギム

 

「これが大砲か・・・パーパルディア皇国の魔導砲より大きく、更に洗練されているな・・・」

 

イギリスからの兵器支援政策の一環で供与されたL118 105mm榴弾砲を見た公国の西部方面騎士団長モイジはそう呟いた。ロウリア王国と国境を接するギムではイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの支援によりNATO式に改める訓練が行われていた。初めは難色を示していた兵士達だったが、一度アサルトライフルを使ってみた瞬間に態度を豹変させた。彼らは競うように英国製のライフルを求め、訓練にも積極的に取り組むようになった。更にオーストラリアから供与された戦車や装甲車が日本が整備した港に続々と陸揚げされている。今後首都防衛用を除き全てがギムに配備される予定であり、対ロウリア王国に対する防衛能力が飛躍的に向上するのは確実。また現在後方のエジェイにイギリス軍とカナダ軍が駐留する飛行場の建設が始まっている。今後イギリス空軍のユーロファイタータイフーンが配備され、公国から選抜された竜騎士が転換訓練を受けることになっており、首相カナタ以下公国政府並びに軍の強い要請によりイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの軍はクワ・トイネ公国に常駐することになった。日本の自衛隊も有事の際にはイギリス連邦王国軍の基地の使用が認められ、公国はロウリア王国に対して強力過ぎる後ろ楯を手に入れた。同様の対応はクイラ王国でもなされており、同国には日本の74式戦車の供与が決定。クワ・トイネ公国は英国式、クイラ王国は日本式の装備で近代化が進められることになった。またワイバーン等の航空戦力に対して安価な手段で対抗する必要性から、自衛隊が運用している87式自走対空高射砲をベースにした新型の高射砲の開発が決定。日英による共同開発事業の一つとして急ピッチで開発が行われることになる。

 

「団長、日英と友好的な関係を築くことが出来て安堵するばかりですな」

「ああ。しかも公国の各地にレーダーサイトという監視施設を日英から低利で資金借り入れの上で新設することも決まった。ロウリアのワイバーンをこれで危険を侵すことなく見張ることが出来

る」

「海軍も日本とオーストラリア、ニュージーランドの支援で強化されつつあります。半年後には日本で教育を受けた者らの手で初の我が国の軍人のみで日本から供与された巡視船を運用するそうです。非常に速射性に優れた機関砲を搭載しており、ロウリア王国程度の帆船なら充分過ぎる戦力だそうです」

「それに日本が道路を整備してくれたお陰で有事の際の避難計画も順調だ。このバスと申す巨大な鉄の箱は凄い。馬より速く、沢山の物資や人員を運べる」

 

日に日にクワ・トイネ公国並びにクイラ王国の戦力は強化されており、来るべき戦争に備える。後日、公都クワトイネにて日英の駐桑大使の任命式が執り行われた。日本、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニアは独自に大使館を設置し、その他の英連邦王国はイギリス大使が各国の大使を兼務し、連絡員を英国大使館に常駐させることになったのである。

 

(続く)

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