トランクスが慌てて駆けってくる。
「どうしたの、トランクス?」
「コントン都が大変なんです!」
「どういうこと?」
「オゾットっていう化け物が現れて……」
「お、オゾットですって?」
「ええ。オゾットは住民を片っ端から吸収して」
「みんな、逃げるわよ」
そこへ魔人オゾットが現れる。
「どこへ行くと言うのですか、時の界王神」
「あ……」
クロノアが恐ろしさのあまり震え
「ほおう。ちょっとは骨のありそうなやつが現れたな」
俺の言葉にオゾットが訊ねる。
「ツフル……いや、あなたも魔人ですか?」
「いや、破壊神コソットだ」
「は、破壊神だと!?」
後ずさるオゾット。
「さ、流石に破壊神どのには手は出せませんねえ。いいでしょう。ここはいったん引くことにしましょう。ですが、時の界王神。あなたの体はいずれいただきますよ?」
オゾットはそう言って、焦りながら立ち去る。
「……コソット様のおかげで助かったわ」
冷や汗を腕で拭うクロノア。
「クロノア、奴の行方を追ってくれ」
「い、嫌よ。そんな危険なこと、私はやらないわ」
「頼むよ、クロノア。奴は俺が倒す」
「……わ、わかったわ」
クロノアはオゾットの行方を追うため、コントン都のオゾットの残留エネルギーを調べる。
そこに、トソックという男が現れる。
「あなた、無事だったの?」
トソックはオゾットに姿を変える。
「きゃああああ!」
クロノアの悲鳴がこだまする。
オゾットはクロノアを吸収すると、彼女に姿を変えた。
「なあ、トランクス。今、クロノアの悲鳴が聞こえなかったか?」
時の巣で俺はトランクスに訊ねた。
「気のせいじゃないですか」
「いや、あれは絶対クロノアの悲鳴だ」
「行ってみますか?」
「ああ」
俺とトランクスはコントン都へ向かう。
「待って。私も行きます」
パンが追いかけてくる。
三人でクロノアの元に移動した。
「クロノア、どうした?」
クロノアはこちらを見て焦りの表情を見せる。
「あ、えっと……なんでもないわ」
「お前、クロノアか?」
トランクスが俺の前に回り込む。
「な、何言ってるんですか! どこからどう見ても時の界王神様ですよ!」
「俺の記憶ではオゾットは吸収した相手に姿を変えられたはずだ」
「時の界王神様が吸収されてしまったとでも言うのですか?」
トランクスの背後でクロノアがオゾットに変態する。
「時の界王神様も何か——」
オゾットがトランクスを横へ薙ぎ払う。
「うわああああ!」
吹っ飛んでいくトランクス。
「バレてしまっては仕方ないですねえ」
「クロノアを返せ」
「嫌ですよ」
俺はパンを見る。
「パン、トランクスを頼む」
そう言った後、オゾットに向き直る。
パンはトランクスが飛ばされた方へ向かっていった。
「なら、貴様を倒してクロノアを取り戻してやる」
俺は構えを取った。
オゾットも構えを取る。
「行くぞお!」
俺はオゾットに迫る。
オゾットは俺の攻撃をいなし、カウンターを繰り出した。
「ぐお!」
吹っ飛ばされる。
そこへ追い討ちをかけにくるオゾット。
オゾットの乱打が俺を襲う。
こいつ、先ほどは大したことなさそうな気だったのに、クロノアを吸収した途端に強くなったか。
「一つ聞く。お前は魔界の産まれか?」
「それがどうしました?」
「兄弟を攻撃するのか?」
オゾットの攻撃が止まる。
「はい?」
「俺もマーバに作られたのだよ」
「なんですって?」
「オゾット、クロノアを返せ。クロノアを利用せずともお前も強くなれるはずだ」
「嫌だと言ったじゃないですか」
「聞き分けのない兄だな」
仕方ない。
俺は刻蔵庫へ駆けった。
「どこへ行くつもりですか?」
「ちゃぶ台をひっくり返す」
「どう言う意味ですか?」
刻蔵庫に入った俺は巻き物を手に取る。
その巻き物には、クロノアがオゾットに吸収される瞬間が映り込んでいた。
俺はその巻き物に飛び込み、クロノアが吸収されそうになっているところに割って入る。
「クロノア!」
オゾットがクロノアに覆い被さる寸前、俺はクロノアを捕まえてオゾットの吸収をかわす。
「なに!?」
「ちゃぶ台をひっくり返しにきた」
「あなた、時間を巻き戻したのですか?」
「クロノアを吸収されては困るんでね。というか、あんた悟空に倒されたはずだ」
「消滅の前、何者かによって助け出されたのですよ」
「何者か?」
クロノアが疑問符を浮かべている。
「その何者かについて、覚えている限りのことを聞かせてもらおうか? その後に貴様を破壊する」
「面白いですね。いいでしょう。全力で相手をしましょう」
オゾットが突っ込んでくる。
俺はオゾットの腹部に拳をねじ込んだ。
「ぐえ!」
「は!」
俺はオゾットを地面に叩きつける。
「てんで大したことねえな。クロノアを吸収する前と後ではこうも違うのか」
オゾットは激痛に悶絶している。
「失せろ。二度と戻ってくるな」
俺はオゾットの存在を破壊した。
「助かったわ、コソット様」
「結局聞かなかったな、何者かのこと」
「そのうちわかるわよ」
「クロノア、ドラゴンボールで吸収された者たちを戻してやってくれ」
「わかったわ」
クロノアが事前に集めていたドラゴンボールで吸収された者たちを復活させた。
俺はことの成り行きを見送ると、元の時間軸へと戻った。
巻き物の中で行ったことは、元の時間軸にも反映されている。
俺はクロノアの元に移動した。
「クロノア……だよな?」
「コソット様、どうしたのよ?」
「よかった。ちゃんと変えられたんだね」
「何を?」
「クロノアがオゾットに吸収された未来を変えてきた」
「え? じゃあ、あれ未来から来たあなただったの?」
「ああ」
「時の界王神としては、看過できない行為だけど、助けてくれたわけだし、今回は多めに見るわ」
「時の界王神様ー!」
と、トランクスがやってくる。
その後ろにはパンの姿もある。
「救出できたんですね?」
「トランクス、お前記憶が?」
「え?」
「オゾットに吹っ飛ばされたの覚えてる?」
「ええ。時の界王神様がオゾットに吸収されて、そのオゾットが時の界王神様に化けていて……」
「どう言うことだ。歴史改変の影響を受けていない?」
俺の疑問にクロノアが答える。
「時間管理に携わるものは歴史改変の影響を受けないのよ」
「なるほど」
納得。
「え、てことはクロノアも吸収をされたことを覚えている?」
「いや、私は吸収される寸前に助けてもらってるわ」
「そうだよなあ」
「ま……そんなことどうでもいいじゃない」
「そうだな。クロノアがこうして無事だから別にいいか」
一堂が笑い声を上げる。