スレイブエミヤと英霊エミヤ   作:晃晃

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赤黒い外套を纏った男

「はああっ!!」

俺はサイドから襲い掛かる闇を、新たに作り出した双剣で叩き斬る。

 

この剣と刀――まるで闇を討ち、祓うために生まれたかのようだ。

 

右手の黒の長剣は、アーチャーの干将に似た重厚さを感じさせ、一方、左手の白く輝く短刀は、強靭な鋼でできていて京香さんの日本刀を思わせる。二刀流の構えが、俺の動きを自然と導いていく。

 

「士郎!?」

京香さんの声が背後から響く。

 

「京香さん、今のうちに応援を呼んでください!こいつの足止めは俺がやる!」

 

彼女の姿は傷だらけだった。あの神の闇の力によるものだろう。

神は上空に舞い上がり、黒い球体を展開した。それは周囲の大地や風を飲み込み、歪めていく。

 

――この状況で、俺は動きを止めるわけにはいかない!

 

「黒渦巻」

 

轟音と共に暴風が俺を飲み込み、地面から完全に引き離した。けれど、この剣なら――この「俺自身」が具現化した武器ならば、あの闇を打ち破ることができる!

 

吸い込まれる勢いを利用し、俺は黒の長剣を構えた。そして、迷うことなく中心へ向けて突き刺した。

 

「うおおおっ!!」

 

刹那、闇の球体は形を崩し、吸い込まれた全てを吐き出す。その反動で、俺は空高く弾き飛ばされ、地面へ急落下していった。

 

「まずい!」

 

着地の方法を考える余裕もなく、地面が迫る。恐怖が体を貫いたその瞬間、背中に柔らかな衝撃が走る。

 

「大丈夫か?」

 

目を開くと、そこには京香さんがいた。俺を抱き止めてくれたのだ。

 

「京香さんっ!」

 

彼女の安堵の表情を見て、俺の胸が締め付けられる。応援を呼ぶどころか、自らの命を顧みず俺を助けに来たのだ。その事実が、俺の軽率な行動を深く反省させた。

 

「なんとか、あの球体は潰せたようだな。」

 

「はい!京香さん。」

 

だが、まだ終わっていない。神は倒れていないのだ。辺りを見回すが、その姿はどこにもない。

 

「おい、神はどこだ?」

 

――ドォォォンッ!

 

大地が大きく揺れ、空気が震える。その音が俺たちの鼓膜を刺した。

 

「地震か?」

 

京香さんが首を横に振る。

 

「いや、魔都に地震はない。誰かが地面を揺らすほどの攻撃をしたのだ。」

 

その瞬間、神が空高く舞い上がり、怒りの声を響かせた。

 

「なぜこいつがここにいる!」

 

視線の先を追うと、そこには見慣れない男の姿があった。

 

黒の装甲に赤いライン――それは呪いの渦と闇に包まれた姿だった。全身から溢れる異質な威圧感。

 

「次は誰だ!」

 

その一声が響いた瞬間、神の姿は上空へ吹き飛ばされ、視界から消えた。

 

俺たちは、恐る恐るその場所へ歩み寄る。新たな存在が現れたこの場面の意味を理解するために――。

 

 

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