ハイスクールD×D ~神操機〈ドライブ〉を宿す者~ 作:仮面肆
第1話:駒王に降りた四季の神
はるか昔……天使、堕天使、悪魔と呼ばれる種族たちは争いを繰り返してきた。
この三つ巴の戦いはやがて種族の激減、戦力の疲弊を理由に勝者の生まれないまま終結を迎えた。
その最中、『シキガミ』と呼ばれる種族もまた、争いにより数が激減して滅びの一途を辿ってしまった。
しかし……シキガミの滅びを『神』が許さなかった。
「……主等にはとても世話になった……。この最後の力で、主等を滅ぼさせん……」
「お前……」
その言葉と共に、神はシキガミたちを助ける為に最後の力を使い、シキガミを『神器』へと避難させ、荒れ狂う争いの最中に誰にも知らせず、生まれてくるであろう人の子へと送ったのだった。
「……来るべき時まで、主等に宿る人の子を守ってやりなさい。それが最後の望みだ……」
「……分かったぜ。絶対にお前の願い、叶えてやっからよ!」
「……主等に、幸あれ」
これが、
そして……3種族の争いが終わり、神は死に、長い年月が流れると共にシキガミ達の存在も消えていったのだった……。
◆
「……………ぁぇ?」
隅に段ボールを山積んだ部屋。その窓際にはベッドがあり、一人の少年が上体を起こして欠伸した。
「……夢、か」
少年の名は、
「最近よく見るなぁ」
そう言って、八雲は夢の内容を断片的に思い出す。
荒れ狂う戦場。コウモリや鳥の様な翼を持つ者達が互いに争い、獣の様な姿をした者が他者に力を与えていく。そして――
「八雲ちゃーん。朝ですよー」
扉越しから祖母に声を掛けられ、意識を戻した。
「……はーい」
八雲はそう言いつつベッドを出ると、これから通う学園の制服に着替えるのだった。
◆
私立
女子高から共学になって間もない学園の廊下を、八雲は担任である教師と共に廊下を歩いていた。
やがて教師が2年B組の教室に止まると、八雲も同じく止まった。
「少し待っていなさい。呼ばれたら入るように」
「分かりました」
教師の言葉に八雲は頷く。呼ばれるまで待っていると、ふと窓の外を覗いた。
「……ん?」
視界に映るは、外を歩く真紅の長髪をした女性と、黒髪で髪を結った女性。どちらも優れた美貌を持ち、同じ制服を着ているのが印象的だった。
「綺麗だなぁ。見たところ片方は外国人だし、ここの留学生か?」
その女性達を八雲は見た瞬間、紅髪の女性の透き通るような碧眼が八雲を捉えていた。
「……っ!」
その瞬間、八雲は『何か』を感じて辺りを見渡すが、辺りを見渡しても気配など全く無く、不思議そうに腕を組みながら首を傾げた。
「何だったんだ……って、あれ?」
そして再び窓の外を覗くが、既に女性達の姿は消えていたのだった。
「……?」
疑問を浮かべる八雲。だが、教師に呼ばれると思考を切り替えて教室へと入ったのだった。
◆
「あー、疲れたなぁ……」
あれから随分時間が経過し、夕暮れの放課後の学園に八雲は疲れた表情で教室に残っていた。
朝、無事に八雲はクラスメイト達に挨拶を済ませたのだが、休み時間毎にクラスの女子に質問攻めにされたり学園を案内させられたりと、授業終了まで続いて精神的に疲れていた。
話は変わるが、八雲は前の学校でも人気があり男子生徒としては羨ましい限りだ。しかし1回でも恋人を作った事など無く、男友達との約束を優先的にしていた。そのおかげか、八雲は男女問わず人気であり、そんな信頼と人望によってこの学園でもすぐ全員と仲良くなるだろう……。
「……そろそろ帰るかな」
背伸びをして立ち上がり、八雲は教室から出た。
「あれ?」
下駄箱前に到着。その直後、八雲は見知った人物が学園を出たのを目撃した。
「今のは、
その人物の名は、兵藤一誠。
学園に数少ない男子生徒の1人であり、八雲と同じクラスメイト。しかし女子達からの評判は悪く、別名『性欲の権化』、『変態3人組筆頭』などと呼ばれている。因みに変態3人組の残り2人は、『エロ坊主』こと松田と『エロメガネ』こと元浜の、同じ八雲のクラスメイトであり一誠の親友でもある。
(何だか嬉しそうな顔で出て行ったな。休み時間の間、何故か恨めしそうに俺を睨んでたのに……………気になるな)
その睨みは八雲のモテっぷりに嫉妬していたのだが、八雲自身は気付いていない。
そして八雲は一誠が気になったのか、気付かれない様に跡を追うと、校舎裏へと一誠は向かっていた。
(ん? 兵藤以外の声だと?)
校舎の陰で身を隠している八雲は気付かれないように様子を見ると、一誠と向き合っている艶やかな黒髪を持つスレンダーな少女がいた。
見つめ合う2人。夕暮れに包まれた良い雰囲気に耐え切れなくなったのか、少女がその雰囲気を破った。
「あ、あの……イッセーくん。わ、私と付き合っていただけませんか?」
「……………え?」
(……まずかったな)
少女の弱々しい言葉に一誠は一瞬思考が止まり、そんな青春の光景に八雲は好奇心故に少女の勇気ある行動を見て若干の罪悪感に陥った。
「私と、付き合ってください!」
再び少女の告白。先程よりも強い決意が現れており、その言葉に八雲は静かにその場を離れた。
(おめでとう、兵藤。初日だからどんな奴かまだ分からないけど、心から祝うよ)
そう思いながら八雲は学園を出た……その瞬間だった。
「っ!?」
朝と同じ感じた『何か』。しかも朝に感じた時よりも強く、八雲の意識と関係無く両手が震えた。
「ぐっ、あぁ……!」
酷い頭痛に倒れそうになる八雲。しかし電柱を支えにして倒れるのを免れるが、八雲の頭の中には両腕に白と黒の籠手を装備した人物が、
「はぁ、はぁ……………何だ今のは?」
――気を付けろよ、八雲
「え?」
ふと、八雲は誰かの小さな声を微かに聞いた。だが辺りに誰もおらず、八雲は気のせいかと思いながら帰路について行った。
◆
暫く帰路にそって行く中、八雲はある違和感に気付いた。
「……これで何度目だよ」
現在、八雲は登下校の道のりである公園にいた。しかし八雲は始めの違和感に気付いた。
その違和感とは、何故か公園に八雲以外の人がいなかったのだ。それに気付いた八雲は公園にあるベンチに鞄を置いて進んだが、何故か同じ場所へと戻ったのだ。
あり得ないと驚愕し、八雲は無我夢中で走り出した。その結果、同じ場所へと戻ってしまったのだ。
「暗くなってきたな。そろそろ帰らないとばあちゃん達が心配するし、どうしたものか……」
ベンチに座り、この公園の脱出を考える八雲だったが、それはすぐに終わった。何故なら――
「ケケケ……。今夜の獲物は男ですか……」
「ん?」
背後から声が聞こえたのだ。八雲は心の中で安堵しながら後ろを振り返るが、声の主を見て驚愕と悪寒が走った。
何故なら、その声の主の身体の大きさは人間と大差無いが、
顔の形は蟹に近く、背中には蟹の脚を思わせる飾りが付いたメタリックオレンジの怪物。そして左手は人間と同じ形だが、右腕のみ大きく分厚いハサミであり、怪物は右腕を一振りしただけで、近くの木を切り倒してしまったのだ。
「ば、化け物!?」
「ケケーッ!」
瞬間、蟹の怪物は八雲に襲い掛かってきたが、八雲は咄嗟に横へ飛び込むように避けると、直ぐ様この場所から雑木林へと逃げ出した。
「何処へ逃げても無駄ですよ!」
「ちょっ!? 何で追い掛けて来るんだよ!?」
追われる八雲に追い掛ける蟹の怪物。しかし八雲の持ち前の身体能力による驚異的な足の速さのおかげか、蟹の怪物の距離は一向に変わらなかった。
「何時まで逃げれば……って、うおっ!?」
刹那、後ろを確認しながら走った八雲は躓いてしまい、目の前の木に激突して地面に尻餅をついてしまった。
「痛たた……」
「ふぅ……意外と速いんですね」
「げっ!?」
振り返る八雲。その5メートル先に、蟹の怪物がハサミを撫でながら近付いていた。
「ですが獲物を追い詰めるこの感覚……………癖になるんですよ。さあ……頂点へ伸し上がる為に私の糧となりなさい!」
(くっ……ここまでなのか……?)
蟹の怪物が近付く中、八雲は走馬灯の様に思い出していた。
自分を産んで育ててくれた母。小さい頃に様々な事を教え、鍛えさせられ、今は世界中を旅している父。可愛がってくれた祖父母。産まれ育った町の商店街の大人達や、小・中・高と仲が良かった友人達。そして初日に出会った新しいクラスメイト達等々……頭の中はこの人生で出会い信頼を築いてきた人々の思い出だった。
(まだ人生の半分も経ってないのに……………まだ青春を謳歌しきれてないのに……………こんな所で終わるのか?)
その悔しさが、その絶望が、八雲は目を閉じ叫び出した。
「くっそおおぉぉぉ!!」
「終わりです! ケケケケーッ!!」
蟹の怪物は巨大なハサミを突き出す。心臓目掛けて突き出したハサミに、八雲は為す術が無かった……………かに見えた。
――ィィィイイイン!!
「ギャアアアア!!」
「へっ?」
突如、叫びながら倒れた蟹の怪物。八雲は目を開けると、目の前が……否、
「な、何だこれ――」
八雲は光に包まれてしまい暫く目を閉じた。
◆
そして次に目を開けると、八雲は公園では無い何処かに立っていた。
「ここは、何処だ?」
白と黒が混ざった空間に並ぶ、見渡す限りの長い襖障子。その境の向こう側に蠢く影たちは、何故かこちらを見つめる気配を八雲は感じていた。
そして八雲の前から、八雲と同じ背丈の影が襖障子越しに現れた。
『やっと聞こえたんだな、吉川八雲』
「え?」
響く少年の声に八雲は思い出した。学園を出た際に微かに聞いた、気のせいだと思った声だ。
『オレ達は八雲が産まれる前からずっと見守ってきた。神の野郎に助けられた分まで、オレたちは宿主のお前を守るって約束したしな』
「見守ってきた? それって一体……?」
『そんなのはどうでもいいだろ。今はこの危ない状況をどうするか……だろ?』
その者の声に、八雲はハッとする。
「そうだ……あの怪物はッ!?」
『一時的にだが、辺りの時間を止めてるぜ。だけどそろそろ動き出すぞ。――それで、お前はどうするんだ? この場から逃げるんだったら、おれが出口まで導くぜ』
「俺は……」
襖障子越しの者の言葉を聞き、八雲は何故か蟹の怪物の言葉を思い出す。
今夜の獲物は男ですか……と。
蟹の怪物は八雲を見て確かに言った。それは、蟹の怪物は今まで人を襲い続けていたのだと確信してしまった。
そして、八雲は決意を宿した瞳でその者に言う。
「俺は……戦いたい。このままだと、あの怪物は別の人を襲うかもしれない。もし今まで見守ってくれたのなら、俺に力を……あの怪物を倒す力を……人を守る力を貸してくれ!」
暫しの沈黙。だがそれは、その者の笑い声で壊された。
『へへっ。そう言うと思ったぜ、八雲! だったらさっさとオレ様の名前を叫べ。『白虎のコゲンタ』様とな!』
「ああ……宜しくな、白虎のコゲンタ!」
『呼び捨てたぁ上等だぁ……。――承ったぁ!!』
◆
「い、今のは一体……………なっ!?」
光が収まり、蟹の怪物は八雲を見て驚愕した。
八雲の左右の腕に現れたのは、
「行くぞ、コゲンタ……」
そして八雲はこの手甲の使い方を理解した瞬間、右腕を突き出し、宿る者の名を想いながら叫んだ。
「シキガミ、降神!」
瞬間、八雲の目の前に八卦の陣と襖障子が出現。それが開き、そこから光の玉に覆われた者が現れると、八雲は右腕を十字に動かした。
右に振ると光の玉から右腕が、上に振り上げると左腕が、左に振ると両足が、最後に下に力強く振り下ろした瞬間、現れた両腕がまるで殻を破る様に引き裂いた。
現れたのは、白い毛並みを持つ虎に似た獣人的な外見をした者。動きやすい装束に身を纏い、背中には巨大な剣を背負い、尻尾の先に拳並みの大きな鈴を付けていた。
そして、その者は八雲を守るかの様に現れ、高らかに自身を名乗った。
「白虎のコゲンタ、見参!」
今、長い年月を経て、シキガミが再び舞い降りたのだった。
◆
その頃……八雲がいる公園の入り口に駒王学園の制服を着た女性が、美しい紅い髪を靡かせながら何かを探す様に歩いていた。
「……全く。まさか私の縄張りに土足で踏み込んでくるだなんて、いい度胸してるわね」
そう言いながら女性は公園の雑木林へ足を運ぶと、何かが聞こえた。
「……妙ね。普段は相手の領域に入ると静かなのに少し騒がしいわ。それに、この音……………金属音かしら?」
周辺を警戒しながら歩く女性。しかし突然――
「ギャアアアア!?」
目の前に蟹の怪物が転がり込んできた。そして一目見ただけでも分かるくらいにボロボロの状態であり、蟹の怪物は驚いている女性に目もくれずに立ち上がった。
「な、なんてデタラメな強さだ!?」
絶望に染まった顔で見つめる怪物。そして女性も同じ方向へ視線を向けると、その正体が判明した。
「おらああああぁっ!!」
飛び上がるは白虎のコゲンタ。両手で愛用の武器である陰陽剣・
「わ、私の自慢のハサミが!?」
「どうした? 大人しく倒されるか?」
「ちぃっ! 図に乗るなよ小僧ぉぉぉ!!」
コゲンタの挑発に乗り、怒りに染まった蟹の怪物は飛び上がった。
「
「え?」
瞬間、コゲンタの後ろにいた存在の声に気付いた女性は視線を移すと、右腕を下に降り下ろした八雲が視界に写った。
「必殺、
瞬間、コゲンタは蟹の怪物目掛けてダッシュすると、体は無数の三日月の刃となり蟹の怪物に斬り掛かり、最後に拳を繰り出してメタリックオレンジの皮膚を破壊した。
「ギ、アァ、ァ……」
「へっ、意外と丈夫じゃねえか」
倒れた蟹の怪物を睨み付けるコゲンタ。そんな中、戦いを見ていた女性がコゲンタに声を掛けた。
「見かけない顔ね」
「あ?」
「あなたは悪魔? それとも堕天使かしら?」
「おいおい。いきなり現れて何言ってんだよ……って、お前まさか!?」
「どうしたコゲンタ……って、あれ?」
すると、コゲンタの反応に気付いた八雲は声を掛けたが、視界に女性が映り首を傾げた。
「あら、あなたは今朝見掛けた生徒ね。こんばんは」
「そう言うあんたは、今朝見た2人の内の、俺を見つめてた人だよな? どうしてここに?」
「私はそこで倒れてる『はぐれ悪魔』を討伐しに来ただけよ。それにしても、まさか
「はぐれ悪魔? それにセイ何とかって一体……?」
女性の言葉に理解が追い付かない八雲。
「こ、こんな所で……死ねんのだよ!!」
そんな中、蟹の怪物がゆっくりと立ち上がると、直ぐ様八雲は女性の正面に向かって跳び上がり、女性を庇う様に立った。
「すぐに逃げろ。ここは俺と
八雲が女性に避難を促すが、女性は八雲の肩に手を置き、堂々と八雲の前に立ち塞がった。
「お気遣い感謝するわ。でも生憎、
「え?」
「グ、グレモリーだと!?」
「なるほどな……」
何のことか理解出来ていない八雲に対し、蟹の怪物は明らかに怯えた反応を、コゲンタは納得した反応を示していた。
「はぐれ悪魔シザース。私の縄張りを荒らしたこと後悔しなさい」
すると蟹の怪物もとい、はぐれ悪魔のシザースを一瞥する女性の右手に、黒い塊のようなものが現れた。
「い、嫌だああああっ!!」
シザースは背を向けてその場から逃走を図ろうとした。だが――
「消えなさい」
女性の手から放たれた黒い波動が、逃げ惑うシザースに迫る。
「い、嫌だ! 私は……絶対生き、延び……て……」
そして、シザースは女性の一言と共に放たれた黒い波動に飲み込まれ、シザースがいた場所には抉れた地面だけが残っていた。
「す、凄い……」
凄まじい力に驚く八雲。そんな中、女性は八雲を見つめながら言った。
「それで、あなたは一体何者なの? 見たところ学園の生徒のようだけど」
「え? えっと、今日から駒王学園に転校した吉川八雲だ」
「あら、それじゃあ私の後輩ね。私はリアス・グレモリー。よろしくね」
その名を聞き、八雲はクラスメイト達から聞いた学園に在籍する人気の生徒の噂を思い出す。
リアス・グレモリー。
駒王学園に通うマドンナ的存在であり、男女を問わず生徒達の人気者の1人である。
「せ、先輩だったんですか……。――すいませんグレモリー先輩。馴れ馴れしく自己紹介をしてしまって……」
一拍置いた後、八雲は謝罪しながらリアスに頭を下げると、リアスは気にせずに言った。
「気にしなくていいわ。あと名前でいいわよ。名字で呼ばれるのはあまり好きじゃないの」
しかしリアスは気にしない風に言うと、髪を掻き上げて八雲を見つめる。
「そんなことより一つ確認させて頂戴。あなたも悪魔なの?」
「悪魔? いや、俺は――」
「やいやいやい! オレの存在を忘れるたぁいい度胸じゃねえのか?」
八雲とリアスが話していると、コゲンタの声が割り込んできた。
「コゲンタ! さっきはありがとな。おかげで助かった」
「お、おう……。分かればいいんだよ」
コゲンタが照れる中、リアスがコゲンタを見つめる。
「へえ……。今気付いたけど、そこの猫ちゃんは悪魔じゃ無いのね」
「うおおおいっ!! 誰が猫だ、誰が! オレは白虎……シキガミの、白虎のコゲンタ様だ!」
「シキガミ? 聞いた事が無いわね……」
そう言いながら、何故かリアスはコゲンタの頭を撫でた。
「だ・か・ら……猫扱いすんなああああ!」
頬を染めて怒るコゲンタ。瞬間、コゲンタの後ろから襖障子が現れると、コゲンタはそれを開けた。
「戻るのか?」
「ああ。最後のが無かったら色々と教えたい所だけど、それはまた明日な。――んじゃあな、八雲」
「ああ。バイス、コゲンタ」
そう言い残してコゲンタは襖障子を乱暴に閉めると、八雲とリアスを残して襖障子は消えてしまった。
「……あの、リアス先輩。さっきの怪物の事を知っていた様ですが……何者ですか?」
「……そうね。あなたには知る権利があるから教えてあげるわ。でも今日は遅いから、明日の放課後、旧校舎に来てくれるかしら?」
「分かりました」
八雲とリアスは約束を交わすと、公園の入り口で別れようとして八雲は手を振った。
「それじゃあリアス先輩、バイスです」
「ええ。また明日ね……」
こうして2人は解散し、各々明日の為に休むのだった。
これが……吉川八雲とリアス・グレモリーの出会いであり、悪魔、天使、堕天使、シキガミを巻き込む壮大な青春の幕開けであった。
「……………