壊理ちゃんの姉の空崎ヒナ   作:無者

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 壊理ちゃん視点で書いてみました。
 今回も楽しんでいただけると幸いです。


第二話 壊理の独白

私のお姉ちゃんは、いつも優しい目をしていた。

「壊理、おいで。」

お姉ちゃんの優しい手が、頭を撫でる度にとっても幸せな気持ちになる。

髪の毛はふわふわで、いつもお日様みたいな匂いがした。

でも、あの日、私は全部変えてしまった。

私が個性を制御できていれば、お母さんは私たちを見捨てる事は無かった。

私のせいでお姉ちゃんの幸せすら奪ってしまった。

なのにお姉ちゃんは変わらず私に笑顔を向けてくれた。

おじいちゃんに引き取られた後も、優しく私の事を撫でてくれた。

――けど、やっぱり私が原因で、この幸せも壊してしまった。

あの人が、私たち姉妹を閉じ込めた。

私は体を切り刻まれて、痛いと言ったらお姉ちゃんを傷つけると、そう言われた。

だんだんお姉ちゃんの顔から笑顔が消えて、疲れた様に笑うお姉ちゃんに胸が締め付けられた。

だから、この地獄を何とかしたくて、外に出た。

「どうしたの?大丈夫?」

そこで出会った人は、太陽みたいにキラキラしていて、眩しかった。

でも、すぐにあの人が来て、私は戻らなければと思った。

「では、我々は昼までにこの区画を回らないといけないので、行くよ!相棒。」

何となくだけど、この人たちはきっと、お姉ちゃんを助けてくれる――そんな予感がした。

「い、行かないで……!」

「――あの、この子、震えてますけど……。」

この人ならもしかしたら……そう思った。けれど

「――自分が何者かになれると、本気でそう思っている。」

あの人が、手袋を脱ごうとした瞬間、この人たちが殺されてしまうと思って、私は最後に、お姉ちゃんの事を伝えた。

「お姉ちゃんだけでも、助けて……。」

「待って!」

これでいい。お姉ちゃんだけでも助けられたら、私はどうなってもいいから、せめてお姉ちゃんだけでも――

 

だからお願い。

 

「来い、壊理ぃ!!」

怖くて、怖くてたまらない。でも、せめてこれだけは――

「分かった。でも、その代わり、お姉ちゃんを解放して!みんなを元通りにして!!」

絶対助けるから――お姉ちゃん。

 

 

このままじゃ、壊理だけが連れていかれる。

「そうだよなぁ!自分のせいで他人が傷つくより、自分が傷ついた方が楽だもんなぁ!!

――お前ヒーローは求められていないんだよ。」

壊理が泣いている。涙も、声も上げずに……

「それでも、そうだとしても、余計なお世話だとしても――君は泣いてるじゃないか!」

ふと、懐かしい記憶が蘇った。

『子供を守るのが、大人の義務だから。』

意識が朦朧とする。

でも、彼の言葉を聞いて試してみたくなった。

きっと、先生なら、この状況を何とかしてくれる。

 

 




 分かりにくいかもなので、一応解説です。
 最後の段落はヒナちゃん視点なので、壊理ちゃんでは無いです。
 ややこしくてすみません。
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