今回も楽しんでいただけると幸いです。
私のお姉ちゃんは、いつも優しい目をしていた。
「壊理、おいで。」
お姉ちゃんの優しい手が、頭を撫でる度にとっても幸せな気持ちになる。
髪の毛はふわふわで、いつもお日様みたいな匂いがした。
でも、あの日、私は全部変えてしまった。
私が個性を制御できていれば、お母さんは私たちを見捨てる事は無かった。
私のせいでお姉ちゃんの幸せすら奪ってしまった。
なのにお姉ちゃんは変わらず私に笑顔を向けてくれた。
おじいちゃんに引き取られた後も、優しく私の事を撫でてくれた。
――けど、やっぱり私が原因で、この幸せも壊してしまった。
あの人が、私たち姉妹を閉じ込めた。
私は体を切り刻まれて、痛いと言ったらお姉ちゃんを傷つけると、そう言われた。
だんだんお姉ちゃんの顔から笑顔が消えて、疲れた様に笑うお姉ちゃんに胸が締め付けられた。
だから、この地獄を何とかしたくて、外に出た。
「どうしたの?大丈夫?」
そこで出会った人は、太陽みたいにキラキラしていて、眩しかった。
でも、すぐにあの人が来て、私は戻らなければと思った。
「では、我々は昼までにこの区画を回らないといけないので、行くよ!相棒。」
何となくだけど、この人たちはきっと、お姉ちゃんを助けてくれる――そんな予感がした。
「い、行かないで……!」
「――あの、この子、震えてますけど……。」
この人ならもしかしたら……そう思った。けれど
「――自分が何者かになれると、本気でそう思っている。」
あの人が、手袋を脱ごうとした瞬間、この人たちが殺されてしまうと思って、私は最後に、お姉ちゃんの事を伝えた。
「お姉ちゃんだけでも、助けて……。」
「待って!」
これでいい。お姉ちゃんだけでも助けられたら、私はどうなってもいいから、せめてお姉ちゃんだけでも――
だからお願い。
「来い、壊理ぃ!!」
怖くて、怖くてたまらない。でも、せめてこれだけは――
「分かった。でも、その代わり、お姉ちゃんを解放して!みんなを元通りにして!!」
絶対助けるから――お姉ちゃん。
このままじゃ、壊理だけが連れていかれる。
「そうだよなぁ!自分のせいで他人が傷つくより、自分が傷ついた方が楽だもんなぁ!!
――お前ヒーローは求められていないんだよ。」
壊理が泣いている。涙も、声も上げずに……
「それでも、そうだとしても、余計なお世話だとしても――君は泣いてるじゃないか!」
ふと、懐かしい記憶が蘇った。
『子供を守るのが、大人の義務だから。』
意識が朦朧とする。
でも、彼の言葉を聞いて試してみたくなった。
きっと、先生なら、この状況を何とかしてくれる。
分かりにくいかもなので、一応解説です。
最後の段落はヒナちゃん視点なので、壊理ちゃんでは無いです。
ややこしくてすみません。