ドラゴンボール 転生したらベビーだった件   作:桂ヒナギク

31 / 34
黒髭じゃないよ?


31.クロノア危機一髪

 トランクスが慌てて駆けってくる。

「どうしたの、トランクス?」

「コントン都が大変なんです!」

「どういうこと?」

「オゾットっていう化け物が現れて……」

「お、オゾットですって?」

「ええ。オゾットは住民を片っ端から吸収して」

「みんな、逃げるわよ」

 そこへ魔人オゾットが現れる。

「どこへ行くと言うのですか、時の界王神」

「あ……」

 クロノアが恐ろしさのあまり震え(おのの)く。

「ほおう。ちょっとは骨のありそうなやつが現れたな」

 俺の言葉にオゾットが訊ねる。

「ツフル……いや、あなたも魔人ですか?」

「いや、破壊神コソットだ」

「は、破壊神だと!?」

 後ずさるオゾット。

「さ、流石に破壊神どのには手は出せませんねえ。いいでしょう。ここはいったん引くことにしましょう。ですが、時の界王神。あなたの体はいずれいただきますよ?」

 オゾットはそう言って、焦りながら立ち去る。

「……コソット様のおかげで助かったわ」

 冷や汗を腕で拭うクロノア。

「クロノア、奴の行方を追ってくれ」

「い、嫌よ。そんな危険なこと、私はやらないわ」

「頼むよ、クロノア。奴は俺が倒す」

「……わ、わかったわ」

 クロノアはオゾットの行方を追うため、コントン都のオゾットの残留エネルギーを調べる。

 そこに、トソックという男が現れる。

「あなた、無事だったの?」

 トソックはオゾットに姿を変える。

「きゃああああ!」

 クロノアの悲鳴がこだまする。

 オゾットはクロノアを吸収すると、彼女に姿を変えた。

「なあ、トランクス。今、クロノアの悲鳴が聞こえなかったか?」

 時の巣で俺はトランクスに訊ねた。

「気のせいじゃないですか」

「いや、あれは絶対クロノアの悲鳴だ」

「行ってみますか?」

「ああ」

 俺とトランクスはコントン都へ向かう。

「待って。私も行きます」

 パンが追いかけてくる。

 三人でクロノアの元に移動した。

「クロノア、どうした?」

 クロノアはこちらを見て焦りの表情を見せる。

「あ、えっと……なんでもないわ」

「お前、クロノアか?」

 トランクスが俺の前に回り込む。

「な、何言ってるんですか! どこからどう見ても時の界王神様ですよ!」

「俺の記憶ではオゾットは吸収した相手に姿を変えられたはずだ」

「時の界王神様が吸収されてしまったとでも言うのですか?」

 トランクスの背後でクロノアがオゾットに変態する。

「時の界王神様も何か——」

 オゾットがトランクスを横へ薙ぎ払う。

「うわああああ!」

 吹っ飛んでいくトランクス。

「バレてしまっては仕方ないですねえ」

「クロノアを返せ」

「嫌ですよ」

 俺はパンを見る。

「パン、トランクスを頼む」

 そう言った後、オゾットに向き直る。

 パンはトランクスが飛ばされた方へ向かっていった。

「なら、貴様を倒してクロノアを取り戻してやる」

 俺は構えを取った。

 オゾットも構えを取る。

「行くぞお!」

 俺はオゾットに迫る。

 オゾットは俺の攻撃をいなし、カウンターを繰り出した。

「ぐお!」

 吹っ飛ばされる。

 そこへ追い討ちをかけにくるオゾット。

 オゾットの乱打が俺を襲う。

 こいつ、先ほどは大したことなさそうな気だったのに、クロノアを吸収した途端に強くなったか。

「一つ聞く。お前は魔界の産まれか?」

「それがどうしました?」

「兄弟を攻撃するのか?」

 オゾットの攻撃が止まる。

「はい?」

「俺もマーバに作られたのだよ」

「なんですって?」

「オゾット、クロノアを返せ。クロノアを利用せずともお前も強くなれるはずだ」

「嫌だと言ったじゃないですか」

「聞き分けのない兄だな」

 仕方ない。

 俺は刻蔵庫へ駆けった。

「どこへ行くつもりですか?」

「ちゃぶ台をひっくり返す」

「どう言う意味ですか?」

 刻蔵庫に入った俺は巻き物を手に取る。

 その巻き物には、クロノアがオゾットに吸収される瞬間が映り込んでいた。

 俺はその巻き物に飛び込み、クロノアが吸収されそうになっているところに割って入る。

「クロノア!」

 オゾットがクロノアに覆い被さる寸前、俺はクロノアを捕まえてオゾットの吸収をかわす。

「なに!?」

「ちゃぶ台をひっくり返しにきた」

「あなた、時間を巻き戻したのですか?」

「クロノアを吸収されては困るんでね。というか、あんた悟空に倒されたはずだ」

「消滅の前、何者かによって助け出されたのですよ」

「何者か?」

 クロノアが疑問符を浮かべている。

「その何者かについて、覚えている限りのことを聞かせてもらおうか? その後に貴様を破壊する」

「面白いですね。いいでしょう。全力で相手をしましょう」

 オゾットが突っ込んでくる。

 俺はオゾットの腹部に拳をねじ込んだ。

「ぐえ!」

 (うずくま)るオゾット。

「は!」

 俺はオゾットを地面に叩きつける。

「てんで大したことねえな。クロノアを吸収する前と後ではこうも違うのか」

 オゾットは激痛に悶絶している。

「失せろ。二度と戻ってくるな」

 俺はオゾットの存在を破壊した。

「助かったわ、コソット様」

「結局聞かなかったな、何者かのこと」

「そのうちわかるわよ」

「クロノア、ドラゴンボールで吸収された者たちを戻してやってくれ」

「わかったわ」

 クロノアが事前に集めていたドラゴンボールで吸収された者たちを復活させた。

 俺はことの成り行きを見送ると、元の時間軸へと戻った。

 巻き物の中で行ったことは、元の時間軸にも反映されている。

 俺はクロノアの元に移動した。

「クロノア……だよな?」

「コソット様、どうしたのよ?」

「よかった。ちゃんと変えられたんだね」

「何を?」

「クロノアがオゾットに吸収された未来を変えてきた」

「え? じゃあ、あれ未来から来たあなただったの?」

「ああ」

「時の界王神としては、看過できない行為だけど、助けてくれたわけだし、今回は多めに見るわ」

「時の界王神様ー!」

 と、トランクスがやってくる。

 その後ろにはパンの姿もある。

「救出できたんですね?」

「トランクス、お前記憶が?」

「え?」

「オゾットに吹っ飛ばされたの覚えてる?」

「ええ。時の界王神様がオゾットに吸収されて、そのオゾットが時の界王神様に化けていて……」

「どう言うことだ。歴史改変の影響を受けていない?」

 俺の疑問にクロノアが答える。

「時間管理に携わるものは歴史改変の影響を受けないのよ」

「なるほど」

 納得。

「え、てことはクロノアも吸収をされたことを覚えている?」

「いや、私は吸収される寸前に助けてもらってるわ」

「そうだよなあ」

「ま……そんなことどうでもいいじゃない」

「そうだな。クロノアがこうして無事だから別にいいか」

 一堂が笑い声を上げる。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。