パルプンテは最後までとっておく   作:葉虎

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作者迷走中……。

し、シリアスが書けねぇ…


第24話

 

「うわっ!?」

 

アリサと共にダンジョン攻略から帰ってきた。

 

んで、ダンジョンでは役に立たないので、充電していた携帯電話を手に取って画面を見て唖然とする。

 

着信履歴にズラーッと高町なのはの名前が。

 

「……見なかったことに…」

 

出来たらいいなぁ。

 

無視したらまた追っかけられるんだろうなぁ。

 

それはそうと…

 

そんな事を考えつつ、コールバックしようかと思ったが、後回しにする。

 

今はだんちょ~達と情報を共有し、今後の方針を立てないと…

 

 

 

「ま、マジかよ!?」

 

「そんな……お母さん」

 

「……何とからないの?」

 

まず、俺達の話を聞いただんちょ~、シア、クロの反応。

 

「まぁ、仮説だけどな。そうなる可能性は高い」

 

時の砂は一階層にそれぞれきまった量しか手に入らない。

 

この法則は地下11階でもほぼ増減が無かった為、今後もそうである可能性が高い。

 

ペース的にはプレシアさんの身体が恐らく持たない。

 

「かといって、焦って攻略するのが最も危険よ。段々、敵の強さ…トラップの殺傷性…ともに上がってるもの」

 

「あぁ、むしろ攻略のペースは落ちると思っていい。」

 

潜っている時間も段々と短くしていった方が良いだろう。

 

難易度が上がり、疲労度も上がっている。疲れた状態で難敵、難所にぶち当たるのが一番危ないからだ。

 

「一応保険に代替え案は考えておいたが…」

 

「保険?」

 

「えぇ、コールドスリープよ」

 

コールドスリープ。

 

冷凍冬眠状態にし、病状の進行を遅らせ時間を稼ごうというものだ。

 

合わせて、俺のホイミで体力だけでも回復すればある程度の時間は稼げる見込。

 

その間、時の砂を集める。と言った具合だ。

 

だが、リスクもある。

 

冷凍冬眠状態から蘇生した場合、何らかの後遺症が残ると言うケースがあるようなのだ。最もそれは…

 

「冷凍睡眠状態から、病気に掛る前の状態に一気に肉体を逆行させるから、その辺りのリスクは問題ないんだけどな」

 

だからこそ、保険としてドクターに準備をお願いしていたのだ。

 

しっかし、この爺さんも謎だ。

 

駄目もとで言ったが、まさか必要な設備があるとは……。

 

 

アリサから幾つかデバイスに関する特許を持ってるから、資金は腐るほどあるみたいだという話は耳にしていたけど……個人でこんな設備を所有すんなよ。

 

「まだ準備はおわっとらんぞ」

 

「アリサは準備を手伝ってやってくれ。俺の方はちょっとやることが出来た。」

 

だんちょ~と久遠から聞いた話を聞くに、十中八九…なのはちゃんからの電話は管理局がらみだろう。

 

コールドスリープはできれば使いたくない。なので俺は引き続きダンジョン攻略に専念して、空き時間にフェイトの捜索と行った所か。メインは管理局となのはちゃんにやって貰う事にする。

 

 

「シアは引き続きプレシアさんに…意識が回復したら今のうちに一杯話しておくといいよ…クロは…」

 

「分かってる。シアと一緒に居るわ」

 

……よし、後でご褒美に杏仁でもプリンでもなんでも作ってやる。

 

んで、だんちょ~は…

 

「分かってる。俺も残るよ。正直、足手まといになりそうだ。だからさ、この件が終わったら俺にも……魔法を教えてくれないか?」

 

それは別に構わないが…どういう心境の変化だ?

 

「なら…私のデバイス貸してあげるから、早速魔法の練習とかしてみる?」

 

「いいのか?アリサ」

 

「えぇ、準備で忙しいしね。インテリジェントデバイスだからこの子ならある程度の基礎は教えられるわ。だからと言って、耕二の所にはいかないようにね。ぶっつけ本番で戦闘なんて事になったら……最悪、死ぬわよ。」

 

「わ、分かってるよ」

 

んじゃまぁ…方針も決まった事だし。

 

「……電話すっか」

 

とりあえずはなのはちゃんからかな…。

 

 

 

なのはちゃんに電話し、今日はもう遅いという事で後日。

 

なのはちゃんと会って一緒に次元空間航行艦船アースラへと来ていた。

 

案内されたのは茶室。いちおう言っておくが、宇宙戦艦の一室である。

 

色々夢がぶち壊しだ。

 

ってか?いいのか…これ?仮にもこの戦艦ってあれだろ?資金は税金とかから賄われているんだろ?こんな趣味全開の部屋拵えて…。

 

ま、まぁ。俺が払ってるわけじゃないから細かくは言わないけど…。

 

「呼び出してしまってごめんなさい。どうぞ、楽にして」

 

中には綺麗な正座で座っている美女。

 

自己紹介されずとも知っている。リンディさんである。

 

艦長さんである。

 

そして何より未亡人である。

 

……とても子がいるとは思えない若さ。

 

っとと、突っ立っているのも拙いので、進められたまま対面に座る。

 

俺の隣にはなのはちゃんが、そしてリンディさんの隣には黒助。息子であるクロノが控えている。

 

そしてリンディさんは手慣れたように急須からお茶を注ぎ、近くのポットから白い四角ものを茶に…

 

「やらせねぇよ!!」

 

入れられる前にシュバっと湯呑みを奪った。

 

「あらあら、甘い物は嫌い?」

 

「えぇ、基本的に無糖が好きなんで…」

 

いいつつ、ポチャポチャと自分の湯呑みに砂糖を入れていく。その様子を呆然と見ていたなのはちゃん。慌てた様子で砂糖を入れられる前に自分の湯呑みを確保する。

 

クロノもちゃっかりと自分のお茶を確保し、全員にお茶がいきわたった所で…

 

「初めまして。時空管理局巡察艦艦長のリンディ・ハラオウンです。今日は呼び立ててしまってごめんなさい」

 

「僕は時空管理局執務官のクロノ・ハラオウンだ。君の事は彼女から聞いている。」

 

俺はちらりとなのはちゃんを見る。ビクッと震えるなのはちゃん。睨んだつもりはないが、まぁ、心情的に余計な事をとか思っていたので、不機嫌な顔になっていたのだろう。

 

「……ども、槙原耕二です。」

 

事項紹介が終わり、事情聴取のような会話が始まった。

 

「さて、君も魔導師らしいが……魔法はどこで?見たところ君も管理外世界の人間だろう?」

 

「まぁ、とある伝手である人に基礎だけみっちり教えられただけですよ。名前くらいは知ってると思いますが、ザミエル・クロイツェル。彼女がまぁ、先生ですかね」

 

これは半分本当。この人には基礎訓練と称した地獄を見せられた。

 

ザミエル・クロイツェル。金髪のショートカットに眼鏡をかけたクール美女である。

 

ちなみにこの人、今は引退しているが昔は管理局で魔弾の射手とも呼ばれた凄腕の魔導師でランクはSS。

 

今も語り継がれる。航空戦技教導隊の伝説の戦技教導官でもあった人らしい。

 

因みに滅茶苦茶怖い。

 

アリサと一緒にやった基礎訓練だが……こっそりホイミを使って回復していなければ、俺とアリサはこの場に存在しなかっただろう。

 

まぁ、後から聞いた話だが、体力的にきつくなればやめさせようとしていたようで、ホイミで回復した分、余計にメニューがきつくなったそうだが…。

 

半分本当というのは今ではアリサの専属みたいな感じで自分の技術を叩き込んでおり、俺には別の先生が居るからである。

 

使用しているデバイスは二丁の銃の形をしたデバイス…ケルベロス。

 

作ったのはドクターJ。まぁ、俺の師匠を含め、その伝手で師事することが出来るようになったのだが…。

 

「ざ、ザミエル・クロイツェルって…」

 

「し、知ってるも何も……伝説の戦技教導官の名前じゃないか!!」

 

驚愕する2人。やっぱり有名人だね。ザミエルの姐さんは。まぁ、こう言うと容赦なく弾丸で撃ち抜かれるから居ないところでこっそりと言っているのだが……。

 

言わないと言う選択肢は初めからない。

 

「あの人の教え子なら申し分ないわね……。槙原耕二君だったかしら、このジュエルシード事件の解決に協力をして貰えないかしら?」

 

お茶を一口飲み、取りあえず落ち着リンディさんがそう尋ねた。

 

「ま、待ってください艦長。いくら、あの伝説の戦技教導管の教え子とは言え、彼は民間人のはずです……。民間人だよな?」

 

言い終わった後、念の為に確認をしてくるクロノ君に頷く。

 

まあ、交友関係はそこらの管理局員よりヤバくなってるけどな。

 

「フェイトちゃんに関しては俺にも関係のある事ですから、駄目と言われても勝手に動きます。それ以外は…まぁ、俺もちょっと色々忙しくて……協力は約束できません。」

 

「……そう、ならフェイトさんの事だけでいいわ。ねぇ、クロノ執務官。勝手に動かれるよりも協力体制を取った方がやり易いと思わないかしら?」

 

「それは……確かにそうですが…」

 

渋々認めるクロノ君。

 

こんな感じで、フェイトに関して俺と管理局との共同体制で当たる事となった。

 

とは言っても、別段何をどうしろという訳でもなく、基本的には情報交換。互いにフェイトを見つけたら知らせようと言う状態。それまでは通常通りに生活を送るという感じだ。

 

だから俺としてはダンジョン攻略に専念しつつ、フェイトは実績もある方々である猫部隊に捜索をお願いし、得た情報を管理局に伝える事で協力をするつもりだ。

 

 

話も終わったのでなのはちゃんと共に帰路に着く。

 

別段夜も遅いという訳では無いが、日は沈みつつあるので一応、彼女を翠屋まで送って行く事に。

 

「耕二君の先生がそんなにすごい人とは知らなかったの」

 

「ザミエルの姐さんの事か……まぁねぇ。俺も話を聞いてびっくり……はしなかったな。今思うと…」

 

あの眼光、殺気、ただものじゃねぇ……とは思ってたし。

 

「いいなぁ。ねぇ、今度私にも会わせて」

 

「……やめとけ。命を大事しろ」

 

大方、自分も師事を仰ごうと言う腹だろうが、マジで止めておいた方が良い。鬼のしごきだぞあれは。

 

なのはちゃんに姐さんを紹介した事で罪悪感に苛まれたくない。

 

そして将来…原作通り教導隊に所属した際は……訓練を受ける子たちが可哀想だ。

 

そんな感じで、色々と誤魔化しつつ会話を続け、彼女を翠屋まで送り届けた。

 

「あら、あらあら、耕二君。なのはを送ってくれたの?」

 

翠屋に入り、桃子さんが奥から出てきて声を掛けて来てくれた。

 

「ありがとうね。あ、そうだ。お礼に夕飯うちで一緒に食べて行かない?」

 

有難い話だが、寮で俺の分の食事も用意してくれているはずだ。

 

アリサの所に行こうかと思ったが、アスターズの面々は解散してるだろうし……そう考えた所でタイミングよく電話が鳴る。相手はクロ。

 

桃子さんに断って電話に出る。

 

『あっ!?おにいちゃん、早く……早く帰って来て!!大変なの!!』

 

切羽詰まったような声、まさかプレシアさんの容態が!?

 

「どうした!?何がった!?」

 

思わず声を荒げてしまい、注目を集めてしまう。

 

『おかあさんが……おかあさんが……料理を作ってるんだよ!!』

 

思っていた事態とは違う。違うが……確かに一大事だ!!

 

「なっ!?父さん……父さんはどうした!?」

 

『昼間にちょっと手を怪我したみたい。大事は無いんだけど……。代わりにお母さんが……「耕二か!?貸せ!!」……おい、耕二!早く帰って何とかしろ!!』

 

真雪さんがそう叫ぶ。よほど切羽詰まっているのだろう。

 

状況から察するにもう既に料理は開始されているようだ。進行具合は分からないが今から帰った所で、手遅れ。作り始めた料理を止める術は無い。

 

ふむ……残された手段は……。

 

「あ、真雪さん。俺、今日友達の家で夕飯ご馳走になって帰りますね。」

 

『なっ!?て、てめぇ!!自分だけ…』

 

ピッと通話を終了し、電源を切る。

 

「すいません。夕飯ごちそうになります。」

 

「家に帰らなくていいの?大変そうだったけれど」

 

「いいんです。むしろ俺の身を案ずるなら、どうか……どうか夕食をご一緒させて下さい。」

 

元々夕食に誘ってくれたのは桃子さんの方なのでそのまま高町家でご馳走になった。

 

美味かった。

 

自分の命が助かった安心感もあってその味は格別だった。

 

まぁ、その翌日の朝食にて……。

 

ご丁寧に昨夜の残り物がラッピングしてあり、結局は俺も撃沈したのだが……。

 

 




かなり前に書きあがっていたもの。

本当は無印終わりまで書き溜めるつもりだったのだが…。

次話で停滞。書けないよ。書けないよ。

作者の中でやっぱりフェイトが鬼門だ。絡みが書けない。キャラ的には好きなんだけどな。

はぁ…ASが遠い……。

今回出てきたザミエルの姐さんはとりあえず名前だけの予定。今後出てくるかどうかは読者様の反応次第。
キャライメージ的にはザミエル卿の2Pカラー。

とりあえず実家に帰省して、正月休み中…悶々と考えることにします。

ではでは、今年一年ありがとうございました。来年のよろしくおねがいしやす。

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