刻蔵庫。
ある巻き物が、
クロノアはその巻き物を確認した。
「これは……」
巻き物は孫 悟飯の幼少期のものだった。
ラディッツに誘拐され、宇宙船に閉じ込められている。
悟空とピッコロがラディッツと戦っているが、分が悪いようで二人はラディッツに圧倒されている。
ラディッツのスカウターが悟飯に反応する。
「なに?」
悟飯が宇宙船を破壊して飛び出す。
「お父さんを、いじめるなー!」
怒りのボルテージが上がった悟飯は瞬間的な戦闘力の上昇を見せつけラディッツに突進する。
しかしラディッツは攻撃をかわす。
悟飯は気を失い、地面に転がる。
「貴様、死にたいようだな」
ラディッツが悟飯に迫る。
「悟飯!」
悟空が叫ぶも虚しく、悟飯の首をへし折るラディッツ。
「れ、歴史が、変わる……」
クロノアは巻き物を机に置くと、テレパシーで俺への交信を試みる。
「コソット様、聞こえる?」
地球の神殿にいた俺は、クロノアのテレパシーに応答する。
「クロノア? どうしたんだ?」
「時の巻き物に異変があったの。すぐに来てくれる?」
「わかった」
俺が瞬間移動でコントン都の刻蔵庫に移動しようとすると、慌ててパンがやってきた。
「コソット様、私を置いてかないでください」
「一緒に行くか?」
「もちろんです」
俺とパンは手を繋ぎ。
「クロノアの気は……」
俺は額に指を当ててクロノアの気を探る。
「こいつだ!」
クロノアの気を見つけた俺は、パンと共に刻蔵庫へ瞬間移動をした。
「待ってたわよ。早速だけど……って、パンちゃんの体が!」
パンの体が透け始めている。
巻き物を見ると、悟飯が息絶え、悟空もピッコロもやられていた。
「このままではパンちゃんが産まれなかったことになってしまうわ」
「そんなことにはさせねえよ」
俺は巻き物に手を伸ばす。
「コソット様、今回は私は行けそうにないです」
「パン、安心しろ。お前のことは俺が守る」
俺は巻き物の中に入り込んだ。
「お父さんを、いじめるなー!」
悟飯がラディッツに突進する。
ラディッツが悟飯をかわす。
悟飯は意識を失い、地面に転がる。
「貴様、死にたいようだな」
ラディッツが悟飯に迫る。
「悟飯!」
悟空が叫ぶ。
「ラディッツー!」
俺はラディッツに不意打ちの飛び蹴りを放った。
「うわあ!」
吹っ飛んでいくラディッツ。
「だ、誰だおめえ?」
と、悟空。
「どうやら助っ人みたいだぞ」
と、ピッコロ。
「貴様、何者だ!?」
と、立ち上がりざまに訊ねるラディッツ。
「悟飯を殺されると俺が困るんだよ」
「まあいい。殺す順番が変わっただけだ」
ラディッツが気功波を放ってきた。
俺は飛び退き、気功波をかわす。
正史通り死なせるべきか……。
俺は一瞬でラディッツの懐に潜り込み、渾身の一撃を叩き込む。
「ぐおっ!」
倒れるラディッツ。
「やべ」
悟空が死なずに終わってしまう。
あ……でも神様に頼んで生きたまま界王星に送って貰えばいいのか。
「おめえ、一撃で倒したんか?」
「ああ、ワンパンで倒しちまった」
「おめえ何者なんだ?」
「コソットだ」
「コソット?」
「孫 悟空だな? お前、神殿の神様に界王星で修行したいと伝えろ」
「界王星? なんだそれ?」
食いついた。
「地球の10倍の重力がある小さな星だ。あの世にある」
「あの世? 死ななきゃ行けねえじゃねえか」
「いや、神様が一緒なら生きていても行ける」
「そうか。わかった。オラ、神様んとこ行ってくる」
悟空は筋斗雲に乗り、神殿へと飛び去っていった。
「ピッコロ、あんたはどうするんだ? 奴の仲間……サイヤ人が訊ねてくるぞ」
「サイヤ人?」
「ああ。俺が倒したあいつより遥かに強い二人のサイヤ人が一年後にな」
「そうか。では俺は悟飯に修行をつけてやることにしよう」
「魔族にしたいだけだろ?」
「な……!?」
「ま……あんたは悟飯に慕われる存在だ」
じゃあな、と刻蔵庫に戻る俺。
「消えた? なんだったんだ?」
巻き物の向こうでピッコロが疑問符を浮かべている。
「パン、体の調子はどうだ?」
「コソット様のおかげで元通りになりました」
クロノアが巻き物を片付ける。
「お疲れ様」
「クロノア、腹が減った。君の手料理が食べたい」
「いいわよ。すぐに用意するわ」
クロノアはそう言ってどこかへと歩いていく。
「クロノアさん、料理できるんですね」
「あいつの料理、美味しいぞ」
「私も食べてみたいです」
俺とパンは刻蔵庫を出て時の巣へ移動した。
時の巣ではテーブルが用意されており、クロノアの手料理が置かれていた。
「いただきまーす」
パンが料理に手をつける。
が、口に運んだ瞬間、気持ち悪そうな顔で放り込んだ料理を吐き出した。
「何この不味いの!?」
「ごめんなさい、パンちゃん。お口に合わなかったかしら?」
俺はクロノアの料理を口に運んだ。
「美味しいけどなあ……」
「コソット様、無理しなくていいのよ。不味いなら不味いって言って」
「いや、美味しいよ」
「本当?」
「ああ」
「でもこの間、トランクスに食べてもらったら不味いって言って吐き出したわ」
「みんな味音痴なんじゃないの?」
「そうなのかしら」
クロノアの手料理を食べるのは二回目だが、爆発的に美味しかった。これを不味いと思う者の舌がどうなっているのか理解に苦しむ。
「クロノアを俺の専属シェフに雇いたいくらいだ」
「え? そんなこと言われても。でも、私の料理を美味しいって言ってくれて素直に嬉しいわ」
クロノアは嬉しそうな表情で言った。
「また食べたくなったらいつでも言ってね」
クロノアの好感度が上がった。
「さて……」
食べ終わった俺は席を立つ。
「時の界王神様あ!」
と、トランクスが慌てて駆けってきた。