新生紀日本国召喚   作:空気の破壊者

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第六話『エジェイ救出』

◆◆◆

中央暦1639年

クワ・トイネ公国 ダイタル平野

 

 異世界の平原にて戦自の緑を基調とした飛行機械が列をなして飛んでいた。

 

「おお…あれが!」

 

 その飛行機械の名はYAGR-3B、通称『重VTOL』だ。そして、それらに乗っている戦自の隊員達が見ているのは戦自の四式統合機兵『あかしま』、60m級のその機械仕掛けの巨人が放つ圧倒的な存在感に彼らは感嘆していた。

 

「あかしまはやっぱりすげーな…あんな大きいのに空を飛べるなんてな。」

「なんでも、グランドエフェクトで飛んでるって話だ。普通ならあの重量じゃ、すぐ落ちても不思議じゃない。」

 

 彼らがあかしまを眺めて雑談していると作戦開始の合図が発令された。

 

『これよりエジェイ救出作戦を開始する!各員、戦闘用意!』

 

「よし!行くぞ!」

 

◆◆◆

クワ・トイネ公国 城塞都市エジェイ

 

「クソ!またやられた!」

「騎士団長!もう無理です!」

 

 各防衛線から悲鳴が上がり、門からロウリア軍が怒涛の勢いで入ってくる。彼らとクワ・トイネ軍が激突する中、彼らが聞いた事のない爆音が戦場に轟いた。

 

ヒュォォォォォン!

 

 突如、遥か彼方から光の矢が飛来し、ロウリア軍陣地へと着弾。その衝撃と爆破により、ロウリア兵は吹き飛んだ。

 

「なんだ?!」

 

 それを見た将軍ノウがエジェイの東、ダイタル平野を見てみると大量の鉄でできた火喰い鳥とそれらの中に巨大な鉄の船が浮いて飛んでいるのが……いや、その鉄の船はだんだんと形を変え、巨大なゴーレムとなり走り始めたのが見えた。

 

「なんだ?!あれは…」

 

 彼が驚いていると、そのゴーレムは左腕部についているガトリング砲を陣地に向けて発射し、その大火力でロウリア軍を吹き飛ばした。

 

 次いで先ほどの鉄でできた火喰い鳥から緑の衣装をした人々が現れた。その光景にクワ・トイネ側もロウリア側も驚いて動きが止まっている。すると彼らは細長い棒を取り出し、光の弾を放った。

 

「撃てぇー!」

 

ババババババババババ!

 

「ぐぁぁぁぁぁ!」

「バ、バケモノだぁ!逃げろー!」

 

 この熾烈な攻撃により、ほとんどのロウリア軍が逃げ始めているが、外に出ても光の矢や巨大ゴーレムに殺されてしまうのは誰が見ても明らかであった。

 

 ロウリア軍は日本国戦自の攻撃によってエジェイの要塞からは掃討され、外にいる敗残兵はロウリア方面へと逃げようとしたが、彼らも巨大ゴーレムに踏み潰された。

 

「お前達は何者なんだ?」

 

 突如として現れた得体の知れない集団に将軍ノウはそう尋ねると彼らはバイザーを外して静かに答えた。

 

「我々は日本国戦略自衛隊です。あなた方を助けにきました。」

 

「あなたたちが……ニホン国」

 

 ノウが『ニホン国』がクワ・トイネ助けに来たことに驚愕していると突如としてどこからか爆音が聞こえてきた。

 

「なっ……?!」

 

戦自のYAGR-3B部隊はエジェイ郊外の山麓に陣取っていたロウリア軍を攻撃、これを殲滅した。その状況を門の内側から見ていたノウは衝撃のあまり、言葉が詰まってしまったが、一方で戦自隊員は呆れていた。

 

「やれやれ……重VTOLの連中は派手だねぇ」

 

 かくして日本の戦略自衛隊の活躍により、エジェイ救出作戦は成功した。

 

◆◆◆

 

 戦自のあかしまや重VTOLがエジェイのロウリア軍を蹴散らしている頃、国連軍第七師団と0・0エヴァはロウリア王国の首都のジン・ハーク中央に向かっていた。

 

 0・0エヴァは背中についている外装型S2機関が唸らせながらアレゴリックウィングに電力を供給することで3000トンを超える巨体を支えており、その姿はまるで天使のようだ。

 

 搭乗者は綾波レイNo.トロワ。彼女はネルフ本部がある箱根からの指示を受けて作戦に動き出したところだった。

 

『こちらネルフJPN、0・0エヴァは作戦行動を開始せよ。』

 

 トロワがコンソールを操作しながらレーダーを確認すると前方に100騎の敵を発見した。

 

「箱根CP、0・0エヴァ了解。前方に敵騎確認、殲滅を開始する。A.T.フィールドを遠隔で展開。」

 

 0・0エヴァは周囲を飛んでいる国連の重VTOLと連携を取りながらA.T.フィールドを敵騎との中間地点に展開した。

 

◆◆◆

 

 ロウリア王国竜騎士団長、アルデバランは100騎のワイバーンを連れてクワ・トイネへ攻撃を加えるため飛行している途中、地平線の向こうから超巨大な天使が向かってくるのを見た。その大きさは優に100mは超えている。

 

「おい!なんだあれは!!」

 

あれは敵……なのか?しかし、クワ・トイネにあんな巨大天使がいるとは考えにくいが…

 

 あれは敵なのか判断できずに疑問を抱くアルデバランはこちらにどんどん向かってくるアレに巨大な天使、ではなくひとつ目の羽根の生えた黄色い巨人という印象を持った。

 

「団長!あれは敵なのでしょうか?!」

「分からん!敵かもしれ……ぐわぁ?!なんだぁ?!」

 

 突如、先程まで穏やかだった風が強風を吹き始めたことでさすがの竜騎士でもワイバーンの制御が上手くいかない。

 

「このままだとこっちにアレが来ますよ!団長!」

 

 巨人は明からにロウリア本国へと向かってきており、アルデバランは覚悟を決めて竜騎士団に言い放つ。

 

「ええい!お前ら!あの巨人はこのままでは我が国へ来るぞ!だが俺たちで止めるんだ!半分はあの周りに飛んでいる鉄鳥を落とせ!」

 

「了解!」

 

 強風が吹き荒れる中、なんとかワイバーンの集団は速度と高度を上げ、黄色い巨人へとみるみる近づいていく。

 

「うおおおおおお!!」

「導力火炎弾放てぇ!」

 

 ワイバーンが火球を放ち、その火球は巨人に命中する…はずだった。

 

キイィィィィィィィン!

 

「何ぃ?!あれはまさか魔法障壁?!」

 

 ワイバーンの放った導力火炎弾はA.T.フィールドに阻まれエネルギーが低下、そして消失した。

 

「なにぃッ!避けられ…ぐわぁ?!」

 

ダダダダダダダッ!

 

 果敢に突撃していったワイバーンたちは次々と重VTOLの機関砲で堕とされていくが一部はワイバーンの翼が貫通したもののなんとか回避できた。

 

「ぐはぁっ…!お前ら…止まるんじゃねぇぞ……」

 

 しかし、竜騎士団長アルデバランはそう言い残し、彼のワイバーンと共に撃墜された。

 

「アルデバラン団長!!…団長の仇を討つ!うおぉぉぉぉ!!」

 

 彼の部下は叫び、巧みにワイバーンを操ってちょうど近くにいた重VTOLに突撃する。

 

「ぐっ…!」

 

 生物特有の不規則的、突発的な動きにその重VTOLは対応できずにいるとガゴン!という鈍い音が聞こえ、装甲が凹んでいるのが見えた。

 

「アルファ5、援護する。そこを動くなよ。」

 

ダダダダダダダッ!

 

 他の重VTOLの機関砲によってワイバーンは堕とされ、重VTOLは撃墜を免れたが。機体にはワイバーンの爪痕が残っていた。

 

「0・0エヴァ、こちら国連軍だ。全騎撃墜を確認、作戦を続行する。」

「0・0エヴァ、了解したわ。」

 

 この空中戦は一方的な結果に終わり、勝利した彼らはハーク城へ向かって飛び始めたのだった。





次回は6月21日に投稿します。

そろそろ幕間書き始めなきゃ。
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