パルプンテは最後までとっておく   作:葉虎

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待っている人が居たらですがお待たせしました。

かなり急展開かも…うん。わかってるよそれは。

私の実力ではこれが限界。



あ、あと気晴らしに始めた新連載。

ペディグリーの方も興味があったらよろしくお願いします。

と、葉虎は葉虎は露骨に宣伝してみたり。




第18話

 

【お母さん探しなんだけど…耕二君がやってくれてるって聞いたんだけど…】

 

《あぁ。腕利きに頼んだから情報は直ぐに集まる。ちょっと待っててくれ》

 

授業中。話しかけてきたシアに対して念話で応じる。

 

正直、この念話は結構神経を使う。

 

ちらりとなのはちゃんの様子を伺えば特に気にした様子はない。

 

まだ未熟だからかは分からないが、これなら気が付かれる心配はなさそうだ。

 

 

 

猫たちが情報を集めてくるまで取りあえず手が空いた。

 

なので、俺は放課後にアスターズの面々たちといつも通りの廃ビルで遊んでいたんだが…

 

目の前にはとんでもない現象が巻き起こっていた。

 

「あ、ありえない。ありえないわ……。」

 

アリサがガタガタと震え、俺にしがみ付いてくる。

 

こうしないと自我が保てないのだろう。気持ちは分かる。

 

【もきゅ♪もきゅ♪】

 

目の前には、金髪の美少女がお菓子を口いっぱいに頬張っているというむしろ愛らしい光景……。

 

正し、件の少女がふわふわと浮いていなければだが……。

 

もちろんその少女とはアリシアことシアである。

 

事の発端は、クロがお菓子を持ってきた事に始まる。

 

俺やアリサはシアの事を配慮し、食べ物等の持ち込みは避けていた。

 

十六夜さんや御架月など通常幽霊は物を食べる事は出来ないからだ。

 

だが…

 

俺達との接触か、はたまた俺が霊的デコピンで刺激を与えたからか…。

 

物体に干渉できなかったシアは物に触れるようになり。

 

物が食べられるようになった。

 

「大体、食べた食物は何処にいってるの?それに…」

 

ブツブツとアリサが唱え始まる。

 

今は俺に触れているからシアを視認できるから違和感はさほどないが、手を離せば食べ物が宙に浮き、消えていくように見えるらしい。

 

ホラーだ。

 

薫さんが見たら卒倒するか、動揺して十六夜さんを抜きに掛るかもしれない。

 

ちなみに何でも触れるかと言ったらそうでもないらしい。

 

実際には今食べてるお菓子も、クロに食べてよいか了解を取ったら食べられるようになった。

 

ちょっと試してみたところ、シアの為に用意したり、シアに譲渡使用した物は触れる事が出来るようで、シア個人で勝手に物に触れたりは出来ないようだ。

 

意味が分からん。

 

とりあえず考える事を放棄した。考えても分からない事はわからん。

 

【あ~。美味しかったぁ~。ありがとうね、クロちゃん】

 

「いいよ別に~。次はもっと美味しい物を持ってくるね。」

 

キャッキャッ、うふふ。してる金髪美少女二人を見てるとどうでも良いことに思えてきた。

 

「なぁ、なぁ。耕二、ヒトカゲだとカスミが倒せないんだ…」

 

そんな二人を尻目にマイペースにゲームを続けるだんちょ~。

 

うん。とりあえず、トキワの森でピカチュウ捕まえてくれば?

 

今日もアスターズは平和だった。

 

 

 

猫たちに捜索依頼を出してから三日。

 

猫たちの証言を次郎がまとめ久遠経由で伝えてくれた情報によれば、日中は街中で様子を見られることが多い。

 

ただ、街中と言っても一か所に集中している訳では無く散っている。恐らく捜索をしているのだろう。

 

なので街中で会える可能性は低い。だが…。

 

夕方以降。とあるマンションとコンビニ付近での目撃証言が此処三日で集中している。

 

これは恐らく……。

 

ふむ、帰りに報酬を買って帰らなきゃだな。

 

流石、いい仕事をしてくれる……。

 

 

さて、次の問題はどうやって接触するかだ。

 

手紙は準備してある。

 

最初はネタ的に大きく『来い』とだけ書いてみた。

 

流石に無いなと即却下したが、その後に色々試行錯誤し七転八倒し、最終的に面倒くさ……妥協して、完成した渾身の一筆。

 

後は此れをプレシアさんに渡すようフェイトにお願いするだけなのだが。

 

取りあえずプレシアさんはアリシアという言葉をキーにすれば釣れるだろう。

 

なんせ娘の情報を持った人物だ。怪しくても接触を持とうとするだろう。

 

問題はフェイトにどうやってお願いするかだ。

 

いきなり出て行ってこれをお母さんに渡してくれるかな?

 

……怪しすぎるだろ。

 

俺だったら間違いなく警戒する。何だこいつは?みたいな感じで…

 

まぁ、でもさどうやっても結局は怪しんだけどね。

 

原作を見た感じだと盲目的にお母さんを信じている感じがしたから、プレシアさんで釣れるか?

 

「なるようになるか…」

 

 

 

 

学校帰りに荷物を置いて家を出る。

 

目指すはフェイトが住んでいると思しきマンションだ。

 

「まだ残ってたんだな……これ」

 

コンビニ買ったでおでんを食べつつフェイトを待つ。

 

その周りを猫たちがわらわらと寄ってきたので、冷ましたちくわをおすそ分けしつつ待つ。

 

おでんを食べ終わり、暇つぶしに持ってきた携帯ゲーム機を適当にプレイしつつ、さらに待つ。

 

結局その日、日が沈みかける頃、大きな犬を連れた目当ての金髪の少女が現れた。

 

「こんにちは」

 

取りあえず当たり障りのない言葉で声を掛ける。

 

「こ、こんにちは」

 

若干、どもりながらも挨拶は返してくれた。

 

「驚かせてごめんね。ちょっと聞きたいことがあるんだけど…君、テスタロッサさんだよね?」

 

その言葉に…

 

「あんた何者だい!?」

 

反応したのはフェイトの隣にいた犬。

 

アルフだった。ってか安易に喋るなよ。

 

警戒を見せ身構えるフェイトとそれを庇うようにして唸り声をあげるアルフ。

 

そんな二人に俺は両手を挙げて…

 

「あ~~信じて貰えないかもしれないけど怪しい者じゃないんだ。っと自己紹介がまだだったね、俺は槙原耕二。君のお母さんの知り合いの…知り合いってとこかな。」

 

嘘は言っていない。

 

 

「母さんの?」

 

「うん。でね、用件なんだけど」

 

挙げていた手を降ろし、ポケットから手紙を取り出す。

 

「これを君のお母さん。プレシアさんに渡してほしいんだ。」

 

両手を挙げ、敵意がない事を威嚇するアルフにアピールしつつ、そっと手紙を手渡してザッと距離を取る。

 

フェイトは手渡された紙を四方八方から眺め何やら確認をしている。

 

カミソリでも仕込んでいるとか疑われているのだろうか?

 

まぁいい。

 

目的は果たした…後は去るだけだ。

 

無いとは思うが手紙を付き返されても困るしな……。

 

そう考え、俺は振り返る事無く足早に場を後にした。

 

 

 

 

 

「どうしてこうなった……」

 

破壊された数多の機械。

 

その中で、全身を焦げ焦げにした三人……正確には二人と一匹の介抱をしながら、俺は1人そう呟いた。

 

事の起こりはフェイトからのアプローチがあった事だ。

 

どうやら無事手紙をプレシアさんに渡してくれたらしく、直ぐに会いたいという旨の連絡が俺のデバイスに入ったのだ。

 

んで、示し合わせて時の庭園にやってきた。

 

今回は事情説明のみを行おうとアリシアは連れて来ていない。つか、アニメの通りなら連れてこない方が良いと思ったからだ…。

 

うろ覚えだが、いかにも魔女とかそんな服装をしていた気がする。パッと見はコスプレ。

しかも若干、狂気じみていた。

 

対してアリシアの記憶では、エプロンの似合う優しいお母さん。…まぁ、普通のお母さんの恰好をしていただろう。

 

しかも住んでいるのは陰気くさい白の中。部屋も研究機材などが乱雑に散らかっている暗い場所。

 

自分に置き換えてみよう。

 

久しぶりに会った自分の母親が狂気じみた魔女のコスプレで、一人で訳が分からない機械が乱雑している暗い部屋で高笑いをしていたら……。

 

出来る事なら他人のふり。まぁ、実際にはどうリアクションしていいのか困り、凍りつく自信がある。

 

母親の方もそんな姿を最愛の娘に見られて見ろ……。

 

うん。今後の親子関係がギクシャクするだろう。きっと何年たってもふとしたことで思いだし、ベットの門辺りに頭を打ち付ける黒歴史となるだろう。

 

つまり結果的には誰が得するの?状態になるわけだ。

 

そう考え、まずは話を通してからしかるべき恰好、しかるべき場所でシアと対面できるように段取りを整える事を提案することにした。

 

念の為、転移魔法にて時の庭園に到着後にアタックカンタとマホカンタを掛けておいた。

いきなり攻撃されることを考慮してだ。

 

思えば、これがすべての原因だった。

 

フェイトに案内され、対面したプレシアさんの恰好はやはりというか、黒と紫の暗いローブ?にマント?なんて表現すればいいんだろう。イメージ的には悪い魔女みたいな出で立ちだった。

 

そんな彼女は、案内してきたフェイトに労いの言葉一つ掛けず、煩わしそうに退室を促し、フェイトが退室した所で……。

 

「で、あなたがこの手紙をくれた子かしら?」

 

「えぇ、初めまして。槙原耕二です」

 

内心ドキドキだ。怖ぇえよ。この人。

 

噛まずにスラッと返事が出来た自分を自画自賛したい。

 

「それで、この手紙にはアリシアが幽霊で私に会いたがっているとか…ふざけた事が書かれていたけれど…」

 

お、怒ってるよ。

 

なんかバチバチ言ってるんですけど……。

 

おかしいな、簡潔にアリシアが幽霊で会いたがっている旨を記しただけなのだが…。

 

「そ、それは事実です。で、ですが今の状態で会せるこ……」

 

そこで話し終わる前にプレシアさんから雷撃が放たれた。

 

威嚇のつもりだったのだろうか?にしては威力は大きいその魔法は、俺に触れる直前に、軌跡を遡るようにプレシアさんに跳ね返り……。

 

直撃した。

 

ドサッっと倒れるプレシアさん。余りの唐突な出来事に固まっていると…

 

「か、母さん!」

「あっ、フェイト!?」

 

ドアの前で待機をしていたのだろうか?先ほどのやり取りで生じた轟音を聞き、フェイトとアルフが慌てた様子で入ってくる。

 

そして倒れているプレシアさんを発見し…

 

「よくも…母さんを…」

 

「えっ、ちょっと、待っ…」

 

母親と同様バチバチと電気を発生させ、デバイスに魔力を込めていくフェイト。その間、

 

「このぉお!!」

 

アルフが殴りかかってくる。

 

2人を落ち着かせようと声を掛けるも聞く耳持たず、アルフの打撃が俺に直撃したと思いきや、アルフの方が吹っ飛び…

 

「サンダースマッシャー!!」

 

遅れて飛んできたフェイトの魔法も、母親と同じ結末を辿って…。

 

フェイトの方に吹っ飛んでいたアルフを巻き添えにし、三人の焦げ焦げが誕生した。

 

《………お前様》

 

「………とりあえず、介抱するか」

 

様子を見ると死んではいないみたい。非殺傷設定という最低限の理性はあったらしい。

 

《…同じ過ちを繰り返さないように、相手を無力化する事を提案します。》

 

「それもそうだな」

 

起き上がった直後、また攻撃されては敵わない。

 

デバイスを取り上げて、三人にバインドを掛けた後、俺は治療を開始するのだった。




はやくASに入りたいなぁ~。

ネタ考えると最終的にシグナムとの絡みばっかり思いつく罠。

絡みやすいんだよ。

シグナムってとらハの薫さんが元になったキャラとか言われてたりするし、似通ってるとこあるし。

主人公はさざなみ寮…それも、真雪&リスティのコンビの影響を多大に受けておりまして…。

相性の良さは原作をやった人間ならなんとなく想像がつくと思う。


あ、余談ですが、リアルの友達にペンネームの事で葉虎(ようこ)と読まれていました。
実際の読みは葉虎(はとら)です。

なろうのペンネーム。久遠から久遠=妖狐=葉虎と思ってたそうで…

まぁ、実際にそう読めるからこの漢字にしたというのもありますが、実際の読みは、はとらでございまーす。

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