魔動戦記ガンダム リリカルなのは   作:無者

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 最近思うのは前書きに何を書くのかです。
 良く皆さん長い文章思いつくなぁ……と思いながら投稿しています。

 何気に本文が千字を越えないと投稿できないので、プロローグからすぐ一話に入ってます。読みにくかったらすみません。 


第一話 それはかつて、ガンダムと呼ばれた

 何も遮るものがない静かな平原。その中心にポツンと小さな家が建っている。

 その家のドアが開いて、少年が中からゆったりと出てきた。

 そして、空を見上げて、瞳を揺らす。その目に広がっていたのは、地面に落ちてきそうなほど、重厚感のある雲だった。

「なんだろう。嫌な感じだ。」

その言葉と同時に、遠くで雷が落ちる。少し経って、雨が降ってきた。僅かな間に土砂降りになり、滝の様に激しい勢いで降ってくる。

それは、少年の頬を伝う涙を一緒に洗い流していく

「なんで……こんなに悲しいんだ。」

 雨に濡れるのも構わず、少年は唯々空を見上げる。

「行かないと……」

 ぽつり、と呟く。その呟きは何を思ったのか。少年が空を見上げていると、緑のボールが転がってきた。

『ヒユ、行クノカ?ヒユ、行クノカ?』

 ヒユ……それが少年の名前だった。緑のボールは電子音で同じことを呟きながらパタパタと跳ねる。

「うん、行くよ。ハロ。」

ヒユは緑のボール、ハロを抱き、ポケットから白銀の懐中時計を取り出す。

「パンドラ、セットアップ。」

 少年がそう言うと同時に、少年とハロはその家から……世界からも、完全に姿を消した。

 

 

 二人の少女が郊外の廃墟で縛られている。一人は金髪の気の強そうな少女。もう一人は恐怖に震える黒紫色の髪の少女だった。その近くには、中年くらいの男性が複数人いた。屋根は骨組みだけが残っていて、

「ホントに大丈夫なんですか……?」

 眼鏡をかけたいかにも気弱そうな男に、その集団の中でも明らかに違う雰囲気の男が語り掛ける。

「なんだよ、ビビってんのか?新入り。もうやっちまったんだよ俺たちは……後戻りなんて出来やしねえ。それともこのまま察にしょっ引かれるか?」

 リーダーである男のその言葉に、男たちはそうだそうだと、同調しながら気弱そうな男を責め立てる。

「でも……。」

 それでも言いよどむ男にリーダーの男は銃を向ける。

「ひっ!?」

「うるせえなぁ。頭で煙草を吸いたくなきゃあ黙って従え。」

 眼鏡の男は何度も首を縦に振る。それを見て満足したのか、リーダーの男は銃口を下げる。

「わかりゃあ良いんだよ。俺らとしてもここで死体が増えんのは面倒なんだ。」

 「なあ、嬢ちゃんたち」と言って、男は二人の少女に向かってゆっくりと歩き出す。

「……」

 毅然とした態度で、真っすぐに男を睨む金髪の少女。

「なんだよ、つれない顔だねぇ。」

「……あんたたち、なんでこんな事すんのよ。」

 金髪の少女は、低い声で男にそう聞いた。

「まあ、そうカッカしなさんな。なんでって言われてもなぁ……強いて言うなら、金の為かな。」

 男は金髪の少女の顎をくいっと持ち上げる。

「身代金もそうだが、お前たちみたいに顔が整ったガキは、好事家どもに高く売れるんだよ。まっ、せいぜい長生き出来る事を祈るんだな。あいつら、興味が無くなったらすぐこれだからよ。」

 男は、親指で喉ぼとけをなぞる動作をする。

「最っ低!!」

 少女は心底軽蔑した表情で男を睨むが、それすら男を楽しませてるだけだった。

「なあ、お頭。ちょっと味見してもいいだろ?」

 男の背後から、小太り気味の男がリーダーの男に声をかける。

「ぁあ!?んなことして値段が下がったらどうする……いや、むしろこの前の客はそれで高い金を出したな。よし、壊れないくらいに加減しろよ。」

「さっすがお頭!」

 リーダーの男は二人の少女に向き直る。

「悪いな、あいつは変わり者だからよぉ。まあ、早いか遅いかの違いってことで。」

 そう言って、男は二人の下から去っていく。

 そして、少女たちと小太りの男だけになった。

「ぐへへ、こわくないよぉ。とっても、気持ちいい事だからねぇ。」

「いや!来ないで!!」

 紫の髪の少女に、その下種な手を伸ばす。

「あんた、やめなさい!!やるなら私から――」

 必死で叫ぶが、男がその手を止めることは無い。

 そうして、男の魔の手が少女の体に触れる――ことは無かった。

「ふぎぃ!!」

 豚の様な声を出して大きく吹っ飛んだ。その拍子に椅子を巻き込んで大きな音を立てる。

「なんだ?おい。」

 男たちは、その光景を見て吹っ飛んだ男の様子を見ている。それと同時に少女たちは後ろから、声を掛けられた。

「大丈夫ですか?」

 小さな、少女たちよりも年下に見える少年が、少女たちの縄をナイフで切った。それにより、少女たちは自由に動ける様になる。

「時間はありませんので、手短に言います。僕が入ってきたのはあの窓です。」

 少年が指を指す。その先には、割れた窓があった。窓は十字で区切られていたが、子供ならば通り抜けられる。しかし、まともに通れば二人とも傷だらけになるだろう。

「そのままでは危ないのでこの布を被っていってください。」

 取り出したのは、二枚の大きな布だった。これなら傷は最小限に抑えられるだろう。しかし、少女たち二人には、懸念があった。

「あの人たちに気付かれないで行くなんて無理だよ。」

「そうよ……それに、あいつら銃を持ってるのよ。下手したら撃たれて……」

 少年は立ち上がり、首元の懐中時計を手に取る。

「大丈夫。あの人たちは、僕が倒すから。だから、君たちは早く行って。」

 男たちは、ようやくこっちに視線を向けた。いつの間にか現れた少年の姿に困惑している。

少年は、二人を守る様に立ち塞がる。

「おじさんたち……痛い目に遭いたくなかったら、大人しくしてるんだ。

「おいおい、聞いたかよ。」

「ああ、痛い目に遭いたくなかったらだって?」

「ヒーロー気取りは痛い目を見るぜ!!」

「おい、坊主。悪いことは言わねえから、大人しくしてな。」

 口々に少年を馬鹿にする男たち。

「お前達は、僕が倒す。」

 それを聞いて男たちは腹を抱えて大笑いをした。

「ぎゃはははははは!!」

「おいおい、俺たちを倒すって?」

「おい、誰か教えてやれよ。世間知らずのおこちゃまによぉ!」

 口々に好き勝手に物を言う男たち。それを意に介さぬ様に少年は「早く行って」と二人に声をかけた。

「でも、あんたが!」

「そうだよ!逃げるなら一緒に!!」

「大丈夫、僕、結構強いよ。パンドラ、セットアップ」

 懐中時計を前に翳し、高らかに叫ぶ。

『Stand by ready.Set up.』

 電子音が響く。それと同時に眩い光がこの廃墟を包む。一秒、二秒、三秒……光が収まった時に、少年が立っていた場所には、白銀の一角のロボットが立っていた。

「なに、あのロボットは?」

 それは、背中のブースターから炎を噴き出し、すさまじい速度で男たちに突っ込んでいった。

 

 金髪の少女——アリサ・バニングスと月村すずかは、目の前の事態を呑み込めずにいた。

『コッチダ、ニゲロ!コッチダ、ニゲロ!』

 二人は声が聞こえて、吃驚して声の方を見る。緑のボールの様な物が飛び跳ねている。

「なに、こいつ。」

「分かんないけど……着いてきてって事かな?」

 緑のボールは飛び跳ねながら少年が言っていた窓の前で待っている。

 アリサ・バニングスと月村すずかの二人は、互いに顔を見合わせて頷き、意を決したように走り出した。

 二人が来るのを確認し、緑のボールは外に窓に飛び込んでいく。外から『布、カブレ!カブレ!カブレ!』と繰り返し、二人に語りかける。

「……私から行くわ。」

 アリサは布を被り、窓の隙間を抜ける。そして、地面にダイブすることになる「ぶぇ!」と小さく呻いた。

「よし、すずか!」

 鼻をさすりながらすずかが来れる様に手を差し出す。それを見て、すずかも布を被って外に出てくる。アリサが支えていたため、地面に激突することは無かった。

「よし、急いで助けを呼びに行かないと!」

「うん!急ごう、アリサちゃん!」

 二人は建物の外周を回り、唯一の出口である門の場所に急ぐ。

「あった!あそこ!?」

「そんな……。」

 しかし、その門は錠がかけられており、出るには梯子でもなければ無理な高さだった。

「どうしよう。」

 すずかがそう呟くと、アリサは何かを閃いたように手を叩いた。

「……そうだ!すずか、私が下になるから、踏み台にしてそのまま外に出なさい!」

 確かに、誰かが門を頼りに立てば、一人は外に出られるだろう。しかし、そうなると……

「……アリサちゃんは、どうするの。」

「私は残るわ。」

「駄目だよ!それなら私が――」

「あんた、体育得意じゃない!私が外に出たって、すぐに疲れて動けなくなる。でも、あんたなら、何処か電話のある場所まで行けるでしょ!」

「……」

「いい、こうしてる間にも、あの子が――」

 言葉は続かなかった。なぜなら、後ろでとてつもないほど、大きな音が聞こえたからだ。

「……私なら大丈夫よ。隠れるなりなんなり、いざとなったら金玉蹴り上げてやるわ。」

「分かった。すぐに戻るから、待ってて!」

 アリサは直ぐにすずかを自分の体に乗せて、すずかは門を越えることに成功した。

 そうして、すずかは正面を見据えて駆け出して行った。

 

 時は遡り……

「おい、なんなんだよこいつぁ!!?」

「やめろ、助けて――!?」

 一人でほぼ半数を制圧していた。十数人いた男たちは全て倒され、白銀のロボットは止まる。

「隙あり。」

 後ろから迫る凶刃は、真っすぐにロボットに向かう。しかし、後ろに目でもついているかのようにロボットはそれを弾き飛ばす。

「いやぁ。もしかして思ったけれど、君、魔導師なんだね。」

 

 魔導師

 それは、この世界……というより、次元世界と呼ばれる無数にある世界に存在する魔法を使う人の総称である。

 魔法を扱える者は、一握りの存在であり、大半は時空管理局と呼ばれる治安維持の組織が保有している戦力である。

 

 気弱そうな眼鏡の男が、いつの間にかロボットの背後に回っていた。そして、男はロボットに回し蹴りを放った。

(獲った)

 男はそう確信した。そして、吸い込まれるようにロボットの首元に足蹴りが炸裂する。

「……避けた?」

 炸裂する直前、ロボットが頭を下げる。それによって、当たる筈だった攻撃は空振りに終わる。

 ロボットは背中のブースターから炎を噴出し、男から距離を取った。

(僕の攻撃を避けるとはねぇ。これって必勝パターンだったんだけどね。)

 ロボットの顔の部分が開き、少年の顔が覗く。

「あなたは、何者ですか?」

その問いに対して、男は答える。

「おや、てっきり僕の事を捕まえに来た、時空管理局の魔導師だと思ったのだけれど、違ったのか。」

「僕は、あの二人が攫われるのを見てしまったから助けに来ただけです。」

 それを聞いた男は、ニヤリと笑ってポケットからカード取り出した。それは待機状態であるデバイスだった。デバイスは魔法を発動する為の演算を肩代わりする物だ。少年もこのデバイスを使っていた。魔法を使う際、デバイスが無くても発動は可能であるが、使用によりその精度は格段に上がる。その為、全ての魔導師はこのデバイスを使用する。

「フェイ。セットアップ」

 男がそう呟くと、男の服装が防弾チョッキの姿から、ブラウンのコートに切り替わる。バリアジャケットと呼ばれる魔法の一種だ。しかし、少年の纏うものとは、毛色が違い、普通の服と同じようなデザインだった。

「管理局でないなら、現地住民か?まあ、良い。それならそれで好都合だ。」

 男はリボルバー式の拳銃を取り出し、少年に向ける。

 少年は顔の部分を閉じて、相手の攻撃に備える。

「じゃあ、此処で死んでもらうよ。この世界で魔法を使えるのは、僕だけでいいからね。」

 男は引き金を引いた。そこから出てきたのは、銃弾では無く、魔力弾であった。目にも止まらぬ速さで、ロボットに向かっていくが、少年はそれを首を傾げるだけで避ける。

「かかったな?」

 魔力弾は少年の背後で静止し、それが光の輪に変わる。

「初歩的なバインドにかかるとはね。君はどうやら、実戦経験が少ない……いや、無いのかな?」

 男が空に飛びあがり、銃が光輝く。それは魔力を収束し、砲撃を放つ前兆であった。

(まずい!!)

少年は逃げ出そうと藻掻くが、それよりも早く男の砲撃の準備が整う。

「サヨナラだ。少年。君は僕が出会った中で、最も強かった。それを誇り、死んでいくがいい。」

 閃光に包み込まれる。全てを消し飛ばしてしまいそうな程の魔力の奔流に飲まれる直前、少年が何かを叫ぶのが聞こえた。

 そうして、砲撃が止んだ。あたりは濃い煙に包み込まれている。

「ふはは。少しやり過ぎてしまったかな?」

 煙が晴れ、地面に底が見えない程の大きな穴が空いているのを見つけた。

「これでは、少年が死んだのかすら分からないなぁ。」

 男は肩を揺らす。それはやがて大きくなり、大口を開けて嗤うようになった。

「くはははははは!!やはり、この宝石の力は素晴らしい!これさえあれば、私は無敵の魔導師になれる!」

 男が取り出したのは、青い、菱形の宝石だった。怪しい光を放ち、何処か不気味な雰囲気だ。

「……なんだ、これは。」

 ふと、男が赤い粒子が降ってきているのが分かった。それは男の周りに浮遊し、包み込む様に展開されていることに気が付いた。

「——まさか!?」

 男はバッと頭上を見上げる。そこにいたのは、先ほどの少年とは別物のように感じる赤紫に輝く金色の二本角を持つロボット……かつて、それはガンダムと呼ばれた。

 




 一応、自己紹介されるまで、名前は明かさないスタイルで書いてます。
 正直、苦手な書き方に挑戦しているので、おかしなところが多いと思いますが、それでも楽しんでいただけるなら幸いです。
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