悟空が発ち、パンが修理されて復活したギルを連れて追いかけてから、数日が経った。
西の都から離れた某所では、悟空とパンがモグラの邪悪龍と戦っていた。
「ぎゃあああああ!」
邪悪龍は自爆し、体を失ってドラゴンボールとなってパンの手に収まった。
「あれ? ヒビが直ってないわ」
その時、ドラゴンボールが光り、パンを吸い込み始めた。
「え? なになに?」
「パン!?」
パンの体が、ドラゴンボールの中に吸い込まれていく。
「きゃあああああ!」
パンを吸い込んだドラゴンボールが、ドラゴンの姿をした邪悪龍に変身した。
「驚いたか。ドラゴンボールそのものが俺様の本体よ」
「パンに何をした?」
「俺がこの姿になるために乗っ取らせてもらった」
「おめえ、ずいぶん卑怯な真似すっじゃねえか!」
「フハハハハ。お前に可愛い孫娘を攻撃できるかな?」
邪悪龍の中で、パンが俺を呼ぶ。
「助けてください、ベビー様」
「パン!?」
俺はそこで夢から目覚めた。
「夢……?」
俺はパンの気を探知する。
パンの気が膨れ上がっており、悟空の気と対峙していた。
夢ではないみたいだ。
俺はパンの元へ急いだ。
邪悪龍の前で、悟空が虫の息になって倒れている。
アニメでは悟空が優勢だったが、こっちのパンは超サイヤ人化を会得していたからなのか、強さも倍増されており、展開が思いっきり変わっていた。
「おい、邪悪龍! 俺が来たからにはお前は終わりだ!」
「誰だ?」
振り返る邪悪龍。
「うん?」
邪悪龍が俺をまじまじと見つめる。
「な、何だよ?」
「べ、ベビー様?」
「はあ?」
どういうことだ。状況が呑み込めない。
「ベビー……、たま……のえい……しれねえぞ」
悟空の声にならない声を聴いた俺は一つの可能性に気づいた。
パンを乗っ取った時に、俺の卵が影響して、邪悪龍を操ってしまったようだ。
これは面白いことになってきた。
こいつに他の邪悪龍どもを蹴散らさせ、最後にこ奴を倒せばいいのでは?
我ながらいい考えだ。
「
「かしこまりました、ベビー様」
七星龍はそう言って、邪悪龍殲滅作戦を決行するべく飛び立った。
おかげで、ほとんどの邪悪龍を倒し、残るは
四星龍に関しては悟空でなきゃ戦わないと言ってきて、とりあえず除外しておいた。
「七星龍、まさかそんな雑魚に寝返るとはな」
「お言葉だが一星龍、このお方はとても偉いんだぞ。逆らうことは赦されねえ」
「裏切者が何を言うかと思えば」
一星龍が烈風真空斬を放ってきた。
六星龍の技だ。
やつめ、ドラゴンボールを吸収したな。
俺と七星龍は攻撃をかわした。
「一星龍、お前もベビー様の部下になれ」
「断る!」
気功弾を放ってくる一星龍。
「ベビー、貴様が仲間だったら、いろいろ話も合っただろうにな。残念だ」
一星龍が体に埋め込まれたドラゴンボールを七星龍に向かって吹き飛ばした。
「うわ!」
「貴様の体、いただくぞ」
「七星龍!」
七星龍の体にドラゴンボールが入り込み、一星龍の体が爆散する。
「す、すみません、ベビー様……」
七星龍の体が小さくなると、パンの姿となって、一星龍の手でその頭を掴まれていた。
「返してやる」
一星龍がパンを放り投げ、気功弾を撃った。
気功弾はパンにヒットし、その体を地面に叩きつけた。
「貴様、よくもパンを!」
「パン!」
悟空がおぼつかない足取りでやってくる。
「悟空、仙豆だ!」
俺は悟空に仙豆を一粒投げ飛ばした。
「サンキュー、ベビー!」
悟空が仙豆を食べた。
傷が治り、体力も回復する。
「な、何が起こったんだ?」
戸惑う一星龍。
「悟空、四星龍の相手をしてやれ」
「ああ、わかった」
悟空は超サイヤ人4に変身して四星龍の元へ飛び立った。
「一星龍、本気の勝負をしようじゃねえか」
「よかろう。だが本気を出すには四星球が足りん」
「ふん。なら向こうの勝負が着くまで待ってやる」
悟空と四星龍の勝負は互角だった。
「おめえやるなあ。勝負つかねえよ」
「ここは一時休戦して、一星龍を一緒に倒すか?」
「いいんか?」
驚き戸惑う一星龍。
「正気か四星龍!」
悟空が四星龍とタッグを組んで一星龍と戦い始める。
「ベビー……様……」
パンが意識を取り戻した。
俺はパンの元へ降り立って仙豆を食べさせた。
「パン、超サイヤ人ゴッドにはなれるか?」
パンは立ち上がり様に超サイヤ人ゴッドへの変身を試みる。
「すみません、ダメです」
失敗に終わった。
今のあいつらでは一星龍には勝てないだろう。
「ベビー様、私の体を貸しますので、あいつをやっつけてください」
「ボロボロにしてしまうかもしれないが、それでもいいのか?」
「おじいちゃんもボロボロだし、あいつに勝てるのはベビー様しかいないと思います」
「……わかった」
俺はパンの体内へと入り込む。
「はあああああ!」
俺が気を上昇させると、
「な、何だこのでたらめな気は?」
一星龍が俺を見て、驚き戸惑っている。
「どうやら貴様には俺のパワーがわかるみたいだな」
「あの小娘にここまでの力があるとは……」
俺は一星龍の背後を取り、回し蹴りの直後にもう一撃を叩き込んだ。
「うお!」
吹っ飛ぶ一星龍。
「いつの間に!?」
「俺の攻撃を二発も食らってその程度で済むとはな」
「二発? 何を言って?」
「見えなかったか? 次は貴様にも見えるようにゆっくりやってやる」
俺は右手のひらを上に向け、挑発するかのうように手招きをする。
「くそったれが!」
一星龍が接近するが、俺は乱打を浴びせて吹っ飛ばした。
鼻血を垂らす一星龍。
「鼻血だけかよ、タフだなあ」
「烈風真空斬!」
斬撃が飛んでくる。
俺は気合で斬撃を消し飛ばした。
「なに!?」
一星龍は四星龍を見下ろす。
「四星球があれば勝てるのか?」
「当然だ」
俺は四星龍に言った。
「四星龍、悪いが四星球をくれてやってくれ。全て終わったら神龍に頼んで悟空と戦わせてやっからよ」
「お前にそいつが倒せるのか?」
「余裕だ」
「四星龍、あいつを信じてやってくれ。あいつならきっと、いや絶対大丈夫だ」
「そうか」
四星龍が球だけになり、一星龍の体に埋め込まれる。
一星龍の気が一気に膨れ上がる。
「こいつは思ってたよりやべえな」
「ふっふっふ、俺の本気にビビッて手も足もでまい」
「そうかな? とも限らないぜ」
「ベビー様ー!」
ブラがすっ飛んできた。
「誰だかわからないけど、これを預かってきました」
ブラが見覚えのあるイヤリングを出した。
ポタラじゃねえか。
「だがベジータがいねえとゴジータが作れねえ」
「私とパンちゃんとベビー様の三人で」
「え?」
「何をごちゃごちゃ喋っている?」
俺とブラは一星龍を無視して会話を続ける。
「いけるのか?」
「いけると思います」
「おい!」
眉間に青筋を立てる一星龍。
「すまんな。とっておきを見せてやるよ」
「とっておきだと?」
俺はゴッドを解きながらポタラを受け取り、ブラと反対の耳に装着した。
「「「ブラとパンの合体のプラスアルファで、ブランベビーだ!」」」
三人の声が重なり合う。
「こしゃくな!」
一星龍が俺に襲い掛かる。
俺は攻撃を回避すると、一星龍の後頭部にエルボーを放つ。
「ぐわ!」
「「「は!」」」
渾身の回し蹴りが一星龍を吹っ飛ばす。
「うあわあああああ!」
「「「とどめだ!」」」
俺は両手を腰の横に構える。
「「「かー」」」
一星龍が気功弾を飛ばしてくるが、俺は涼しい顔で受けて微動だにしない。
「「「めー」」」
「烈風真空斬!」
俺は一星龍の攻撃を残像拳でかわし、背後に回り込んだ。
「何!?」
「「「はー」」」
一星龍が振り返る。
「いつの間に!?」
「「「めー」」」
「か、勝てない。俺は……俺は、けた違いの怪物を、敵に回してしまったのか……」
「これで最後だ!」
俺は全身全霊をかけた、超特大のかめはめ波を一星龍めがけて放つ。
「「「
「だが、ここで負けては、全宇宙の破壊作戦が潰える……!」
一星龍は超特大かめはめ波を受け止めようとするが、徐々に押し飛ばされ始める。
「くっ……こんな、こんなもの……!」
一星龍は渾身の力を両手に注ぎ込む。
だが。
「ぐっ……うわああああああ!」
一星龍は超特大かめはめ波に巻き込まれ、悲鳴を上げながら粉々に飛び散ってしまった。
超特大かめはめ波が、宇宙空間に飛び出したところで、超新星爆発のように綺麗な花火を打ち上げた。
気を全て使い果たし、俺、パン、ブラの三人の体が分裂した。
「やりましたね、ベビー様」
「私たち勝ったんですよ」
パンとブラがハイタッチをする。
ようやくこれで、大団円になれる。
そう思ったのは束の間、俺たちの戦いはまだまだ続くのであった。
To be continued...