音響士   作:かげかげ

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始まり、『音響士』達

 ある日の夜、大人2人と子供1人、つまり家族が必死で走っていた。

 その家族の後ろは街があり、そこから痛々しい悲鳴が響いており、何かを食べている咀嚼音も聞こえてくる。

 

 「はっはっ…くそ!車さえ使えれば逃げれたのに、あいつらが壊したから走って逃げなければならないとは!!」

 とクソっと今の現状に苛つきながら息を切らしている父親が言い、

 「大丈夫よ、怖くないからね」

 と同じく息を切らしている母親は、側にいる子供に怖がらせないように声をかけていた。

 

 子供は急に父親と母親が辛そうにして、住んでいた街から離れている事に怖くなって口から言葉が出ないでいた。

 

 そんな家族は走っていると、背後から何かが走ってくる音が聞こえた。

 そして、耳が痛くなる音も聞こえる。

 それには子供は苦しくなり耳を抑え、父親と母親も痛くなっていた。

 

 その音は自分達家族を狙ってきた事が父親は分かり、

 「逃げろっ!! 後は俺が」

 と言いかけたが、その何か分からない生き物は父親を飛びつき、口からどうか分からない部分で、父親を食らいつく。

 口ではないのに咀嚼音が聞こえ、父親は痛みで絶叫の声を出していた。

 絶叫の声とその生物から聞こえる音でより子供は頭が痛くなりそうになる。

 

 父親が食べられてるのを見た母親は、愛する人を目の前で食われている事に早く助けようと子供を一旦置いて助けようとする。

 

 だがそれも無意味だった。

 

 もう一体の生物に母親は気づかず、飛びかかられ食われ始める。

 両親が食われている光景を目の前で子供は逃げる事も出来ずに、恐怖でその場で立ち尽くしていた。

 

 母親は食われながら子供へ最後の言葉を精一杯に言いかける。

 

 「…生…き…て」

 

 そう言い切った後を狙ったかのように謎の生物は強く噛み付いたのか、母親も絶叫の声をあげた。

 

 これは小さな子供にとって見たくない光景だ。

 「ああああああ!!!」

 子供の心は壊れ始める。

 

 父親と母親を全部食べ尽くすまで、謎の生物はデータのバグみたいにゆらゆらと体が揺らいでいる。

 生物の形は大きな犬のようで、例えるならライオンとか狼、そんな肉食動物のようだった。

 しかし、動物の頭になってない、データのバグそのものであり、ドット状の塊がそのまま頭になっていた。

 そこから食べているのか咀嚼音が聞こえてくる。

 生物から発する謎のノイズ音も聞こえてきて、頭が痛くなる。

 

 子供はもう考えるのが出来なくなっていた。

 見たくないのが目の前で広がっているのだから。

 

 父親を食らい尽くしたのか、次の獲物を探そうと顔をあげた生物は、恐怖で立ち尽くしている子供を見つけ、狙いを定める。

 子供は逃げる気力もなく、目を開けながらいる。

 もう終わりだ。

 

 だが、そんな絶望は打ち砕かれる。

 

 「そんな食べるのやめなよこの『ノイザー』!!」

 と一発の弾丸が発射され、その弾丸は子供の側を横切り、子供を狙っていた生物の頭へ命中する。

 だが、不思議な事があった。

 子供の側を通った弾丸には、弾丸の音もそうだけど、何故かノイズ音ではなく、心が震える音も聞こえていた。

 

 急に弾丸が横から来たので子供は振り返る。

 

 そこには、髪の毛が緑色なのか青色の不思議な色をした少年が銃を持っていた。

 他にも人がおり、日本の陰陽師みたいな服を着て、手には刀を持っている青年。

 なんでこの場所でメイド姿にいるのか分からない少女、手には弓を構えており、後ろには矢を入れる籠がある。

 姿からカッコよさが伝わる女性もいて、手には銃であるが、銃身が長いのを肩に担いでいる。

 最後に見た目がとても緩やかな少女で、その姿と似合わずに両足には二丁の銃を入れるホルダーがつけている。

 

 「ないす!フィメルさん!」

 と穏やかな少女はその不思議な髪色をした少年の名前を言い、そのフィメルさんはドヤ顔をした。

 

 「次は俺がやるからもかちゃん!」

 と決め顔をした陰陽師みたいな姿の青年は刀を構えた。

 しかし、もかという少女はその人に対して

 「はいはい、見てますよ〜らんま」

 と言い、それにらんまと呼ばれた青年は酷くね!?と声を出した。

 

 急に現れた人たちに母親を食らっていた生物は驚いていたが、

 「とりあえず斬られて」

 と刀を振りかざしたらんまが既に生物の目の前に現れ、生物は縦に斬られてそのまま消滅した。

 

 それに子供は驚いていた。

 さっきまでもかという少女の近くにいたのに、一瞬で生物の前に移動し、刀で斬った事に。

 まるでワープしたかのように。

 だがらんまが生物を切り倒した後に、ノイズも聞こえなく、音も聞こえ、聞こえてきた音はまるで悪い音を斬るような、清々しく斬る音が子供に聞こえた。

 

 「いぇい!」

 とらんまは後ろに振り返り、ピースサインを送り、もかさん達もピースをした。

 

 (な…なんだこの人たち…)

 と子供は怖がる。

 なんせあの生物を2体倒す程の力を持っていたから無理も無かった。

 

 もかは子供に近づき始め、子供に向かって手を伸ばす。

 それには子供は目をギュッと瞑ったが、そんな怖がる事は無かった。

 もかは子供の頭を撫でて、

 「もう大丈夫。私たちがあの生き物を倒しに来たから安心してね」

 と声をかけて来て、その言葉には優しさがとても伝わり、不思議な安心感が出てくる。

 

 「もかちゃん、そろそろあたしら向かおうか」

 とカッコよさ伝わる女性は街の方へ目を向けてそう言い、

 「だね、リトさん」

 ともかはそう言って立ち上がり、街の方へ向き直す。

 

 「とりあえず高い所で遠距離でぺちぺちしてようかな」

 とメイド姿の少女はそう言うが、声色で男性の声だったので子供はびっくりし、

 (え!?男の人だった!?)

 と子供は驚愕していた。

 

 「だね!ぺちぺちお願い弓道さん!」

 ともかはそうお願いした。

 

 こうして、フィメル、らんま、もか、リト、弓道と呼ばれる人達は、痛々しい悲鳴が聞こえてくる街へ歩き出していた。

 

 これは人々を襲う『ノイザー』を倒す為に作られた『音響士』の仕事であった。




「登場人物紹介」
ねじめもか 現代人 
 彼女はある機関「音響士」に属してる現代人であり、「夜空」支部のリーダー的な存在である。5人とは背が小さい彼女であるが、とても優しさのある人である。
 銃の扱いはまだまだで、フィメルに教わっている。
 少しのほほんとした性格であり、彼女が何か困ったら5人が手助けに入ってくれるほど愛されている。
 しかし、らんまからのちょっかいを受けた時は、見た目の非力とは違い鋭い仕返しをする。

 弓道見習い 未来人
  彼か彼女か分からない人で、もかとは違い、未来から来た人物、この世界は様々な人々が住んでいる世界なので、弓道みたいな未来から人達も受け入れている。
  緑のメイド服をし、弓を使って「ノイザー」と呼ばれる敵と戦う。
  弓道は「夜空」支部のメンバーの1人で、ツッコミやボケもやれる人だが、よくいじられているイジられキャラだ。
  こんなに男性か女性か分からない見た目なのは、未来の技術が発達した事で出来た事みたいだ。

 リトリッパー(リト) 現代人
  「夜空」支部のメンバーで、「夜空」支部の中で戦闘能力が高い姉御みたいな彼女。
  「音響士」になる前は自衛隊で戦っていたが、「音響士」に必要な能力が自然に身につき、今は「音響士」として戦う。
  「夜空」支部に入った経歴は、もかがメンバー集めをしていて、そんな努力しているもかに興味を持ち、「夜空」支部に入った。
  リトリッパーが戦闘訓練をしており、よく弓道やフィメルなどが投げられているのを見かけている。

 西園寺 藍間(らんま) 現代人
  刀を使う現代人、チャラい姿とは違い、彼の扱う刀術はしっかりと形にはまっている刀術である。そんな彼ともかは丁度「音響士」になるための試験に同時に受験しており、その時にもかと知り合った。
  もかの事は弄りやすい子と見ており弄るが、倍返しを良く受けている。
  そんな明るい彼だが、彼には何か裏があるそうだ…

  フィメル 現代人
  緑髪か青髪の少年、らんまと比べ少し若い。
  そんな若い彼だが銃の腕かかなり強く、「夜空」支部でもかに銃を教えている先生の立ち位置でもあった。
  「夜空」支部のメンバーとして、もか達と共に戦う。
  だが、リトリッパーさんと戦闘訓練で良く投げられてしまうのが結構気にしてるそうだ。
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