「禁断の・・・ドキンダムのカード・・・?」
「あぁ・・・ドキンダムX、世界どころか星を何度も滅ぼして来た危険なカードだ」
「ほ・・・星を・・・!?」
そしてその危険性を考慮し、例えデュエマ用の意識の無いカードでさえ刷るのは危険だと考え、ドギラゴン達は徹底して情報を一切漏らさなかった。
「そ、そんなカードを何でジンさんは刷ってるんですか!?」
「こりゃヤベェぞユメ・・・ジンって奴、とんでもない奴かもしれねぇ・・・」
「何の騒ぎだ!!!」
先程の爆発音を聞きつけたのかクエスチョンがその場に駆けつける。
「おいクエスチョン!!ジンって何者だ!!何でドキンダムのカードなんて刷りやがってるんだ!!」
「な・・・!?」
「皆ぁ!!!!!!!!大変やぁ!!!!!」
焦った様子のハムカツがユメ達の元へと戻って来る。
「こ、今度は何ぃ!?」
「わ、ワイ見たんや!!モモイが・・・!!ジンってジジイに攫われた!!!!」
「何だと!?」
「お姉ちゃんが!?」
ミドリがハムカツに詰め寄る。
「どういう事!?お姉ちゃんは大丈夫なの!?」
「クソ・・・あの時僕が彼女を一人にしなければ・・・!!」
「お、落ち着いてくれや!モモイは・・・!!」
「彼女は私が預からせて貰ってるよ」
「「「「!?」」」」
爆発で燃え盛る廊下から冷たい金属の様な足音が耳へと入る。
「ユメ!!!」
ドギラゴンがカードの姿となりユメの手に収まる。
「うん・・・!!ドギラゴン天召喚!!」
すると、手に持ったカードが光り輝きドギラゴン天の姿へと変わる。
「えっ!?ドギラゴンさんが・・・!?」
「すまん後で説明する!!それよりも・・・来るぞ!!」
鉄の足音がピタリと止まる。
「さて・・・久しぶり・・・いや、初めましてと言った方が正しいかな?」
そして、青き装甲に包まれた巨大な機械人が片手にモモイを抱えながら爆発で燃え盛る廊下から姿を表した。
「お姉ちゃん!!!」
「モモイ!!!」
「安心したまえ、危害を加える気は無いよ・・・変な真似をしなければ、だがな」
「貴様・・・!!」
ドギラゴン天は冷静に機械クリーチャーを観察する。
(こいつは・・・確か牛次郎が使ってた・・・!)
「ギュ・・・ギュウジン丸やと!?何で生きとるんや!?」
「・・・そうか!!ギュウジン丸って訳か!!!」
「ギュウジン丸・・・?」
「嬢ちゃん!こいつはヤバい!!ワイらの世界でドキンダムの封印を解いて世界を・・・ランド大陸を滅茶苦茶にした元凶や!!!」
「えっ!?」
「なっ・・・!?ドキンダムの封印を解いただと!?」
「やけど・・・確かギュウジン丸自身もドキンダムに殺されたって・・・」
「確かに死んださ・・・だが目が覚めた時、私の身体は生前の物に戻り、この世界で目を覚ました」
「はっ!異世界転移とでも言う気か?」
「この世界の文化を参照するなら、その言葉が最も正しいかもしれないな」
ギュウジン丸は不敵な笑みを浮かべつつも、油断は一切なく手に持ったモモイから力を緩めない。
「そう睨むな、今回私は君達全員と敵対しに来たのではない・・・勧誘をしに来たんだ・・・梔子ユメ」
「・・・えっ?」
ギュウジン丸の視線がユメの方へと向かう。
「君の経歴は調べさせて貰ったよ・・・滅びかけのアビドスを当時の生徒会は君一人に押し付けておきながら自分達は逃亡・・・その上住人や他の生徒は平然と君とアビドスを見捨て、挙げ句の果てには君を侮辱しながら他の場所へと移って行った・・・」
「・・・・・・・・・」
「憎いだろう?断れないと分かっていながら自分に全てを押し付けた生徒会が!!平然と自分達を見捨てた住人達が!!」
片方の腕が梔子ユメへと差し出される。
「私と来ればキヴォトスを支配下に置きそいつら全員に復讐が出来る!そしてゆくゆくはランド大陸・・・いや、超獣世界の全てを共に支配出来るだろう!!さぁ・・・私と共に来るんだ!!梔子ユメ・・・!!」
「ふざけないで」
その言葉にギュウジン丸が少し驚いた表情を見せる。
「・・・確かに、大変だったし、寂しかったけど・・・アビドス復興を任されたから、ホシノちゃん達と出会えた!またいつか、みんなが笑ってるアビドスに戻すっていう夢が出来た!!第一アビドスを復興したいと思ったのは私だし・・・私は押し付けられたなんて思ってないよ、それに・・・!!」
梔子ユメはピシャリとギュウジン丸に指を差す。
「貴方みたいな・・・誰かを傷つけて・・・騙して・・・平然としてる人と一緒に行くことなんて出来ないよ!!」
「そうか・・・やはり、貴様の様な馬鹿は嫌いだよ、梔子ユメ」
ギュウジン丸が視線をミドリの方へと移す。
「君は・・・」
「私の言うことは一つです・・・お姉ちゃんを、離してください」
「やれやれ、これではとりつく島も無いな」
ドギラゴン天がユメの前に出る。
「残念だったな!ユメは誰かを憎むような事なんて出来ねぇのさ・・・真のデュエリストとここで量産しまくったただのカードのコピードキンダムを使えば真のデュエルでドキンダムを間接的にノーリスクで制御できると思ったんだろ?」
「おや、お見通しと言うわけか・・・」
「・・・カイザーとビナーをクリーチャー化して、アビドスを襲わしたのもお前だろ?ギュウジン丸」
「・・・えっ!?」
「その通りだ、梔子ユメがどれほどやれるのかを見ておきたかったのでね」
「テメェ・・・」
片手に抱えられていたモモイがギュウジン丸の眼前へと持ち上げられる、少しでもギュウジン丸の力が入れば彼女の体は握り潰されるだろう。
「それでは・・・楽しいお話の時間は終わりとさせて貰おうか、まず・・・これを渡しておこう」
ギュウジン丸が懐から取り出した二つの銃がユメとミドリに向かって投げ渡される。
「それは私が開発した銃でね・・・当たればクリーチャーでも頭が吹っ飛ぶ程の出力がある、それをドギラゴンとクエスチョンに向けるんだ・・・ああ、当然そのハムスター君も武器をドギラゴンに向けてもらおう・・・おっと、それを私に向けようなんて思わない事だ」
ギュウジン丸がモモイを握る力が少し強まる。
「ユメ!人質取られてる以上従うしかねぇ・・・!」
「ご、ごめんドギラゴン君・・・!!」
「団長・・・!」
「・・・ミドリ、従うんだ」
「・・・・・・!!」
ドギラゴン天とクエスチョンに向かって銃が突きつけられた。
「ど・・・どうしようドギラゴン君・・・!?」
梔子ユメは小声でドギラゴン天に話しかける。
「クソ・・・アイツ、俺達全員に警戒をしてやがる!!モモイがあっちにいる以上真のデュエルしても無駄だ・・・!」
「・・・一人だけ、この中に彼が警戒をしていない人物がいる」
クエスチョンがポツリと呟く。
「だ、誰だそいつはクエスチョン・・・!?」
「・・・モモイだ」
ギュウジン丸以外の全員の視線がモモイへと向いた。
「お、お姉ちゃん!?」
「あぁ・・・彼女は勝太達の同類の人間だ、計算や予測では収まりきりない爆弾と言ってもいい」
「つまり・・・何とかしてモモイをおこせりゃ・・・!!」
逆転のキッカケは、意識がない才羽モモイへと委ねられた。