俺は夢を見ていた。俺はそこで、日本という国で暮らしている。
その日、家を出た俺は、門を抜けた瞬間、車に撥ねられた。
体が地面に叩きつけられ、痛みで動くことができない。
段々と視界が狭まり、完全にブラックアウトした刹那、俺はミューの脱出艇にいた。
そこで、夢から覚める。
やはり、俺は外の世界の住人ではないだろうか。
ま……どうでもいいか。
俺は体を起こすと、神殿を出た。
「……?」
外は異様な空気に包まれていた。
「デンデ、何があったんだ?」
俺は一人佇むデンデに訊いた。
「ベビー……いえ、コソット様でしたね。実は、時の界王神様という方から連絡があり、コソット様にコントン都というところに大至急来てほしいとのことです。また何かよからぬことが起こらなければいいのですが……」
「コントン都か」
俺は額に指を当て、時の界王神とやらの気を探り、瞬間移動で飛んだ。
着いたのはコントン都の時の巣。
「来たわね、新破壊神様」
こいつは時の界王神のクロノアか。
「コソットだ」
「知ってるわ。大魔界でマーバに作られた魔人コソットでしょ?」
「こんなところにまで俺の名が轟いているとはな」
「時の巻物を管理してるからね。いやでもわかるわ」
よく見るとクロノアも可愛いんだよな。
腹の虫が鳴く。
「なに、お腹空いたの?」
「朝食を食べ損ねたから」
「それじゃあ何か作るわね」
「え?」
クロノアの手料理はまずいと評判だが。
そんなこんなで、クロノアの手料理が完成してしまった。
「さあ、どうぞ」
「あ、え……」
俺な抵抗を感じながらも、クロノアの手料理を食べてみる。
うん? 意外と美味しい?
「美味しいよ、クロノア」
「よかった。私の料理、みんなまずいって言って食べてくれないのよ」
俺の舌がおかしいのかな?
俺はクロノアの手料理を完食した。
「で……本題なんだが?」
「そうだった。あなた、タイムパトローラーにならない?」
「待って。俺は破壊神だぞ。御法度じゃないのか?」
「破壊神だってパトローラーになれるのよ?」
「ま……いいけど」
「じゃあ決まりね。そしたら、早速、歴史の修正をお願いするわね」
クロノアが巻物を取り出す。
「さあ、これを握って」
俺が巻物を握ると、その中へと吸い込まれ、惑星ピタルへ辿り着いた。
緑髪の少年がパンに近づいていく。
それに気づいたパンが振り返る。
パンを襲おうとしていた少年が立ち止まる。
「あら、気がついたのね」
少年の瞳が赤く染まると、彼はパンに襲いかかった。
「きゃあ!」
突然の攻撃にバランスを崩したパンは仰向けになる。
その隙に、少年の体から飛び出したベビーが、パンの体に覆い被さった。
「いや! やめて!」
ベビーは徐にパンの体内へと侵入していく。
パンは苦痛に顔を歪めながら、なす術なくベビーに体を乗っ取られてしまう。
「おーい、パーン!」
そこへ悟空が現れた。
パンはすっくと立ち上がり、悟空に襲いかかった。
悟空は攻撃をかわし、パンから距離を取って構えた。
「おめえ、パンじゃねえな? 何者だ?」
「死ね! 孫 悟空!」
ベビーはパンの声でそう言うと、悟空の懐に潜って右手を突き出して気弾を放とうとするが、ベビーに抵抗したパンが悟空から離れる。
「この体は私のものよ! あんたなんかには使わせないんだから!」
パンはそう言って気を解放してベビーを体内から追い出した。
吹っ飛ばされたベビーが地面に叩きつけられる。
パンは着地をすると、ベビーの方を向いた。
「大丈夫かパン?」
と、悟空。
「大丈夫よ。ちょっと油断しただけ」
構える悟空とパン。
ベビーはニヤリとほくそ笑む。
「ニヤニヤ笑ってんじゃないわよ、気持ち悪い」
「パン、悟空を殺せ」
「そんなことするわけ——」
パンの体内に植え付けられた卵が孵化し、細胞が脳を侵食した。
「——あるのよね!」
パンの攻撃を悟空はかわした。
「パン!?」
驚き戸惑う悟空。
「何をしている?」
「申し訳ありません、ベビー様」
パンのセリフに悟空は疑問符を浮かべた。
「ベビー様?」
「不思議に思っているだろう? 俺はそいつの体に入った時に卵を植えつけたんだ。その卵が孵化したため、そいつは俺の操り人形となったのだ」
「なに!?」
パンが悟空に迫る。
「おじいちゃんは私が殺してあげるわ」
さて、修正かな。
俺はパンが襲われる直前まで時間を巻き戻す。
「あら、気がついたのね」
少年の瞳が赤く染まり、パンに襲い掛かろうとしたところに、俺がパンを庇って少年の攻撃を受け止めた。
「誰だか知らないけど助かったわ」
俺とパンが戦闘体勢に入る。
少年の中からベビーが飛び出した。
「きしゃああああ!」
奇声を上げながらベビーが襲ってくる。
俺はベビーを蹴り飛ばした。
地面に転がるベビー。
ベビーは辺りを見渡す。
乗っ取る相手を探しているのだろう。
「すまん」
俺はパンの鳩尾に拳を叩き込み気絶させた。
その隙に逃走するベビー。
俺は光に包まれると、時の巣に戻った。
「おかえりなさい。あなたの介入のおかげでパンちゃんはベビーに乗っ取られずに済んだわ」
「この後は歴史通りトランクスが乗っ取られて、シモベになるんだよな?」
「そうだけど、それはまだ先の話ね」
「改変されてるのはまだあるの?」
「今のところはそれだけよ。何か起こったら連絡するから、自由にしてていいわよ」
「それじゃあ、地球に戻ってもいい?」
「いいわよ」
俺はパンの気を探り、瞬間移動した。
「あ、コソット様」
「パン、お前の体を貸してくれ」
俺はそう言うと、パンの体内へダイブし、その体で時の巣のクロノアの元へ瞬間移動した。