音響士   作:かげかげ

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決着、新たな力

 響音達は急いでエルフの女の子の後を追う。

 後ろでは燃え上がるような音が聞こえており、やこ1人が足止めしているのが分かる。

 

 響音は走りながら思った事をちぎりに聞く。

 「狐火はこの森に移らない!?大丈夫です!?」

 と心配そうにちぎりに言うが、ちぎりはやこの能力を話す。

 「大丈夫!やこちゃんは狐火を操れるし、例え森に炎が移ったとしても、その移った炎も操れるし、念ずれば狐火は消えるって聞いた!」

 

 それを聞いた響音はかなり驚いた。

 そこまで狐火を自然に操れるやこの技術に、やっぱり精鋭の人は凄いなと思っていた。

 

 今いる全員が全力で走っていると、やがて少し開けた場所へと辿り着く。

 そこは別に変哲もない夜の森であり暗くで不気味なのだが、この日のこの場所はいつもより不気味さが漂い、響音の耳に聞こえてくる不快音かなり強くなった。

 両耳をヘッドホンごと抑えたくなるが、今は助けるべき人を優先だと響音は自身を鼓舞し、意識をはっきりさせる。

 

 響音達の目の前には、あのエルフの女の子が立ち止まっていて、その女の子が見つめる視線には…

 

 大蛇がいた。

 それも体が先程の犬型「ノイザー」と同じように黒く、ゲームのドットのような不可解な体をしている。

 大型「ノイザー」の大蛇がこの森に潜んでいたのだ。

 

 大蛇は目の前にいる自身が操って呼んだ女の子を一口で食べようと、口を大きく開ける。

 それは大岩さえも一瞬で飲み込んでしまう大口で、小さな女の子を飲み込もうとしている。

 

 女の子が危ない状況だと直にのどかは反応し、自身の「楽武」である葉っぱ型の笛を吹いて木の葉を操り、操った木の葉で大蛇の頭を包んでしまう。

 急に頭を包まれた大蛇は木の葉を振り解こうと大暴れをする。

 その隙にちぎりが女の子を救援する事が出来た。

 

 大蛇はまだ暴れているが、その隙に白崎と黒狼は攻撃を始める。

 白崎と黒狼は自身の「楽武」で一撃を大蛇の体へ与えるが…

 

 「クッ!!斬れないッ!!」

 

 そう、大蛇の体が片手剣と刀の斬撃で斬れないのだ。

 まるで本当の蛇の鱗のように固く、並の攻撃では通じない事が分かった。

 大蛇は頭に纏っていた木の葉を振り解き、攻撃してきた白崎と黒狼に自身の巨大な尻尾で反撃した。

 

 白崎は器用に左腕の小さな盾で見事に防ぎ、黒狼は刀の腹で何とか反撃を防いだ。

 「こいつやばいぞ!」と黒崎は響音に伝え、これは槍に戻した方がいいと響音は判断し、手数と速さで戦う双剣から双剣より威力があると思っている槍へ変形させる。

 

 自身に攻撃してきた音響士達に大蛇は聞き取れない咆哮をあげ、5人の音響士に牙を向ける。

 

 大型「ノイザー」、大蛇との戦闘が始まった。

 皆が持っている力を大蛇へぶつけて行く。

 ちぎりは拳を、響音は槍を、白崎は片手剣を、黒狼は刀を、それぞれの「楽武」で大蛇を倒そうとするが、大蛇の体は鱗で覆われている程の強度があり、全く効いてない。

 ちぎりも少し硬いのか、大蛇へ当てた拳を軽く振って痛みを和らいでいた。

 

 大蛇が5人に向けて攻撃する時は、のどかがサポートに回り、木の葉を操り、大蛇の攻撃のほとんどを防いでいた。

 巨大な尻尾の攻撃は、木の葉で盾を作って弾き、大蛇の噛みつき攻撃では、狙われた人を木の葉で包んで違う場所へ移動させたりもした。

 のどかの木の葉を操る技術に響音は凄い…と感じていた。

 

 「だったらこれで斬ってやる…『クレッシェンド』!!」

 と黒狼は自身の攻撃を当てる為に一般音弾を刀に込める。

 刀は音弾が込められたのか、弾薬が入った音を鳴らし、少し光輝く。

 その光り輝いている刀で黒狼は大蛇へ向かって走り出す。

 

 「はぁぁぁあ!!」

 と一撃を大蛇へ与えたが、それでも同じく攻撃が効かなく弾かれる。

 しかし、黒狼はそれでも続けて2回目の攻撃を始める。

 また弾かれると感じる思われたが…

 

 黒狼の2回目の攻撃で大蛇の体に軽い切り傷程度の傷がつく。

 急に軽く斬られた事を驚いた大蛇は、直に黒狼へ向けて巨大な尻尾の攻撃を放つが、黒狼はそれを回避し、振り下ろした尻尾に向けて三撃目を放つ。

 

 「斬れろぉぉおぉ!!」

 黒狼の雄叫びと同時に刀を振り下ろし、三撃目で大蛇の巨大な尻尾が深く斬れる。

 

 一般音弾『クレッシェンド』、その音弾の能力は、連続で攻撃する事でその攻撃が強くなるという能力で、連続攻撃をしないとその効果は切れてしまうデメリットが付いている一般音弾であった。

 「クレッシェンド」はかなり覚えるのが苦戦する一般音弾で、黒狼はそれを覚える為に密かに特訓していたのだ。

 

 まさかここまで斬られた事に大蛇は

    ■■■■■■ッ!!

 と痛がり、斬られた尻尾でそのまま反撃をする。

 それには黒狼は防御出来ずに遠くに飛ばされ大怪我をした。

 地面に何度もぶつけられ、立ち上がるのが暫く出来ない状態となる。

 

 「…やるね黒狼くん、今度は私からいかせてもらいます!」

 とちぎりは黒狼の勇士に揺られ、自身も負けてられないと、今度はちぎりが走り始める。

 

 のどかは倒れ込んでいる黒狼を救護しながら、葉っぱ型の笛を吹き、木の葉をまた操り出した。

 「ちぎりちゃん!任せて!」

 とのどかはちぎりの攻撃を当てやすくするために、大蛇を飲み込める程の木の葉で包み始め、視界を奪った。

 周りを木の葉に包まれた大蛇は一時的に動けなくなり、これでちぎりの攻撃が必中する条件となった。

 

 ちぎりは跳躍で飛び上がり、大蛇の上を取る。

 大蛇の上を取ったちぎりは、自身の音弾を使う為に、腕に付いている鈴へ音弾を念じる。

 鈴はチリンと音が鳴り、振り上げた右拳に光り輝き、落下の勢いと同時に大蛇の頭へ打ち込む。

 

 「『二重奏』!!」

 

 ちぎりが放った右拳は見事に大蛇の頭へ命中し、打ち込まれた大蛇はあまりの威力にぐらついた。そして、ちぎりは追撃してないのに、拳を当てた所からもう一度、殴った衝撃が走る。

 まさかの2撃目が発生した事で大蛇は耐えきれずにその巨大な頭を地面に落とされる。

 

 これがちぎりの特異音弾である。

 

 初めての特異音弾を見た響音は子供のように興奮し始める。

 

 凄い…これが特異音弾なんだ…!

 真似したい…!

 

 自分も…やりたい!!

 

 そんな気持ちが響音の中に溢れ、ちぎりが着地した同時に駆け出す。

 急に走り出した響音にまた一同は驚く、それに静止する声も聞こえたが、響音の耳には入らない。

 

 大蛇はあまりの威力にヨロヨロと頭を起き上がらせていると、響音がこちらへ走り出してくるのを確認し、先程の仕返しと大蛇は巨大な尻尾を使ってくる響音に向けて振り下ろす。

 

 大蛇の攻撃が響音に当たると思われたが、響音はそんな攻撃を楽しそうに笑いながら躱し、大蛇の懐へ入り、「『音弾装填』!!」と念じ、響音は槍に音弾を込め始める。

 

 そんな響音が危ない

 響音では倒せない

 響音が殺される

 

 そんな最悪な光景が起きてしまうと思われた。

 

 …だが、響音は驚きの力を魅せる。

 

 こうすればあのちぎりさんの音出来る…!

 あの重音が!!勇気を与えているような音が!!

 

 そんな思いが響音の中に溢れ、今、ちぎりの特異音弾を真似をする。

 

 「…『二重奏』ォ!!」

 

 響音が放った槍の突きは光を帯びており、強烈な一撃を大蛇の懐へ与えた。

 しかし、その一撃で二撃の衝撃を発生させる。

 

 そう、響音はちぎりの特異音弾を真似したのだ

 

 この響音の真似した特異音弾が大蛇のトドメになり、大蛇のドットの体は段々と散り散りとなり、消えて行った。

 

 響音がちぎりの特異音弾を真似出来た事に、ここにいる響音以外が衝撃を受ける。

 

 まさか特異音弾を真似できる音響士がいるとはと

 

 当の本人は上手く真似出来た事にかなり喜んでおり、まるで小さな子供のように喜んでいたという。

 

 響音達3人の初任務はこれで成功に収めて終える事が出来た。




円逢 ちぎりさん 2月28日 卒業
 ちぎりさん、卒業おめでとう!
 ちぎりさんとは楽しく物語の話をしてたのを一番に思い出します
 最初は緊張してましたが、ちぎりさんの明るさに凄い安心出来ました
 僕は知り合えて嬉しかったです。ありがとう
 少しオリジナルに腕に鈴をつけたのどうでしたか?
 もし良かったならとても嬉しいです!

 なかなか上手く伝えられない自分ですが、ちぎりさん今までありがとう!!ライバー活動お疲れ様です!!
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