刻蔵庫。
巻き物が一つ、禍々しいオーラを放っている。
巻き物には、二人のサイヤ人が地球にやってきて、悟空たちと戦っているところが映っている。
状況は劣勢だった。
何らかの不思議な力により、二人のサイヤ人のパワーが増幅している。
俺は巻き物に飛び込み、戦場に介入する。
「何だあ、貴様?」
と、ナッパが疑問符を浮かべる。
「通りすがりの神様だ、覚えとけ」
「神様だと? 笑わせやがって。どうやら貴様から殺されてえようだなあ」
ナッパが攻撃をしかけてくる。
俺はナッパの攻撃をかわし、カウンターを浴びせる。
「ぐっ!」
怯むナッパ。
「て、てめえ……」
「時間が惜しいんでさっさと終わらさせてもらう」
俺は目にも留まらぬ速度でナッパを蹴り上げ、追い討ちかけて叩き落とし、地上に先回りして落下してきたナッパの背中を手のひらで受け止めた。
「ふん」
ナッパを放り投げる。
「ぐっ……ベ、ベジータ……」
ベジータはナッパの手を掴むと、上空へ放り投げた。
「動けないサイヤ人など必要ない!」
ベジータは気功波をナッパに向かって放った。
「ベ、ベジータアアアア!」
ナッパは気功波で粉々になり消え去った。
「容赦ないなお前」
「足手纏いだからな」
俺は一瞬でベジータの懐に潜り込んで腹部に拳を叩き込んだ。
「ぐおっ! うおわ!」
ベジータは腹を押さえてよろめく。
「く、こうなったら醜くて嫌だが、大猿になって踏み潰してやる!」
ベジータがパワーボールを作り出すと、空中へ投げ飛ばした。
「弾けて混ざれえ!」
次の瞬間、ベジータの体に異変が現れる。
俺は気の剣を作り上げると、ベジータが大猿になる前に尻尾を切り落とした。
「は!? 俺の尻尾が!」
ベジータの異変が止まる。
「貴様の大猿化を阻止させてもらった」
「貴様ああああ!」
いきりたったベジータが襲ってくる。
俺は軽い身のこなしでベジータの攻撃を
「な、なぜだ!? なぜ当たらない!」
「お前の動きがスローに見えて退屈だぜ」
「なめるなああああ!」
ベジータが気弾を乱撃してくる。
あたりに砂塵が立ち込め、俺の体を包み込む。
ベジータは息を切らしていた。
「こ、このぐらいやればいくらなんでも立ってられまい」
砂塵が晴れる。
「なに!?」
俺は無傷で立っていた。
「気はこうやって使うんだ!」
俺は両手を腰の横で構える。
「かーめーはーめー波ああああ!」
気功波がベジータを襲う。
「うおわああああ!」
ベジータは吹っ飛び、ボロボロになって倒れる。
「くっ……おのれ。こ、この俺が……逃げ帰ることになるとはな」
ベジータはリモコンで宇宙船を呼び出すと、
弱っているから乗っ取るなら今のうちだが、手の内はまだ出したくないしな。
ここは潔く身を引くか。
刹那、物陰から気配を感じた。
「誰だ!?」
気配が遠ざかる。
「待て!」
俺は気配を追う。
気配に追いつく。
その正体はミラだった。
「ミラ……」
「なぜ俺の名を知っている?」
「貴様がトワの作った人造人間であることは知っている」
「トワのことも知っているとはな」
「つまらないぞ」
「何を言っているんだ?」
「いや、なんでもない」
「ふん。今日は挨拶だけだ」
ミラは煙幕を張って姿をくらました。
「逃げたか……」
俺は刻蔵庫へ戻った。
「お帰りなさい。歴史が少々変わってしまったみたいだけど、まあ悟空くんたちはピッコロくんを生き返らせるためにナメック星に行くみたいよ」
「なあ。悟空がラディッツの時に死ななかったから、ドラゴンボールがナメック星にあるのをどうやって知ったんだ?」
「ベジータくんが言っていたのよ。ピッコロくんはナメック星人だと。それを聞いたクリリンくんが、悟空くんにピッコロくんを生き返らせられるかもしれないと助言したんだわ」
クロノアの発言の後、トランクスが口を開いた。
「しかし、あのミラとは何者なんですかね? トワとかいう得体の知れない奴が作った人造人間だと言ってましたけど」
「ダーブラの妹だよ」
「え、あのダーブラのですか? と言うことは、魔界から?」
「俺の産まれた魔界出身だ」
「何ですって!?」
「言ってなかったか?」
「聞いてないですよ!」
そんなことよりも、とクロノアが口を開く。
「コソット様、お腹空かない?」
「ああ、ちょっと空いてるかも」
「じゃあまた私が手料理を振る舞ってあげるわね」
だがトランクスが慌てて止める。
「だ、ダメですって時の界王神様!」
「何が?」
「いや、時の界王神であろうお人が他人のためにお料理なんて作ることないですよ! 料理なら俺の知り合いのシェフに作らせますから」
「うるさいわね! 私が作ってあげたいから作るのよ!」
「そんな! コソットさんに食べさせたらお腹壊しますって!」
「言ったわねえ!?」
俺は頭を抱える。
「トランクス、俺はクロノアの手料理が食べたいから邪魔をするな」
「え? 正気ですか?」
「クロノアの手料理、美味いぞ」
「食べたんですか? あの腹を壊すほどのクソ不味い料理を?」
「お前、味音痴なのか? クロノアの作るご飯なら毎日食べてもいい」
「なんてことだ。あの料理を平気で食べられる人がいるなんて。しかも美味しいと」
「クロノアの手料理って不評なんだな……」
俺はクロノアが少し可哀想に思えた。
刻蔵庫を出て時の巣に移動する。
キッチンでクロノアが一生懸命に料理をしていた。
「できたわよー」
クロノアが手料理をテーブルに並べる。
「今日はこの間覚えた炒飯を作ってみたの。食べてみて?」
「ああ」
俺はクロノアの炒飯を口に運ぶ。
「こ、これは!?」
あまりの美味しさに頬っぺたが落ちそうだった。
「どうお?」
「美味しいよ」
「本当に!? 作った甲斐があったわ!」
トランクスをスプーンで炒飯を
「おえ!」
吐き出した。
「不味い……」
「トランクス、食うならちゃんと食え」
「む、無理です……」
クロノアが炒飯をもう一品出す。
「トランクスの分も作ってあるのよ」
「え!?」
「よかったなトランクス。残さず食べろよ?」
「そんなあ……」
トランクスは不味いのを我慢してやっとの思いで炒飯を食べ切った。
「う……気持ち悪い……」
今にも吐きそうなトランクスであった。