天界へとやってきた。
「おい、デンデ!」
「ぱ、パンちゃん? なんかキャラが変わってるような……」
「うるさい! ドラゴンボールはどこにある!?」
「ど、ドラゴンボールは祭壇に戻しましたよ」
「究極ドラゴンボールのことじゃねえ。地球のドラゴンボールはどこだ?」
「ああ、それなら悟空さんが小さくされた後に、カプセルコーポレーションに移動させましたよ。ここですと、連中に使われそうなので、ベジータさんのいるところで保管してもらった方が安全かと思いまして」
なるほど。
俺はカプセルコーポレーションへと急行する。
「なあ、おめえ何がしてえんだ?」
俺を追尾する悟空が訊ねてくる。
説明するか、ことの顛末を。
だが、信用してくれるのであろうか。
「おめえ、根っからの悪いやつじゃねえんだろ? やってることが中途半端なんだよ」
説明してやるか。
「俺の体はベビーだ。だが、俺はベビーであってベビーではない」
「ベビーだけどベビーじゃないだって?」
「俺の意識は別の世界から転移してきて、気が付いたらベビーになってたんだ」
「別の世界? それって、未来のトランクスがいる世界みたいなもんか?」
「いや、それとは違うが、まあ、似たようなもんじゃねえか?」
「ふーん。みんなの体からは卵を叩き出せるんだろうな?」
「天界にある超神水を使え。それで元に戻る」
「超神水か。後で使ってみるよ」
俺と悟空はブルマの家に到着した。
「お前、いつまでついてくる気だ?」
「おめえ、さっき超なんとかゴッドって言ってただろ?」
「超サイヤ人ゴッドな」
「そうそう。その超サイヤ人ゴッドってのがなんなのか知りてえんだ」
「超サイヤ人ゴッドは五人の正しい心を持ったサイヤ人が一人のサイヤ人にパワーを注いで誕生する超サイヤ人の進化形態だ」
「そんな形態があんのか」
「神の領域だからな。それはとても強い。だが、超サイヤ人ゴッドをもってしても、敵わないほど上には上がいるからな」
「本当かよ。上には上がいるんか」
「この宇宙にはビルスとかいう破壊神がいる」
「ビルスだって?」
「ああ。お前より強い」
「オラ戦ってみてえなあ」
戦闘狂が……。
ブルマの部屋に入る。
だが、ブルマはいなかった。
「おい、ブルマ! どこにいる!?」
俺はブルマを探す。
シャワールームから明かりが漏れていた。
「ブルマ!」
シャワールームを開け放つと、素っ裸のブルマがシャワーを浴びていた。
「べ、ベビー様!?」
ブルマが顔を赤らめる。
「って、孫くんのエッチ!」
ブルマが洗面器を悟空の顔面に投げつけた。
「痛!」
悟空が額を押さえる。
「ブルマ、ドラゴンボールを預かっているだろう?」
「この状況で?」
俺は頬を赤らめる。
「す、すまん。出直す」
俺はリビングでブルマが出てくるのを待つ。
「お待たせしました、ベビー様」
服を着たブルマが七つのドラゴンボールを袋に入れて持ってきた。
「ブルマ、早速だが、神龍を呼び出してくれ」
俺たちは屋外に出る。
「いでよ、神龍。そして願いを叶えたまえ」
ブルマがそういうと、ドラゴンボールが輝きだして、神龍が現れた。
「さあ、願いを言え。どんな願いでも三つだけ叶えてやる」
悟飯を殺しちまってたなあ。
「悟飯を生き返らせてやってくれ」
「それはできない」
「なぜだ?」
「生きてる者を生き返らせるのは不可能だ」
「生きてるだと?」
「界王神界というところにいる」
キビト界王神、ナイス!
「悟飯を呼び出すということでよいか?」
「いや、それは後でいい。悟空を元の体に戻してやってくれ」
「それはできない」
「それもダメなのか!?」
「悟空を小さくしたドラゴンボールは私の力を超えている。悟空を戻したければそのドラゴンボールを使え」
「じゃあ、悟空を超サイヤ人ゴッドにできるか?」
「それは可能だが、私の力ではできない。超サイヤ人ゴッドは五人の……「ああ、いいよ。そのうんちくは知ってるから」
「……………………」
黙り込む神龍。
「ちなみに、悟空を超サイヤ人4に覚醒させたりはできないよね?」
「たやすいことだ」
「何!?」
神龍の目が光ると、悟空の気が膨れ上がり、超サイヤ人4に姿を変えた。
「こ、これは……?」
「一つ目の願いは叶えてやった。二つ目の願いを言え」
「二つ目の願い、か」
これと言って叶えるものがないなあ。
「さあ、早く二つ目の願いを言え」
五人のサイヤ人だよなあ。
ベジータ、悟飯、悟天、トランクス、パン、ブラ……五人以上いるじゃねえかよ。
あー、でも舐めプする悟飯には頼りたくないよなあ。
最悪、悟飯なしでも五人いるな。
「わりい、神龍。今の一つだけでいいや」
「そうか。では、さらばだ」
神龍は消え去り、ドラゴンボールが七方に飛び散った。
「よし、超サイヤ人ゴッドを作り上げるぞ」
「けんど誰がなるんだ?」
超サイヤ人4を解いた悟空が訊ねる。
「そんなの決まってるだろ。この俺様だ」
「おめえサイヤ人じゃねえだろ」
「何を言ってる。俺はれっきとしたサイヤ人のパンだ」
「いや、おめえベビーじゃねえか」
「あ、そうだった。あ、でもなれるんじゃねえか? お前が大猿飛び越して4になっちまったくらいだから」
「どうでもいいけどよ、パンに体返してやってくれよ」
「あ……」
俺はパンの体から離脱した。
「もういいんですか? ベビー様」
「ああ、もういいよ」
「私の体では不満ですか?」
「いや、そういうわけじゃないけど……。ところで、パン? お前は超サイヤ人にはなれないのか?」
「私が超サイヤ人にですか?」
「そうだ」
「私は弱いから……」
「お前はお前が思ってるほど弱くはないぞ。そうだなあ……まずは、お前の超サイヤ人化を目指すか」
俺は悟空を見やる。
「頼んだぞ」
「オラが?」
「パンを鍛え上げるならお前が適任だと思ってな」
「パンを正気に戻していいなら」
「嫌よ。私、ベビー様のしもべのままがいいわ」
「パン……」
落胆する悟空。
「そういうことだ。任せたぞ」
「まあ、いっか。おめえ、悪い奴じゃねえみてえだし」
行くぞ、とパンを連れ出す悟空。
「おい、界王神! どうせ水晶玉で見てんだろう!?」
老界王神はびっくりしていることだろう。
「そういうことだから、悟飯をこっちに連れ戻してくれ!」
そこへキビト界王神と悟飯が現れた。
「話は聞かせてもらいました」
と、キビト界王神が口を開いた。
「あなたは、転生者なんですね」
「転生者?」
「時々あるんですよ。異世界から意識が転移して、こちらの世界の誰かに乗り移ってしまうことが」
「それで、乗り移った相手の意識はどうなる?」
「その意識は天に召されると聞いたことがありますよ」
「ほおう。ならベビーは死んだということか」
その時、脳裏に声が響いた。
「おーい、聞こえるかー?」
「誰だ?」
「わしは北の界王じゃ」
「界王?」
「お前さん、キビト界王神様と一緒にこっちへ来れんか? 今、地獄が大変なことになっておってな。エンマ大王様が至急をお前を呼びたがっているんだ」
「もしかして、ベビーの魂か?」
「そうじゃ。ベビーが地獄で暴れておるんじゃ」
やれやれ。
「頼む」
キビト界王神が俺の肩に手を置いた。
「カイカイ」
俺とキビト界王神が北の界王の元に瞬間移動した。
「よく来たな」
「面倒なこと起こしてくれやがって」
「お前さん、名はなんと言うんじゃ?」
「面倒くさいからベビーでいいよ」
「そうか? なら、ベビーよ。ひとっ走り地獄へ行って、ベビーを叩いてきてくれんか?」
「いいけど」
「気を付けるんじゃぞ」
「奴の能力はこの体になった俺が一番わかっている」
「そうじゃったな」
「では、近くまで送ります」
キビト界王神が俺を連れて地獄に瞬間移動した。