ドラゴンボール 転生したらベビーだった件   作:桂ヒナギク

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20.復讐

 その日、俺は辺境の惑星を、先代の破壊神ビルスの指示で破壊しているところだった。

 惑星の人々を蹂躙し、最後に惑星を破壊する。

 その破壊する者の姿が端正な顔立ちをしたパンであったのが、唯一の救いだろう。

 パンに殺されるのであれば、この惑星の住民も本望ってところではないか。……いや、誰も救われていないか。

「ウイス、生命反応は?」

「いいえ、もうありませんね」

「じゃあ、この星、もういらないね」

 俺が地面を蹴って飛び立とうとすると、茂みから傷だらけの男の子が現れた。

「やめ……て……」

 男の子はそう言うと、意識を失って倒れた。

「ふん」

 俺は男の子に手のひらを向ける。

 気功弾を放とうとする俺の脳裏に、パンの声が響く。

「やめてください、ベビー様」

「どうした?」

「よく見てください」

 俺が倒れた男の子を凝視すると、腰に尻尾が巻かれていた。

「サイヤ人?」

 俺は男の子の頭に手を置き、記憶を読み取った。

 名はターブル。ベジータの弟だった。

 こいつがここにいるってことは、グレもいるのか?

 茂みで何かが音を立てるのを聞いた俺は思わず振り返った。

「誰だ!?」

 グレだった。

「グレ……」

「どうしてこんなことをするのですか?」

「先代の指示なんだ」

「あなたが同じことをされたらどんな気持ちになりますか?」

「俺に失うものなんて何もないんだよ」

 俺はグレに手のひらを向けた。

「消えろ」

 気功弾がグレの体を粉々に吹き飛ばした。

「何やってんだお前!?」

 起き上がったターブルが俺の背中に拳を入れる。

「うん?」

 何かが触れる感触を覚えた俺は振り返った。

「君、ベジータの弟だよね?」

「兄さんを知ってるのか?」

「うん。私の従順なペットよ」

「……!?」

 驚くターブル。

「君はサイヤ人みたいだからね。特別にしもべにしてあげる」

 俺はジェル状になってパンの体から飛び出した。

 脱兎のごとく逃げ出すターブル。

 逃げながら振り返るターブル。

 俺はターブルの体に覆い被さった。

「なにをするんだ!?」

 俺はターブルの体内に浸透する。

「うわあああああ!」

 ターブルに入り込んだ俺は、その意識を奪い取る。

 俺はターブルに卵を産み落とすと、その肉体から飛び出した。

「おい、起きるんだ」

 俺の言葉に反応してターブルが起き上がる。

「行くぞ」

「はい」

 俺たちはウイスに掴まると、ビルス星へ飛んだ。

「ウイス、あとでこいつをしごいといて」

「わかりました」

 俺とパンはウイスに地球へと送られた。

「おや? 何やら空気が重苦しいですねえ」

「この気、もしかして?」

 ベビーの気だ。

 悟空を除くサイヤ人たちが、俺たちを取り囲む。

「ま、まさか?」

「そのまさかだ」

 顔に刺青を入れた白髪のベジータが、俺の問いに答えた。

「偽物は消えるがいい!」

 ベジータベビーの一言で、サイヤ人たちが俺を襲う。

 パンが俺を庇うようにカウンターを浴びせる。

「ほおう。メス猿にそんな力があったか」

「退いてろ」

 俺はパンを後方に放り投げた。

 ベビーがパンの方へ移動しようとする。

 俺はベジータベビーの足を掴んだ。

「お前の相手は俺だろう?」

「ふん。いいだろう。貴様を殺してからあの小娘の体をいただくとしよう」

 今、俺とベビーの戦いの火蓋が切られた。

 

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