本作では初登場のグ帝、本作ではどのような行動を取るのか……
第二文明圏外の西方に、日本やネルフとも違う、異界から転移した国家がいた。彼の国の名はグラ・バルカス帝国、通称は第八帝国だ。
グレートアトラスターがレイフォルで伝説を作っている頃、第八帝国の情報局ではロデニウス大陸に送っていた諜報員からの報告がちょうど届いたところであった。
「局長、ロデニウス大陸の情報について新たな報告が届きました」
「内容は?」
情報局の局長室のドアを開けて入ってきた部下の話を聞きながら、局長は帝国が新たに獲得した植民地産の豆で作ったコーヒーを口に含む。
「ロウリア王国のクワ・トイネ公国及びクイラ王国への侵攻は日本国、ネルフ、国連の介入により、失敗に終わったとのことです。また、ロウリア王は生死不明であり、王国は国連の監視下の元で民主改革が行われているようであります」
「ブフッ……何だと!?それは本当か?!」
部下からの報告を聞いた途端、あまりの衝撃で局長はコーヒーを吹き出してしまった。
「はい、本当のようです」
「我々の分析では、ロウリアの圧勝で、大陸全てがロウリアになるはずだったが……?それらの国は聞いたことが無いな。詳細はあるか?」
蛮族とはいえ、大陸一の軍隊を持つロウリアを下した国の軍だ。そのような未知に対して、情報局の者として好奇心が高まるのは必然であった。吹き出したコーヒーを拭き取りながら部下の話を注意深く聞く。
「ロウリアの4000隻以上の大艦隊の損害なしでの撃破、そして……にわかには信じがたいですが、120m級と60m級の巨人を使役していたと……」
俺が聞いたのがバカだった。全く……と呆れたような顔で情報局長は茶化す。
「はぁ?巨人による戦闘……?現場に有給を取らせた方がいいんじゃないか?」
「私にそう言われましても……」
「……まあいい、情報精度は後に再調査させろ。それより、彼らは技術的にはどの程度だ?固定翼機や戦艦の確認は?」
どうやら巨人の話で興醒めてしまったようで話題を変えてきた。部下が差し出した写真の中にいたのは、工業都市ビーズルで撮影されたロウリアを占領中の国連軍所属の重VTOLだ。
「なかなか突飛な機体だが、厄介そうだな……」
「どうやら、垂直離着陸が可能なようであり、陸上部隊の支援や電撃戦に使用されているのが確認されました」
たしかに、固定翼の航空機としてはなかなか突飛な見た目だが、その機動力や汎用性を活かした各種部隊への柔軟な支援や電撃戦への応用は、どこか、帝国陸軍の戦術と通ずるものがあった。
「……まあ、陸軍なら物量で押し潰せる。大した問題ではないだろう」
「しかし、問題はコイツです」
「うん?」
そう言って、部下からもう一つ差し出された写真にはグラ・バルカスの人間なら別の戦艦に見えるであろう、日本国戦略自衛隊の"護衛艦やまと"の姿があった。
「……グレードアトラスターじゃないか?!どうして、日本国が?!」
情報局長は面食らった様子だ。まあ、自国の最新鋭艦と瓜二つの戦艦が遥か東方の異国が持っているのだ。当然の反応だろう。
「私も送られた時は驚きましたが……我々のとは、ところどころ違うようです。しかし、このグレードアトラスターもどきは我が国の脅威になり得ます」
彼らの脳内での各国の評価が日本、国連、ムー、ミリシアルの順となった瞬間であった。
「ふむ、これは海軍に情報提供せねばな……日本国は要警戒だ。もっと情報を収集しろ」
「了解致しました。海軍にはそのように。では、失礼致します」
その後、この情報を得たグラ・バルカス帝国軍は、日本や国連を仮想敵とした、ある計画を始動させることとなる。
次回は9月15日に投稿します。