俺はカプセルコーポレーションのブルマの家にいた。
キッチンでブルマが料理をしている。
テレビを点けると、ニュースキャスターが世界情勢について話をしている。
国同士で戦争をしていたり、パンが銀行強盗を捕まえたりする、そんな内容だった。
「おい、ブルマ。飯はまだか?」
「もうすぐで完成だからお待ちください、ベビー様」
なんか、奴隷プレイも飽きたなあ。
ベジータに限っては妻を置いてまたどこかに出かけてるしなあ。
「そういえばさ、ベジータはどこに行ってるの?」
「ああ、あの人はウイスさんって人がこの間来て、何やら話し込んで連れて行きましたよ」
「修行でもするつもりか?」
その時、悟空が壁を突き破って入ってきた。
「ちょっと孫くん、人んち壊さないでよね」
「わりいわりい。ベジータがウイスさんとこに行ってるっての本当か?」
「ええ」
「ベジータのやつずりいぞ。オラを置いて抜け駆けするなんてよお」
「だったらお前も行けばいいじゃねえかよ」
「そうだな」
悟空はベジータの気を探る。
「ダメだ。捉えられねえ」
「そんなに遠いのか?」
「たぶんな」
「じゃあ諦めろ」
その時、ウイスが現れた。
「悟空さん、お迎えに来ましたよ」
「ウイスさん!」
「それと……」
ウイスが杖で力で悟空を元の大きさに戻した。
「なにゃあ!?」
「子どものままでは何かと不自由でしょうからね。特別サービスです」
「ウイスさん、助かったぞ」
「いえいえ。それでは、行きましょうか」
ウイスが俺を見る。
「一緒に行きますか?」
「俺はここに残って地球を守る使命が……」
「そうでしたね」
「おじいちゃん、お出かけしちゃうの?」
パンが割れた壁から部屋に入ってくる。
「ああ。オラも修行してえからな」
「すぐに帰ってくるんだよね?」
「わかんねえ。けんど、地球のピンチの時には戻ってくるさ」
「行ってらっしゃい」
悟空が俺を見て言う。
「パンのこと、頼んだぞ」
悟空はウイスと共に飛び立った。
パンが俺を見ながら、つぶらな瞳で言った。
「ベビー様、遊園地連れてってくれませんか?」
「え?」
「パンちゃん、ベビー様はとてもお忙しい方なのよ」
「いや、いいんだよ。パンが行きたいなら連れてくよ」
不服そうに口を尖らせるブルマ。
「ブルマ、お前にはベジータがいるだろう?」
「家庭をほっぽり出して修行に行ってしまうサイヤ人のことなんて私は知りません」
「ブルマ……」
ブルマが不憫に感じる。
ベジータが帰ってきたらお尻ぺんぺんだな。
「行きましょう、ベビー様」
「はーい」
俺はパンを遊園地へ連れていく。
だが、つかの間の平和な時間は、爆炎と共に突然と崩れ去った。
何者かの手によって、遊園地は破壊されてしまったのだ。
「ベビー様とのせっかくのデートが台無しだわ」
「いったい誰の仕業だ?」
そこへ、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「久しぶりだな、ベビー」
その声に振り返ると、折れた観覧車の支柱の上に、ドクターミューの姿が見えた。
「ミュー……!」
「お前の作ったのは彼だというのに、生みの親を殺すなんて、何という愚か者だ」
ミューの横に立つもう一人の老人、ドクターゲロが言う。
「カエルもいたのか」
「カエルじゃない。ゲロだ! 名前はカエルっぽいが違う!」
「お前たち死んだんじゃなかったのか?」
ミューが言い放つ。
「俺はお前の恨みを晴らすべく、地獄の底から蘇ったのだ」
「待て待て。俺はベビーだがベビーじゃない」
「黙れ」
17号が姿を現す。
「こいつはわしとミューがあの世で開発した人造人間。いうことを聞かぬ中途半端な17号とは違って、我々に忠誠を誓うプログラミング処理を施してある」
「だからなんだ? そんなガラクタ人形、破壊してやる」
「だが、こいつはまだ未完成でな」
「やはり未完成なんじゃねえか」
「ふん。喜べ。今からこいつを完成させる」
「は?」
そこへもう一人の17号が姿を現した。
「17号……」
二人の17号が合体し、超17号へと姿を変えた。
「死ぬがいい、ベビー!」
超17号が恐怖の笑みを浮かべながら襲い掛かってくる。
「うわ!」
俺は超17号の攻撃を受け、吹っ飛ばされた。
「ベビー様!」
パンが慌てて飛んでくる。
「私の体を使ってください」
超17号が笑いながらパンに接近してゼロ距離の気功弾を浴びせようとする。
「お前は邪魔だ!」
俺がパンを払いのけると、超17号のゼロ距離気功弾をこの身に叩き付けられてしまった。
「ぐわあああああ!」
腹部に大きな穴が開いてしまった。
「ベビー様!」
パンが近寄ってくる。
「よくもベビー様を!」
パンは超サイヤ人に変身すると、超17号に拳の乱打を浴びせる。
が、しかし、超17号は涼しい顔で微動だにしない。
「よせパン!」
だがパンは聞く耳を持たず、距離を取って気功波を放つ。
超17号が、気功波を体で受け止めて吸収した。
アニメと同じパターンかよ。
「ふん!」
超17号がパンの眼前に移動し、その顔面を掴んだ。
もがくパン。
超17号はパンの腹部に強力な拳を叩き込む。
「ぐわ!」
「やめろ17号。お前の相手はこの俺だ!」
超17号はパンを放り投げると、俺に向かって飛んできた。
「うわあああああ!」
攻撃をまともに受けた俺は吹っ飛び、瓦礫に突っ込んで埋もれてしまう。
「人造人間には、人造人間だ!」
俺は立ち上がり様に21号に変身した。