パルプンテは最後までとっておく   作:葉虎

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どうも、毎度の事ながらスランプ気味の葉虎です。

来月から忙しくなりそうなので今のうちに書こうと思いきや、筆が進まない。進まない。

いちおうこれ含めて三話分ストックは書いたけど…なんかこうすっきりしないんですよね。

でも投稿しちゃう。だって、このままだとASにたどり着くのに何年かかるんだって感じだし。

この作品…女性キャラとの絡みが多いですが、あくまで方針はハーレム?させねぇよ。
でございます。

愛と癒しは別次元なんです。意味は多分この話を読めばわかります。


第19話

 

あの後、目をさまし暴れようとした三人をどうにか宥め、話を聞く状態までこぎつけた。

 

俺、頑張った。つか、もう疲れた。帰りたい。

 

そんな気持ちを抑えつつ、なんとか説明を行う。

 

フェイトやアルフも今回は退出せず、一緒に聞いてはいるが話の殆どを理解していないようだ。

 

アリシアって誰?状態。でも、空気が読めるいい娘なフェイトは口を挟まず、逆に空気が読めないアルフが割って入るのを阻止してくれている。

 

「…正直、信じられないわ。幽霊なんて非科学的な事は」

 

「まぁ、そうだろうね。俺も口で説明しただけじゃ信じて貰えないとは思うよ。だから、今度連れてくる事を約束する。だが、その前にアンタにはアリシアと会うための準備をして貰う。」

 

「準備?一体私に何をさせるつもり?」

 

怪訝そうに俺を見るプレシア。

 

「まずは…その服だ。」

 

そんなプレシアにビシッと告げる。俺の言葉の意味が分からずにいるプレシアに続けて言ってやる。

 

「その魔女だかなんだか分からないコスプレ衣装で会うつもりか?アリシアの精神年齢は死んだ時から成長していない。あいつにはなエプロンが似合う良い母親だったあんたの印象が残っているはずだ」

 

俺の言葉にハッとなり、自分の身なりを確認するプレシア。そしてさらに続ける。

 

「それにこの場所だ。暗い、辛気臭い、怖い。あんた、こんなラスボスの城みたいな場所で会うつもりか?」

 

そんなの互いに望まないだろう。

 

「ば、場所については問題ないはずよ?そうよね?フェイト」

 

「えっ、えっと……アルフ?」

 

「あたしたちが暮らしてた家かい?確かにあそこならまだ出てからそう立ってないし、少し掃除をすればどうにかなるとは思うけど…」

 

ふむ、話を聞くにこの城の中庭にはちゃんとした居住区があるらしい。そして庭園という名に恥じない程の立派な庭もあるとか…。

 

「ふ、服については…」

 

目線を逸らすプレシア。持ってないのだろうか?はぁ、いちおう準備しておいてよかった。

 

「ローズ。あれを…」

 

ローズに銘じて、空間モニターを出現させ、それをプレシアの方に飛ばす。

 

「これは?」

 

「うちらの世界の服のカタログ。好きなの選んで、それでバリアジャケットを作れば体裁は保てるだろう」

 

「……あなた天才?」

 

プレシアさんからそう言われるのはちょっと嬉しい。ま、まぁ、元々はアリサの案だけど。

 

「だから、フェイトちゃん。お母さんに来てほしい服をお願いすると良いよ」

 

「何故、フェイトに?」

 

「娘の意見は貴重だろ?求められるのは母性な訳だし。それに…」

 

あんたよりセンスがありそうだ。

 

その言葉はどうに呑み込んだ。

 

「……選んでみなさい」

 

俺の言う事に何かを思ったのだろうか?

 

プレシアさんは少し考えた後、フェイトにそう告げた。

 

「は、はい!」

 

プレシアさんに謂れて若干緊張気味に返事を返し、真剣に俺が渡したカタログを見ていく。

 

まるで、戦いに赴くような気合の入りようだ。

 

その後ろでハラハラと…まるで、はじめてのおつかいを見守る母親のようなアルフの姿が印象的だった。

 

そして…選ばれた服を見て、俺は戦慄する。

 

……黒って…

 

黒一色って……。

 

しかも純然たる黒。色が混じっているとかじゃない…真っ黒黒なのだ。

 

まぁ、対面するのが幽霊だからって……喪服じゃないんだから。

 

結局…

 

最終的にアルフが選んだ服が一番センスがあった。

 

……彼女もともと狼ですよね?

 

 

 

プレシアさんに明日にでもアリシアに会わせる事を約束し、家に帰ってきた。

 

帰ってきたのは良いけど…

 

「なんで居るのさ?」

 

「見張り。逃げるかもしれないからって…母さんが」

 

フェイトちゃんが着いてきた。

 

逃げねぇよ。態々何しに会いに行ったか分からんだろ。

 

アルフは居ない。急ピッチでお掃除をしているからだ。

 

フェイトと別れるのですんごい反対していたが、プレシアさん→フェイトちゃん→アルフ。

の流れで命令されて、渋々…もう本当に渋々残った。

 

「あ~…まさか泊まって行くつもりだったりする?」

 

「み、見張り…」

 

いや、答えになってないし…何故裾を掴む?

 

はぁ~っと溜息を吐く。別に一日くらい幼女を泊めるくらいなんでもない。

 

場所がさざなみ寮でなければ。

 

こりゃまた、宴会かなと今後の展開を予想しつつ。

 

寮の中に入る。

 

「ただいま…」

 

「おう、耕二。おかえ…り?」

 

疑問形で出迎えてくれたのは真雪さんだった…。ちっ、また面倒な人に。

 

まぁ、結局は早いか遅いかの違いなんだが…

 

真雪さんの目線は完全に俺の背後…フェイトちゃんに注がれている。

 

そして…ニヤリと嫌な笑みを浮かべると…

 

「この間の絵の娘か……。けけけ、耕二…もう持ち帰りとはやるじゃねぇか」

 

「あぁ、ついでに泊まるんで」

 

さらっと動じることなく告げる。からかいモードの真雪さんと義姉さんと接するコツは動揺しない事。

 

リアクションをすればするほどからかわれる。

 

抜群のリアクションを返すせいで薫さんが恰好の獲物となっているのはその為だ。

 

この二人が絡まなければ、凛とした大人の魅力あふれる美女の薫さんなのだが…。

 

絡んだ途端にそれが崩れる。ある意味相性が良いのだろう。

 

俺も時々からかうサイドに回る事があったりする。

 

薫さんが…「真雪さんが三人に増えた」とぼやいていた。

 

少なからず影響は受けているらしい。恐るべし…魔窟さざなみ。

 

ちなみに、オリジナルの真雪さん、二号のリスティ義姉さん、俺で三人だ。

 

 

さて…

 

真雪さんはそのまま父さんに耕介が女連れて来たーだの、宴会だの言っている。

 

何時もの事なので…それを流しつつ…

 

「ようこそ…人外魔境さざなみ寮へ」

 

簡単に染まりそうな…純粋な少女を招き入れた。

 

 

 

 

 

「お、おい耕二?」

 

「なんすか?」

 

何故か恐る恐る声を掛けてきた義姉さんに答える。

 

夕食時当然の如く宴会となったさざなみ寮。

 

俺が連れてきた事もあり、宴会当初は隣に座っていたフェイトだったが、あっさりと連れて行かれ、根掘り葉掘り…矢次に質問されている。

 

テンパってる。テンパってる。そりゃそうだろうねぇ~。

 

俺との関係は?とか言われても、会って間もないし。

 

つか、そんな相手の家にお邪魔するとか…かなり勇気が要る行動だろう。

 

仕方がないので庇うようにして事情を説明する。

 

この子の落とし物を拾ったのはいいが、何処に居るか分からない。

 

んで、警察に言うよりも早そうだからと猫に探して貰ったと。

 

そして届けに行き、そこから仲良くなり、今日泊まりに来ることになったと。

 

フェイト…まぁ、実際にはシアなんだが…を探していたことは協力を要請した真雪さんや美緒などは知っていた為にでっち挙げた嘘だ。

 

まぁ、義姉さんとクロなんかには心を読まれて、嘘だと見抜かれているのだが…。

 

クロも、フェイトをみて大層驚いていた…シア!?とか叫ぶくらいには…

 

一応、シアの妹。ただし、姉が居る事は知らないという説明をしたうえで、シアの説明をするのも難しいので口裏を合わせて嘘に協力して貰っている。

 

いや、下手に幽霊の話を持ち出すとねぇ…。色々とね。

 

那美さんなら平気だとは思うけど、一応ね。

 

まぁ、いずれはクロにだけはフェイトがクローンであることを告げる事になるだろう。

 

義姉さん同様、嘘だってことはバレてるし。

 

まぁ、同じクローンのクロならうまくショックを受けたフェイトを慰めてくれるだろうし……。

 

……クロも明日一緒に連れて行った方が良いかな?

 

それでだめなら、フィリス義姉さんに丸投げしよう。

 

プロのカウンセラーだし、同じクローンだし。

 

シアもなぁ、自分のクローンが居ると知って、どう反応するだろうか?

 

……俺ならかなり複雑な気持ちになるが、あいつなら喜びそうな気がする。

 

こっちは義姉さんにフォローを頼むか?同じオリジナルだし。

 

でもなぁ、シアに義姉さんの悪影響受けて欲しくないんだよなぁ。

 

そんな事を考えていると、一先ず落ち着いた面々は料理に舌鼓を打ち始めた。

 

フェイトもすんごい挙動不審だったが、母さんに世話されて食事をしていたりする。

 

つか、母さんの可愛がり方が半端じゃない。

 

そしてフェイトもまんざらではなさそうだ。

 

母性力が高い母さんと、お母さんに愛されたいフェイト。

 

相性がいいのだろう。

 

それはいいんだ。それは…

 

問題は…

 

「寝取られた。俺の癒しが…」

 

久遠が…久遠がフェイトの膝の上で丸まっている。

 

あの久遠がである。

 

人見知りが激しく、初対面の相手には懐かない久遠がである。

 

「い、いや。寝取られたって…そもそも久遠は那美の…」

 

義姉さんがなんか言っているが、それどころではない。くそぉ…何故だ?

 

あれか?同じ金髪で電気タイプだし相性がいいのか?

 

いや…待てよ。

 

「これは…これでありかも…」

 

フェイト+久遠……うむ、よく見ればこの組み合わせも癒される。

 

今まで…俺が求めていた至高の癒しとは…

 

知佳さんの膝枕で寝て。

 

お腹の上には久遠が丸まっていて…

 

ゆうひさんの歌を聞きながら…

 

十六夜さんが側に寄りそう…

 

そう…それはまさに至高。

 

だが、実現は不可能だ。久遠しかいないし、この面子が一堂に会する機会などない。

 

 

 

ならば、実現可能な癒し空間を作ればよい。

 

アリサの膝枕で寝て…

 

お腹の上には久遠が丸まっていて…

 

シアの歌を聞きながら…

 

フェイトが側に寄りそう…

 

ふむ…これは此れで…。

 

アリサは偶に膝枕をしてくれることがあるが、正直まだ子供なので太ももの感触が今一つだ。まぁ、これは時が解決してくれるだろう。

この時、頭を軽く撫でてくれたりして…嫌いじゃなかったりする。

 

久遠は言わずもがな……那美さん俺にくれないかな…。

 

シアはゆうひさんに及ばないものの歌がかなり上手い。まぁ、中の人的には納得だ。

後は経験を積めば、ゆうひさんレベルまでいけるんじゃないだろうか?蘇生したらCSSを紹介してみようか。プレシアさんはマネージャーにして……。

 

そしてフェイトである。将来彼女は十六夜さんと同じくらいの癒しを与えてくれる女性になると思う。原作の姿から勝手に想像しているだけなのだが…。

 

 

しっかし、あれだな。こう見ると金髪だらけだな。別に金髪が好きって訳じゃないんだが、周りにいる人たちで癒し効果を持っているのが偶々金髪だっただけだ。

 

あれだよ?別にハーレムを目指そうとしているわけじゃないよ。むしろ恋愛感情は、こと癒しに至っては邪魔になるし、煩悩なんてものは入る余地がない。

 

修羅場なんて事になったら、癒しどころじゃないし。

 

ただ俺は摩耗した心を癒してほしいだけだ。ホイミでは癒せない心の疲れを。

 

……我ながら馬鹿な事を考えているな。と自己嫌悪しつつ、からあげを口に放り込む。

 

まぁ、実際にはアリサの膝枕か久遠と戯れるだけで十分だったりするのだが……。

 




癒し空間は目標とかではなく、ただの妄想です。

多分マイナスイオンが何それ?美味しいのってくらい癒されるはず。

すずかちゃんも癒し要素かなと思ったんだけど彼女にはおそらく欠点がある。

すずかちゃんは夜の一族である。

そして夜の一族には……発情期があるのだ!

エロスが入ってきたら……もうそれは癒しではないのだ。

つか発情期ぱねぇよ。特にとらハ1のさくらちゃんの発情期のエロさは異常。


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