たった三人の財団職員はキヴォトスで何をするのか? 作:Bar_00
今日の18:00に「日誌3」は投稿します。次々回は明日6:00投稿予定です。
やっぱり今日の12:00に二話連チャン投稿します。
7話まで原作キャラが登場しないです。申し訳ない。
日付不明
落ち着いた私は、天体観測によって宇宙に存在するオブジェクトを観測することにした。
宇宙サイト、つまり財団の宇宙における基地は流石に私のアマチュア用望遠鏡では見えないだろう。しかし、
これを通じて、現実改変がどこまで進行しているのかを理解する手がかりが得られるだろう。自分の目で確かめることに、今は深い興奮を覚えている。
パソコンのSCiPNet*1は当たり前だが繋がらない。それでも、保存された過去のデータが私を救ってくれた。閲覧した内容が記憶されていたおかげで、ネットワークがなくても情報にアクセスできるのは大きな利点だ。財団職員用デバイス、これが私にとってどれほど有益な存在であるか、理解している人間は少ないだろう。神の恵みだ。
その中から、私はSCP-904-JP、宇宙にいるピザ配達員*2を選んだ。七体の実体がほぼ直線上に、そしてバラバラに。これは、観測に必要なデータと一致し、かつ興味深い対象だ。
この異常存在がある場所や、その動向が私の理解を深める助けになるだろう。私はこれから、ピザ配達員を観測し、その存在がこの改変された現実でどんな影響を受けたかを解明するつもりだ。
記録終了
日付不明
七体のSCP-904-JPは
再度確認したが、七体のSCP-904-JPは見当たらなかった。データに記録されている位置に照らして観測したが、どこにもそれらの存在はなかった。時速25kmで地球に進行するはずのピザ配達員の一番近い実体が、地球に到達したと仮定しても、少なくとも
しかし時間経過による到達を意味するなら、過去の観測と照らし合わせると、いくつかの星は今
次に考えられるのは、
これは非常に難解な事態だ。現実改変の範囲がここまで広がっているのか、あるいは何らかのメカニズムでピザ配達員たちが既に消えたのか。これまでの観測を根底から覆すような事態が発生している。
冷水をぶっかけられた気分だ。これ以上、何を信じれば良いのか。これが現実だとしたら、次に何を試みるべきかすら分からなくなってきた。今日はもう寝る。
記録終了
日付不明
私が目覚めてから一日が経った。
財団の非常用信号は未だに傍受されている。私はこれが罠であると仮定している。
こんな市街地のど真ん中(我々にとっては敵地ど真ん中)で非常用信号を鳴らす必要性はあるのか?いや、あるまい。
何らかの勢力が、私たちを根絶しようとしているのだろう。おそらく、私の行動を完全に把握しようとして、そして無力化しようとする者がいる。
私がサイト-8142の倉庫を使用しないのもそのためだ。あそこは電子的にも施錠されており、アクセス記録が発見されれば、どこかの機動部隊か何かが送り込まれる可能性がある。それが最悪のシナリオだ。ヒイロや拳銃、奇跡論によって対処できるかもしれないが、それでもさらに強力な、もしくは大規模な、またその両方の部隊が来た場合にはどうしようもない。
そして、奇妙なことに、冷蔵庫に電気が通っている。なぜだろう? これはおかしい。もともとここにあったものとしてされたのだろうか? よく考えればこの部屋の電化製品を使えることもおかしい。どこから供給されているのか*3、一体誰が電気代を払っているのか、全く見当がつかない。ひとまず使えるのでヨシとする。
食事のことだが、今日は少し特別な日だと自分を言い訳にして、カップ麺を二つ開けて食べた。普段なら一つで十分だが、今日はあえて二つ。ストレスのせいで、頭が重くなっているのはわかっている。健康には悪い味だが、それでも美味しく感じた。食事の後は、気分転換に風呂に入った。どこから来た水なのかはわからないが、非常に気分が良くなった。
そして、少し冷蔵庫のアルコールも飲んだ。ツマミも作り、何とか気を紛らわすことができた。少なくとも今は、心が少し落ち着いた。
これがどれだけ持つかは分からないが、少なくとも今は気分をリセットできた。冷蔵庫の電気が何を意味するのか、どこから供給されているのか、気になる点は多いが、まずは自分の身の回りを整理して、次に何をするかを考えるべきだろう。
記録終了
未来の自分へ:
夕飯の食レポ。
食は命の源だ。これを見れば食欲が湧いて気分転換になるだろう。できるだけ美味しく描写してみる。
今日は、ちょっとした特別な日として、カップ麺二つを開けて食べた。普段は一つで満足しているけれど、今日は気分転換を兼ねて、ちょっと贅沢をしてみたんだ。
まず、お湯を注いだ瞬間の香りが堪らない。湯気とともに立ち上るのは、深い豚骨の香り。細かい肉の旨味が染み出してくるような気がする。そして、麺を一口すすると、ツルツルとした食感が心地良く、スープが絡みついてくる。ああ、やっぱりカップ麺の醍醐味はこれだよな。
スープの味は、濃厚でありながらも後味がサッパリとしていて、まるで一日働いた後に飲みたくなるような深い味わい。塩味と豚骨の旨味が絶妙に絡み合って、まるで高級ラーメン店の味わいだ。麺をすすりながら、じわじわと広がるスープのコクが、心と体を満たしてくれる。
途中で、少しだけアクセントとして胡椒を振りかけてみたんだ。香りが引き立って、スープの深みがさらに増す。まるで新しい一口のように感じられる。
そして、食べ終わると、満腹感とともに ほっとした気分が広がる。あんなにシンプルで簡単な食事が、こんなにも心を癒してくれるのは、やっぱり不思議なことだな。
今日の食事が、この先の自分の気分を少しでも軽くしてくれることを願って。
P.S.
これ本当に役に立つのか?
記録終了
日付不明
朝になった。昨日はかなり歩き回ったからか、ようやく眠ることができた。疲れもあって、体はリフレッシュした気がする。私のマイナスの側面は、節約のためにカップ麺は一つで良かったんじゃないかと言ってくるが、ツマミやアルコールも必要だったと思う。時にはその小さな楽しみが生きる力になるものだ。
朝ご飯は、冷蔵庫から適当に材料を取ってきて作った。今日はパスタの気分だったから、冷凍食品を使ったけど、意外と美味しい出来になった。忙しさを理由に手を抜くこともあるが、やはり食べる楽しさがあると心も安らぐ。
それから、紅茶を入れてみた。ティーパックだが、急ぐ必要はないし、時間があると思えば、ゆっくりと味わうことができる。冷たい空気の中での温かい一杯、心に染みる。おまけに、保存しておいたクッキーと一緒に楽しんだら、これがまた相性抜群。昨日のストレスが少し和らいだ気がする。
今日はまた取材を多くこなそうと思っている。状況をより深く理解するためには、情報を集めるのが一番だ。それに、金策も考えなきゃいけない。できるだけ効率的にお金を作る方法を見つけなきゃ、長期的には厳しくなる。色々と頭を使って、冷静に進めていこうと思う。
記録終了
日付不明
取材で色々分かった。それについては別の紙にまとめるつもりだ。日記に仕事を巻き込みたくない。
ここでは銃を持たない人間が珍しく、そういった人間はどうしても舐められやすいらしい。脅されたので、反射的にぶん殴った。クレフ*4仕込みの喧嘩術だ。銃を持っているが、ストリートファイトではそこまで強く無いようだった。脅しの意味で肩に銃弾を打ち込んだが、弾かれた。その生徒の体を調べたが、プロテクターは見当たらなかった。ソイツによると、キヴォトスの住人は銃弾一発くらいならどうということはないらしい。
恐怖心を深層に植え付けるために顔をマウントから七発くらい殴った。彼女は気絶した。いくら皮膚が強化されようとも脳震盪は発生する。気絶させることができて良かった。近くの目撃者の記憶は
そのスケバン生徒を路地裏に引きづり、誰も見ていないことを確認した後、私は財布を奪った。驚いたことにかなりの金額が入っていた。恐らく大人の月給ほど。カツアゲは随分儲かるらしい。
少しして目覚めた彼女は「生活できないから少し残してくれ」と弱々しく言ってきたので、4分の1ほど残してやった。もちろん記憶は消す。
脳内のクレフは「アッチから来たんだから全部貰ってやれ」と言っていたが、そうする気にはなれなかった。
人間性かな。グラス*6なら半分は残したと思うが、私はグラスほど優しくない。
ここでは銃撃戦が日常茶飯事のようで、しかし不思議なことに100%人死は出ないらしい。こんな世界が存在するのか。
昼はキヴォトスのコンビニ「エンジェル24」に入ってみた。店員は恐らく中学生だった。経済活動はロボットや獣人が大半だが、時折生徒も働いているらしい。
一応、毒味として舌に15分ほど置いてみたが、特に問題はなかった。警戒する意味があるのか?と私の感情は私を馬鹿にしている。
私の理性は「ひとまず警戒する必要がある」と結論づけた。
今思えば、昔の殿様が「毒味なんていいから、暖かいものを食べたい」とぼやいていた気分がよく分かる。私は電子レンジで温め直し、ハンバーグ弁当を口に掻き入れた。ここは物価の面でも、日本のそれと変わらない。
そういうわけで、日々は続いている。
P.S.
金策として
私の目は街中でいつも白いモノを追っている。どこかに
記録終了
日付不明
今日の夜は、サーモンアボカド丼を作ることにした。私の大好物だ。キヴォトスの酒も買っておいた。どんな味か少し気になるが、酒精があれば十分だろう。
この異常事態にも関わらず、私は少しこの世界に馴染み始めている気がする。スーパーには、見たことのないお菓子――いや、ツマミになりそうなものが並んでいた。興味を引かれた私は、そこら辺にいた見知らぬ生徒におすすめを訊いてみた。驚いたことに、親切に教えてくれた。こんな状況でも、まだこういった善意に触れられるとは思っていなかった。
そのツマミには期待している。サーモンアボカド丼と酒、それにこの未知のツマミ。今夜はささやかながら贅沢な一時になりそうだ。
P.S.
私は彼女たちに絆されつつある。
今までの私のアノマリー戦争には、敗北はあれど、完敗はなかった。どんな時も、何処かに人類はまだ生きていた。だが、このキヴォトスは違う。私以外居ないのだ。
この結論は保留だ。この酒を飲んでいる間は思い出さないようにする。
酒は現実への特効薬だ。だがあまり飲みすぎないようにする。
記録終了
日付不明
財団の非常用通信を再び受信した。その通信強度が明らかに強くなっている。発信源がこちらに近づいているのだろうか?それとも、より高出力で送信されているのかもしれない。
この状況において、私は自分の中の危機感がどこか希薄であることに気付かされた。「
それでも、警戒を怠るわけにはいかない。私は食べ終わった副菜の缶詰を紐で繋ぎ、即席の警報装置を作った。玄関口と私の部屋に繋がる階段の二箇所にそれを設置する。足や物が引っ掛かれば、カランカランと大きな音を立てて私を叩き起こすだろう。この仕掛けは、かつて共謀してイタズラを仕掛けていたジャック*7に教わったものだ。滅多に無い大規模な収容違反の際など、意外と役立つ小技だった。
仮にロケットランチャーが部屋に撃ち込まれるような事態になっても、私の肉体に刻み込まれた機動部隊用の防御用奇跡論がなんとかしてくれるはずだ。それでも念のため、枕の下に拳銃を忍ばせておく。
おやすみ、明日が穏やかであることを願って。
記録終了
次回「日記3」
今日の18:00投稿。次々回は明日6:00投稿。
「SCP-904-JP - 南海ピザデリバリーズ」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-904-jp
「クレフ博士の人事ファイル」
http://scp-jp.wikidot.com/drclef-member-page
「グラス博士の人事ファイル」
http://scp-jp.wikidot.com/dr-glass-personnel-file