新生紀日本国召喚   作:空気の破壊者

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第八話『ロウリア戦後処理』

◆◆◆

西暦2019年

日本国 第二新東京市 松本 国連本部ビル秘密会議室

 

 この会議室には現在、日本政府、国連、ネルフJPN、日本重化学工業共同体、U.N.Cという各巨大組織の代表や重鎮が円卓のテーブルに座っている。なぜこのような錚々たるメンバーが集まっているのか…それはロウリアとの戦争が終結し、今後の方針を決定していくためである。

 

「さて、今回の議題は例の動乱の件か。」

 

 日本の内閣総理大臣はロウリアとクワ・トイネの戦争について話し合いを始める。

 

「我々初の異世界での戦闘……戦自と国連軍は当然として、エヴァの戦力投入も上手くいったようだな。」

 

 ネルフJPN総司令、葛城ミサトは総理のその言葉に反応した。

 

「…あぁ。ドラゴンによって0・0エヴァに軽度の損傷したようだがな。」

「まさかあのドラゴンに我々国連軍の重VTOLが2機も撃墜されるとはな。早急に異世界の生物も対策せねば…」

 

 国連事務総長はドラゴン、ひいては異世界の生物への今後の対策について考えを巡らせる。

 

「それに加えてロウリアに観戦武官を派遣していた『パーパルディア皇国』という国家も気がかりだな。」

 

 戦自から上がって来ていた報告書を見ながら、日本の総理は呟く。

 

「……ところでネルフからの報告書を見ましたが、我々と同じく異世界人からもブルーパターンを一瞬認識したらしいですね。」

 

 異世界転移に伴い、外資系企業が統合された一大グループであるU.N.CのCEOはネルフの報告内容に興味深く頷きながら、言葉を投げかけた。

 

「つまり、この異世界にも使徒やゼーレのような存在がいる……そうですな?葛城総司令」

 

 日本重化学工業共同体代表はミサトに確認する。

 

「…ええわ我々と同じような人類が存在している…つまり創造主たる旧世界の神と同等の存在がいてもおかしくはないわ。」

 

 総理は眉をひそめながらも、次の推測を述べた。

 

「…ん?ゼーレや使徒と同等の存在がいるならロデニウス各国の軍事力強化は急務では?」

 

 総理のその問いにミサトは静かに答えた。

 

「ネルフが発案した新たなる脅威への対抗策、それこそが"アルマ計画"です。」

 

◆◆◆

中央暦1639年5月 

クワ・トイネ公国 公都クワ・トイネ

 

 クワ・トイネ公国の公都、クワ・トイネにはロウリアとの戦争の講和会議のため、日本、クワ・トイネ、クイラ、ロウリアの四カ国と国連、ネルフJPNから代表者が集結し、講和条約が締結されたところだった。

 

1.ギムでの虐殺に対する賠償金

2. ロウリア軍の軍備制限

3.クワ・トイネ公国に国境地帯を割譲

4.締約国どうしの捕虜返還義務

5.国連によるロウリアの民主化及び政治体制の10年間の監視

 

 これら五つが盛り込まれたクワ・トイネ条約が締結された。

 

「これでロデニウス大陸に平穏が訪れる……」

 

 クワ・トイネ公国首相であるカナタやクイラ王国の外務卿などが安堵の声を上げる中、国連の代表が発言する。

 

「……我々から一つ提案があるのですが、よろしいでしょうか?」

「なんでしょうか?」

「あなた方には我々がいた世界で、世界平和と人類繁栄を理想に掲げる国際組織、『国際連合』に加盟していただきたい。」

 

「なるほど……素晴らしい試みですね。我が国も是非、参加させてもらいます。」

 

 日本代表の提案に、カナタが好感を示すと、クイラやロウリアも同調した。

 

「そして、加盟に際して、クワ・トイネとクイラ、そしてロウリアの三カ国の軍は国連軍に編入していただきます。」

 

 この国連代表からの提案には異世界側は騒然となる。軍隊の指揮権を国際組織に委ねるなど、彼らの常識からは考えられないからだ。

 

「しかし、それほどの措置を取らなければ我々人類は団結できず、"奴等"には勝てません。」

 

「「「奴等……?」」」と、国連代表の言葉に彼らは疑問を抱く。

 

「ここからは我々国連ではなく、ネルフの代表に説明させます。」

 

「私はネルフJPN総司令、葛城ミサトです。奴等………使徒とゼーレのことです。この場で簡単に説明させていただきます。」

 

 疑問を持った彼らにミサトは咳払いをして、使徒とゼーレについて説明を始める。

 

「"使徒"……生命の実を持ち、悠久の時を生きながらえる謎の生命体。我々、人類とは隔絶した力を持っており、敵です。こちらの世界の人に分かりやすく例えるなら……そうね。ハーク城に襲来したドラゴンと似たような生命体よ。」

 

ミサトの言葉と共にプロジェクターによって使徒の姿とその所業が投影される。

 

 光線で山一つ吹き飛ばす使徒、800m以上もある宇宙から落下する使徒、影で全てを飲み込む使徒、ニホンの巨大構造物を光の一撃で破壊する使徒。まるで神話のような光景だ。

 

「……なっ?!」

 

 その映像を見た異世界側、特にロウリアの宰相、マオスは先日に襲来したドラゴンと巨人が戦い、王都の壁が融解する様子を思い出して、思わず身震いしてしまう。

 

「次に"ゼーレ"ですが…彼らがしたことを端的に説明すると、人類文明を築く前の太古代から存在し、黒の巨人の命に従って"人類の魂の浄化を行い、完全な存在へと至ること"を目論む組織です。そして、その浄化が失敗すると、全てをやり直すために世界ごと滅ぼす……まるで神の代行者よ。」

 

「そのような存在が?!」

 

 彼らにとっては使徒だけでも信じ難い話だが、日本、国連、ネルフの者の真剣な眼差しが彼らに説得力を持たせた。

 

「こちらの映像をご覧ください。」

 

 地形が変わるほどの激戦だったトーヴァートとロシア・ユーロ連合軍の戦闘やヨモツヒラサカ新島戦で島を引っ張る黒の巨人と阻止しようとする光の巨人の戦いが映し出されると異世界側は完全に黙り込んでしまった。

 

 沈黙が流れる中、クイラ王国の代表が動揺しながらも問いかける。

 

「そ、それはあなた方のいた世界"だけ"の話ではないのですか?」

 

 当然の質問であった。使徒も、ゼーレも、所詮は日本がいた地球世界での出来事であり、この世界も同じとは限らないからだ。

 

「この世界の人類からも"ゼーレに仕組まれた存在"である我々と酷似した遺伝子パターンが調査した結果、出ています。この世界でも同じように"仕組まれている"可能性は高く、この世界が我々の世界と違うという保証はどこにもありません。」

 

「その"いでんしぱたーん"とやらは分かりませんが、いずれにせよあの竜のような脅威がある以上は編入されるべきでしょう。国連に加盟すればニホン国が兵器の供与等もしてくれるのでしょう?」

 

「はい、我々日本と国連が兵器供与と指導を行い、軍事力を強化します。」

 

 カナタの確認に日本代表が答えた後、ミサトは三国にネルフの要求を伝える。

 

「そして、使徒やゼーレ、もしくはそれに似た存在を調べるために、我々ネルフに神話や遺跡、遺物の調査と管理する権限を委譲してもらいます。」

 

 異世界の代表者たちは、真剣な面持ちで話を聞きながら、それぞれの役割と今後の展望について思案し始めていた。





次回は8月16日に投稿します。

そういえば、メタルビルドの弐号機かっこいいですねぇ。近未来的な雰囲気がたまんない。金ないので買えませんけど…
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