「・・・来てくれましたね」
日も沈み、辺りを暗闇が支配する中、俺達はGKBのビルの前に居た。
「ああ、にしても何でこんな深夜にここに呼び出したんだ・・・ミドリ?」
そう、あの時ミドリから送られてきたメールは深夜・・・夜中の一時に俺達にGKBに来て欲しいという内容だった。
「まずは昼の事・・・すみません」
「別に気にしなくて大丈夫だよ!」
まぁうん・・・俺達結構ここまで色んな目に遭ってきたしな・・・あれぐらいじゃ特に気にしない。
「ありがとうございます・・・とりあえず、お姉ちゃんからの話は覚えてますよね、ジンさんって人の事です」
「モモイちゃん達に会社を作るように言った人だよね」
ミドリはポケットから一枚の小さな写真を取り出す。
「ジンさんもこの会社で働いているんですが・・・これを見てください」
差し出された写真を俺とユメはじっと覗き込んだ。
「このお爺さんがジンって人なの?」
「これは・・・なんだ?印刷機か何かか?」
「はい・・・この会社はカードの印刷もしていて印刷物は全てジンさんが印刷してるのですが・・・ジンさん、会社の印刷機を使って何かを私的に印刷してるみたいで・・・」
「・・・カードを印刷する印刷機を使ってか?」
クリーチャーとカードというのは切っても切れない関係だ。
益々怪しくなってきたな・・・
「だがミドリ、お前この会社の責任者だろ?ジンって爺さんが何を印刷しているのか分からないのか?」
「業務時間中はジンさん、誰にも印刷機を触らせないんです、業務時間外だと私一人じゃ調べられなくて・・・」
「ん?どういう事だ?」
「・・・とりあえず、後は会社に入ってから説明します」
※※※
ギィ・・・
先程まで喧騒や怒号が飛び交っていた社内は暗闇に支配され、静寂に満たされていた。
「昼はあんなに騒がしかったのに夜になると一気に不気味になるな・・・」
「あれ?このヘッドホンって・・・モモイちゃんがしてたヘッドホン?」
机の上に置いてあった猫耳の様な突起が付いたヘッドホンを手に取る。
「それはこの会社でお姉ちゃんのヘッドホンを模して作ったんですけど・・・販売停止になってしまって・・・」
「販売停止?」
「はい、脳波を読み取って音量を自動調節できるんです、音量を最大にしたら自爆するんですけど・・・」
「欠陥品じゃねぇか!!!」
「ひぃぃぃぃん!?」
ユメは悲鳴を上げながら慌てて手に持っていたヘッドホンを机に投げ捨てた。
「それで、私一人じゃ調べられなかった理由なんですが・・・」
ーー瞬間
ギュルルルルルルルルルルルルルル!!!!!!!!
ドギラゴンに向かって天井から凄まじい速さで回転する二つの斧が発射された。
「斧だけにOH!!NOぉぉぉぉぉ!?」
「言ってる場合じゃないよぉぉぉぉぉぉ!?」
ザクッ
「ふぅ・・・危ねぇ危ねぇ、何とか当たる寸前で回避できたぜ・・・」
「いやどうみても頭に直撃してるよぉ!?」
「その・・・ご覧の通りクエスチョンが警備システムを強化しすぎて・・・夜はこの会社は人間の命を刈り取る殺戮の館になるんです・・・」
「どうなってるんだよこの会社はぁ!!!」
※※※
「ぜぇ・・・はぁ・・・マジで死ぬかと思った・・・」
「で・・・でも・・・もう少しで印刷機に辿り着きますね・・・」
「ひ・・・ひぃん」
移動をする度に様々なトラップに襲われ最早全員息も絶え絶えであった。
「・・・ん?」
印刷機への道すがら、ドギラゴンの視界にある機器が入った。
「これってもしかして監視カメラか?」
「はい、さっき見せた写真もここで取ったんです・・・ってあれ、社長室のモニターに何か映ってる・・・?」
三人は点滅するモニターを覗き込んだ・・・