「あ・・・け、景色が元に戻りました!」
「アズサ!!!」
眠っているアズサの元に三人が駆け寄った。
「・・・とりあえず命に別状は無い、体力を失い眠っているだけな様だ」
「よかった・・・!」
「・・・リーダー、デモンカヅラの本性がああだった以上研究所に残してきてるアツコも何かされてるかも・・・!」
デモンカヅラはボロボロになりながらも立ち上がる。
「ゲホッ・・・残念ですが彼女には何もしてないですわ・・・」
「・・・テメェの悪行もここまでだな」
ドギラゴン
今や彼女はこの場にいる全ての人間を敵に回しており状況としては完全に詰みだったのだ。
『・・・デモンカヅラさん』
「それじゃあ大人しく・・・」
「・・・・・・っ!?全員!!!伏せてくださ・・・・・・!!!!」
チュドーン!!!!!!!!
ホシノがそう叫ぶと共に辺り一面が爆風に包まれた・・・
※※※
「ゴホッ・・・ゴホッ・・・お、お前ら無事か・・・!?」
「な、なんとか大丈夫だよ・・・」
『アリウス生も全員無事だぜ!』
「た・・・大変です!!デ・・・デモンカヅラさんが居ません!!」
さっきまで近くで弱っていたデモンカヅラの姿は爆発の後見えなくなっていた。
「クソ・・・さっきの間に逃げられたか!!」
「どうやら・・・誰かがミサイルを打ち込んだみたいです」
「もしかしたらやけど・・・ワイルドスピードの仕業やないか!?」
ユメのデッキから再びハムカツが飛び出す。
「ワイルドスピード?」
「さっきあの場に唯一居なかったマスター・イニシャルズや!もしかしたらアイツが攻撃してきたのかもしれへん!!」
「と・・・ともかく早くデモンカヅラを見つけないと!!」
「そういえば・・・バイクの様な音が走り去るのが聞こえました!!!」
「どこだ!?多分そこにデモンカヅラはいる!追いかけるぞ!!」
「私達も行く!!他の皆はアズサ達を連れて避難してくれ!!」
ユメ達はアズサを他のアリウス生に預けるとドギラゴン達へと乗り込み、ヒフミが聞いたというバイクの音に向かって飛び立つのだった。
※※※
「・・・ナニガアッタカシラナイガアブナイトコロダッタナ・・・アレノチョウセイガマニアッテヨカッタ、マサカカイソク4-Wガナシデカンセイスルトハナ・・・イマカラキドウシニイコウ」
鋭いバイクの様なクリーチャーがデモンカヅラを乗せて走っていた。
「・・・ふふ、ふふふふふふふふふふ・・・えぇ・・・本当に感謝してますわ・・・
「・・・ン?」
そしてデモンカヅラは・・・
ワイルドスピードに不意打ちで食らいついた。
※※※
「な・・・なんだこの気配は!?」
「どういう事だ・・・!?気配が徐々に上昇していっている・・・!!」
「な・・・なんか息苦しくなって来たよ・・・!?」
「わ・・・私もです・・・!」
突如として現れた凄まじい気配にドギラゴン
「急いだ方が良さそうだね・・・」
『きっとデモンカヅラが何かしやがったんだ!!とっとと向かうぞ!!』
※※※
「ふふ・・・ふふふふふふふふふ・・・!!」
ドギラゴン
「た・・・食べてる!?」
「アイツ・・・!!ワイルドスピードを食べて更に強くなる気か!?」
「その通り・・・これであの鳥にやられた分の体力も回復しますわ!」
デモンカヅラの最終形態、ドグライーター・・・これは実は完全体では無い、彼女にはそれに加えてワイルドスピード・・・全てのイニシャルズを取り込んだ完全体があるのだ
その強さは・・・禁断と同等である
「ふふ・・・ふふふふふふ!!!さぁこれでミラクルスターを・・・!!!
グサリ
・・・を?」
だが、その力をこのデモンカヅラが手に入れる事は無かった。
『デ・・・デモンカヅラさん!!!」
「な・・・ナイフ!?」
デモンカヅラは自身の胸から突き出た刃物をじっと見つめる。
(
「・・・ようやく、ようやく隙を見せてくれましたね・・・デモンカヅラ」
「は・・・!?おいアイツってデモンカヅラが倒したはずじゃ・・・!!」
「何故・・・何故生きているんだ・・・!?
マダム・・・いや、ベアトリーチェ!!!!」
デモンカヅラにナイフを突き刺した張本人・・・それは本来デモンカヅラによって事前退場させられていたはずのベアトリーチェだった。
「な・・・何故貴方が・・・!!」
「ふふ・・・油断しきって死体を確認しなかったのが災いしましたね・・・!」
「ミラダンテさん!!」
「ああ!分かっている!!」
ミラダンテXIIはタイムストップによりデモンカヅラとベアトリーチェに向かって急接近を仕掛けようとする、しかし・・・
「ぐ・・・っ!?これは・・・!!」
デモンカヅラとベアトリーチェから放たれる波の様な物がミラダンテXIIを弾き飛ばす。
「馬鹿な・・・!?デモンカヅラとベアトリーチェから異常な量の闇のマナが出ている!!私のタイムストップ中でさえ近づけない!!」
「はぁ!?なんでそんなもんがアイツらから出るんだよ!?」
無意識・・・ベアトリーチェとデモンカヅラはあの突き刺したナイフの影響か無意識に本来あり得ない程の量の闇のマナを放出していた。
「しかも・・・彼女が背負っているのを見ろ・・・!」
ミラダンテXIIの声によってドギラゴン
「あ・・・アツコ!?何故だ!?研究所に置いてきたはず・・・!」
彼女の背中にはロイヤルブラッドと呼ばれる特殊な体質と強い神秘を持っている意識のない秤アツコが背負われていた。
(あ・・・そういえば・・・)
※※※
「・・・意識のあるクリーチャーに使ったら大変な事になる?何のためにありますのこれ・・・?」
※※※
「わ・・・私達が戦ってる間に忍び込んで誘拐したのかもせん・・・!」
「まずいよ・・・このままじゃ・・・!」
「さぁ・・・貴方の様な吸収能力を持った強力なクリーチャーの身体を頂いて彼女を取り込めば
ベアトリーチェがそう叫んだ瞬間だった。
二人の間から漏れ出ていた闇のマナが形を作っていきベアトリーチェとデモンカヅラ・・・そして秤アツコを取り込んでいく・・・
「・・・は!?なんですか・・・!?これは・・・っ!?」
(はは・・・これが
そして三人は闇のマナに取り込まれるのだった・・・
「「「アツコ(ちゃん)!!!!!」」」
「アツコが・・・クソっ・・・!!俺が突っ込む!!!」
「ダメだドギラゴン!!貴様もアレに取り込まれるぞ!!!」
「で・・・でもミラダンテ君!それじゃああのアツコって子が・・・!」
話している間にも闇のマナが徐々に実体を持ちドギラゴン
「・・・・・・!!!」
ミラダンテXIIは咄嗟にタイムストップを使い全員を遠くに移動させるのだった・・・
※※※
「全員無事か!?」
「離してくれ!!アツコが・・・アツコが・・・!!」
「お・・・落ち着いて!!」
「な・・・なんですか・・・あれ・・・!?」
ヒフミの言葉に全員が視線をさっきまで自分達が居た所へと向ける。
ーーそれは、肉で出来た木であった。
深淵の様にドス黒い樹皮に覆われており枝は触手の様に蠢いていた、そして何よりもその大きさはまるで世界の終末を現すかの如く天にまで届いている。
総力戦
失楽園樹 カズラリーチェ