某日の朝。
俺は窓から差し込む太陽光で目を覚ました。
同じベッドの横には、真っ裸のパンが気持ちよさそうに眠っている。
誰がどう見ても、ゆうべはおたのしみでしたね、である。
「うーん……」
パンが目を覚す。
「あ、そのまま寝ちゃったんだっけ」
パンが服を身に着ける。
俺もスーツを着け、装甲を上から被った。
寝室を出て、リビングに。
ビーデルとチチが朝食の準備をしている。
悟空はまだ寝ているようだった。
「おはよう、ママ、おばあちゃん」
ビーデルとチチが、「おはよう」と返す。
「あ、ベビー様もおはようございます」
「ああ、おはよう」
俺は玄関へと向かう。
「ベビー様?」
「なんだ?」
「朝食も食べずにどちらへ?」
「表に出るだけだ」
そう言って扉を開けると、ウイスとビルスがいた。
「うお!?」
びっくりして飛び退く俺。
「お前たちか」
「お迎えにあがりましたよ、ベビーさん」
「近日なのか?」
「ええ」
ビルスがくんくんと朝食の匂いを嗅ぐ。
「何か美味しそうな匂いがするが」
「これから朝食だ」
「朝食とな?」
「朝ごはんのことですよ、ビルス様」
と、ウイスが説明する。
「わかってるよ!」
その時、ビルスの腹が鳴った。
「僕にも食べさせてくれないか?」
「ということらしい。構わんか?」
「ベビー様のお友達なら構いませんよ」
チチの一言に、「誰がお友達だ!」と、突っ込む。
「なんか賑やかでいいですね、お義母さん」
朝食が出来上がり、悟空も起きてきたところで、全員で食事をとった。
「さて、お腹も膨れたことですし、そろそろ行きましょうか」
「そうだな」
「ベビー様、どこか行くんですか?」
パンの問いに俺は答える。
「破壊神の就任式に行くんだ」
「就任式?」
「ああ。どうやら、次の破壊神にならなきゃいけないらしい」
「私もおそばで見させてほしいです」
「と、言ってるが?」
俺はウイスに聞いた。
「構いませんよ。なんなら、みなさんで行きますか?」
「おい、ウイス! 勝手に決めるな!」
と、ビルス。
「あら、いいじゃありませんか。賑やかで」
「ふん! 好きにしろ」
「では」
ウイスが杖で全員を四角い空間で囲み、就任式を行う会場へと移動した。
「ウイスさん、ここは?」
「全王様の玉座になります」
この世界にも全王がいるのか。
「全王様ってなんだ?」
「悟空、お前は静かにしていろよ」
扉が開き、一同は中に入る。
警備員が俺以外を止める。
「付き添いの方はここまでです」
俺は全王の前に移動する。
「僕は全王。初めましてなのね」
「初めまして」
ではない。アニメで何度も見ている。
「君がベビーなのね?」
「はい、そうです」
「この度は、破壊神就任、おめでとうなのね」
「ありがとうございます」
「……………………」
「……………………」
「どうしたのね?」
「いえ。もういいのですか?」
「僕は挨拶は終えたのね。戻っていいのね」
「いや、でも、なんか破壊神免許証とかそういうのがあるのかと思ってましたが」
「別にないのね」
「そうですか」
俺はお辞儀をすると入り口の方へ戻る。
扉が開き、俺たち一行は外に出る。
「ベビーさん、拠点は地球のままでよろしいですか?」
「うん? ああ、構わないぞ」
「わかりました。では、みなさんを地球に送ります」
ウイスが四角い空間で俺たちを囲んで地球に戻る。
「ウイス、そう言えばベジータは最近なにしてんだ?」
俺はずっと確認したかったことをウイスに訊ねた。
「ベジータさんですか?」
「それ、オラも気になってたんだよウイスさん!」
「例の場所で修行してますよ。そろそろ組み手相手が欲しかったところですが」
「じゃあ先にオラをそこに連れてってくれよ!」
「よろしいですか、ベビーさん?」
やれやれ。
「好きにしてくれ」
「わかりました。では、ビルス様……いえ、もう神じゃないですね。ビルスさんの星へ行きましょう」
「ウイス、慣れないから今まで通りに呼べ」
「わかりました」
俺たちはビルスの星に向かった。
ビルスの星では、ベジータが一人トレーニングをしている。
「よお! ベジータ!」
「カカロット!?」
振り返るベジータ。
「そろそろ組み手相手が欲しいころではありませんか?」
と、ウイスが言う。
「ああ、そうだ」
「では、悟空さんだけ置いて、みなさんを地球に送りますね」
「ビルス様もついていくんか?」
「んー、僕も残ろうかなあ」
「そうですか? では、お二人とも置いていきます」
悟空とビルスを残し、俺たちは地球に向かった。