たった三人の財団職員はキヴォトスで何をするのか?   作:Bar_00

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前回を二度ほど大規模に修正したため、それを閲覧しているかたは一度読み直すことをお勧めします。申し訳ない。

私は読者が楽しく読めるかを重視しており、完全に現実の軍事描写を再現したいわけではないと言っておきます。そのため、物語上の不必要さから詳細な軍事描写は省略するか、曖昧にしています。

次回原作に突入します。
今までの時系列は
数年前:ビナー確保
原作直前:アリウス襲撃
原作突入:次回以降





祈り

 

 

 

10機の兵員輸送ヘリ(Mi-26)が、アビドス砂漠の低空を滑るように侵入してきた。その巨体は空気を切り裂き、破裂音のような音を立てて進行する。しかし、その機体の扉が開く瞬間、空気の中に漂うのは何の生命感もない冷徹な雰囲気だった。扉の向こうから、無機質な姿が姿を現す。それは、ただ白い塗装が施された無表情な金属の塊――オートマタたちだった。

 

彼らの身体は自然界に存在し得ない硬直した形状をしている。背中には"廃墟"から調達した様々な布で製造されたパラシュート。全身を覆うシールドはまるで巨大な鉄板のように分厚く、表面に一切の装飾もなく、ただ無駄な装飾を排除した凄惨な冷徹さを漂わせていた。顔の部分にはオレンジ色の目しかない。無表情の内側に何の思考があるのかは、誰にも分からない。

 

彼らは電波をキャッチし、機械的に降下命令を受け取る。だが、どのオートマタにも「意識」など存在しない。背後で機体が揺れるのを感じながらも、彼らは一切の感情や反応を示さず、ただ機械的に降下を開始した。

 

一体、また一体、冷たい金属の身体が無重力のように空へと飛び出していく。彼らの動きは、感情の影すらも持たない。振り返ることもなく、ただ与えられた命令通りに、空中に舞い、地面へと迫っていく。その全身からは微動だにせず、無慈悲な無機的な冷徹さだけが放たれている。

 

味方のパラシュートたちが次々に開く。

 

 

敵がこちらを見て、こちらもあちらを見返した。

 

上のヘリが敵からのミサイルを迎撃するために急旋回や高度変動を行っているのを感知。

 

しかし、無情にも味方の機体のいくつかがミサイルに撃墜され、爆発の中で火花と煙を撒き散らしながら落下していく。しかし、オートマタたちはそれを一瞥もせず、ただ無音で降下を続ける。爆発の衝撃も、命の終わりも、彼らには一切関係ない。降下する際、破裂する炎の光すら、彼らの視界を遮ることなく、その動作を止めることはない。

 

その金属の体は、まるで無重力のように滞空しているが、その行為に感情など持つはずもない。内部で繰り広げられるのは計算された運動、理論的な降下のみであり、彼の目線の先に広がる世界はただ無機的で、冷たく、殺意を帯びた存在がそこにいるだけだ。命令がない限り、何も感じない。何も思わない。あったとしても、それは表面だけだ。

 

『全ての知性体のように、私は自分の存在を価値あるものにしたいのです』

彼は製造されて初めて聞いた(音声ファイル)(メモリ)の中で再生したが、それに何のメリットがあるか分からなかった。そしてなぜ再生したのかも分からなかった。

 

(…忌まわしい)

 

彼もパラシュートを開いた。

 

 

 


 

 

 

司令部内は瞬く間に混乱と焦燥の渦に飲み込まれた。オペレーターたちの手元が次々と表示される情報に追いつけず、画面に映るデータを見た各担当者が一斉に口々に叫び始める。空気は重苦しく、まるで圧倒的な緊張に包まれているかのようだった。彼らの前のモニターからは、次々と届く異常な情報により、まるで時間が引き延ばされたかのように感じられる。

 

「敵航空戦力の全てが兵員輸送ヘリだと!?バカな!航空戦をする気じゃないのか!?どこだ?カイザー(漁夫の利)か!?」

 

指揮官が吼えたその瞬間、部屋の一角でオペレーターがスクリーンを見つめ、震えながらも必死にデータを更新していた。緊張で汗が滲む額、視線が青白く輝く数字に引き寄せられ、画面が次々に変わる。手が震えながらも無意識に指が動くが、どこか混乱を感じさせる動き。

 

センサー:1500体

 

「カイザーはあれを採用してません!SCP-010-KV関連です!」

 

部屋の中ではただ絶望的な速さで過ぎ去る時間が全員を飲み込んでいく。その沈黙の中、復帰した指揮官は再び叫ぶ。

 

「降下が始まってる!さっさと撃墜しないとまずいぞ!」

 

それでも、オペレーターたちの手元は忙しく動きながらも、焦りに引き寄せられていた。何かを確認し、再度確認しても、スクリーンに映る数字はどんどん膨れ上がっていくばかりだった。

 

「地対空ミサイルを20発発射!第三航空隊に向かわせろ!!地上部隊にも連絡!」

 

「発射了解」「誘導了解」

 

司令官の声が響くが、通信が不安定で、地上部隊からの返答は途切れがち。地対空ミサイルが空中に放たれる音がオペレーターたちの耳に届くものの、焦りを抑えきれない声が続けて飛び交う。

 

『こちら―撃部隊。砂―の影―で砲撃できず』

 

砂嵐が通信を妨げ、反応速度が遅れる中、もう一つの報告が入る。

 

『こちら第三航空隊。四機撃墜した。敵の対処能力が高し』

 

司令官は目の前のスクリーンを凝視し、沈黙の後に力を振り絞って心の中で叫ぶ。

 

(まずい、まずい、まずいぞ!四機落としても、もう700は降りてる!004(ビナー)歩兵部隊(オートマタ)を同時に相手できるか!?)

 

彼の顔は青白く、まるで血の気が引いているように見えた。戦局が圧倒的に不利だという確信が、彼をさらに焦らせる。

 

「今すぐ第四航空隊を飛ばせろ、爆撃型機体の第五を出撃させろ!!第一と第二は戻りしだい、空対地ミサイル補給!!爆撃機優先!!」

 

指揮官は怒鳴るように指示を飛ばすが、その声には何の力も感じられない。目の前でスクリーンが反応し、さらに状況は急速に悪化していく。その瞬間、室内の温度が急激に下がり、冷たい空気が張りつめた。

 

(クソクソクソ、なんて最悪なイレギュラーだ!侵入方面に航空隊を一部隊待機させておくか?無理だ。手が足りない!)

 

地上部隊に接近するまでの時間はある。だが想定以上の砂嵐で砲塔がほとんど使えなくなってしまった現状、真綿で首を締められているようなものだ。そして敵の航空勢力があれだけなのかも気がかりだ。

 

司令部内の空気は悪化する一方で、オペレーターたちもその怒声を浴びながら、必死に状況の打開策を見出そうと動いていた。しかし、戦況はまさに制御不可能な状態に突入し、無数のオートマタたちが降下して地上に広がりつつある。

 

 

 

6:20 – SCP-004-KV反撃と敵航空戦力

 

移動したSCP-004-KVが頭部の高エネルギーレーザーをチャージし、目標に向かって発射。地上部隊の数台の車両が直接光線を受けて溶解し、被害が拡大。

 

敵航空戦力10機が低空度侵入。全てMi-26(大型輸送ヘリコプター)であり、一機につき150体のオートマタが搭乗していることが判明。地上部隊から北西西1000mに高高度降下低高度開傘(ヘイロー方式)で降下を開始する。

 

地上部隊は砂嵐によって撃墜できず。エリア-0023と第三航空隊がミサイルで敵7機を降下途中で撃墜するが、その時点でオートマタ900体ほどが降下に成功していた。

 

 

 

 

砂嵐が戦場を覆い尽くし、風は砂を舞い上げて視界を奪う。砲弾が砂に阻まれて弾かれ、機械は次第に故障していった。敵の攻撃が激しさを増す中、唯一の支配者は嵐そのものだった。

 

 

機動部隊あ-9の隊員たちは、空を見上げ、全員が無言で意識を集中させる。その姿はまるで一体の存在のようだ。汗が頬を伝い、彼らの力の源はただ一点に向けられる。

 

 

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[列王記 上]、と一人の魔術師は言った。

 

 

[エリヤはアハブに言った、]

 

 

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水分補給をしているある隊員に向け、ある魔術師(エリヤ役)が語る。

 

「何を言ってる?アンタ大丈夫か?」

 

 

[[[[[アハブは食べて飲んだ]]]]]

 

他の魔術師は彼を指して一斉に語る。

その隊員はなんとなくその行動の意味を察知し、レーションを取り出して口に入れた。

 

[[[[[エリヤはカルメル山の頂に登り、地面にひれ伏して顔を膝の間に入れて、祈り始めた。]]]]]

 

魔術師(エリヤ)は用意しておいた台に上り、ひれ伏し、顔を膝の間に入れた。

 

 

 

魔術師(しもべ)が台に上った。

 

[[[[[エリヤはそのしもべをエリシャに命じて言った、]]]]]

 

『行って、海の方を見なさい』

 

台から降り、魔術師(しもべ)はおおまかにはるか遠くの海の方角を見た。そして台に戻った。

 

 

[[[[[彼は行って、見ましたが、]]]]]

 

『何もありません』

 

[[[[[と言いました。]]]]]

 

 

魔術師(エリヤ)は預言者のように言った。

 

[[[[[エリヤは再び言った、]]]]]

 

『行って、七回目に見なさい』。

 

魔術師(しもべ)は台から降り、見て、上り、そして繰り返した。

 

 

[[[[[七回目に見たとき、]]]]]

 

『海の上に小さな雲が、手のひらのように上がってきている』

 

[[[[[と報告した。]]]]]

 

 

 

[[[[[エリヤは言った、]]]]]

 

『行って、アハブに告げなさい。『車に乗り、降りる前に帰れ』』

 

 

 

作戦をあらかじめ聞いてた自走砲がこちらに寄ってくる。砲塔はレーザーで焼き落ちており、それはただの車に過ぎなかった。

 

しもべは『雨が降るから戻りましょう』とまるで王に対していうように言った。アハブ王役は何も知らなかったが、雰囲気にのまれて頷いた。

 

そしてアハブ王(隊員)しもべ(魔術師)を載せ、雨が降る前にエリア-0023に移動させるようとする。

 

ほとんど彼らが見えなくなったころ、魔術師たちはこうつぶやいた。

 

 

[[[[[そのすぐ後、大雨が降り始め、アハブは車に乗ってイズレエルへ帰った。]]]]]

 

 

大雨が降り始め、砂嵐は徐々にその力を失う。

 

 

―――アビドス砂漠には十数年ぶりに雨が降っていた。

 

 

 

 

 

6:30 – タイプブルー部隊の介入

 

機動部隊あ-9 ("ランプの魔人")が奇跡論によって雨雲を発生させることで、砂嵐を無効化する。*1これによって砂で故障した砲の整備が可能となる。

 

機動部隊あ-9は残存する敵兵員輸送ヘリを対象に奇跡論攻撃を開始、撃墜に成功し、制空権が再確保される。

 

これによりSCP-004-KVの動きが鈍くなり、地上部隊のスクラントン現実砲弾が再び発射される。

 

 

 

 

 

 

6:45 – 地上部隊の前進とスクラントン現実砲弾の射撃

 

地上部隊の砲撃が可能となり、スクラントン現実砲弾を搭載した車両からSCP-004-KVを標的に向けて発射。

 

最初のスクラントン現実砲弾一発が命中し、SCP-004-KVのエネルギー供給装置の一部が無効化される。SCP-010-KV-2が航空隊の爆撃機に爆撃され、1/3が無力化したと思われる。

 

不明な原因により、SCP-004-KVとSCP-010-KV-2に指定されたオートマタは完全に動作を停止している。地上部隊への接近がある時点で(距離600mほど)停止する。SCP-010-KV-2からの散発的な銃撃もまた停止する。

 

補遺:

その間にSCP-004-KVとSCP-010-KVと思われる通信が増加する。SCP-004-KVは損傷に意識を払っていないように思える。

 

 

 

 

 

 

7:00 – 最後の一撃

 

スクラントン現実砲弾が最終的に8発目が、SCP-004-KVの演算装置に命中。ヘイローが消失する。そのまま倒れ、SCP-010-KV-2の多数を巻き込んで倒れる。

 

 

補遺:

SCP-004-KVは演算装置が止まる直前、平文で以下の内容を送信した。

"AMEN"

"AMEN"は「まことにそうだ」「本当にそうだ」「私は信じます」という意味であり、その真意は不明です。

 

 

 

 

 

 

7:10 – 無力化完了

 

戦闘後、P-51が再度偵察を行い、SCP-004-KVの無力化を確認。SCP-010-KV-2は航空機からの爆撃で大多数は破壊された。地上部隊が一部を研究のために破壊せず確保した。SCP-010-KV-2は現在に至るまで動作を行っていない。

 

機動部隊あ-9がSCP-004-KVに対する最後の安全確認を行い、戦闘は終了。SCP-004-KVはその後、完全に収容準備が整えられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
全隊員の協力と長時間の詠唱を必要とした。






あ-9("ランプの魔人")の奇跡論条件は「列王記 上18章41-45節」を見てください。

あらすじは、預言者エリヤがアハブ王に対して「オマエ、異神信仰してますね。なら三年干ばつにして我らの唯一神しかいないところ見せてやるよ」って感じです。41-45はそれから三年たったのでエリヤは神に雨を降らすように頼んでいるシーンです。

アビドス"砂漠"ですし、相手が異教の神になろうとしている"デカグラマトン"を信仰していたのも上手く組み合わさっています。

デカグラマトンとビナーは奇跡論という名の奇跡に動揺し、慟哭しました。

ビナーは改宗しました。

次回で原作に入ります。

誰かが自作フォントで財団ロゴとか部門ロゴとか作ってくれねぇかな…(他力本願)
あったらクオリティも上がるんだけどなぁ…


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