音響士   作:かげかげ

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帰路

 なんとか森に潜んでいた大蛇の「ノイザー」を倒した響音達はエルフの村で少しの間、戦いの疲労を癒して過ごしていた。

 

 響音達の中で一番傷ついたのは黒狼で、あの大蛇の攻撃をもろに食らい、右腕を骨折していた。

 のどかや村のエルフ達に応急処置をされてたが、痛てぇ!とかなり痛そうにしていた。

 

 やこは一人で引き付け役をしていたが、全然平気そうに「お!?倒したんか!?」と村に戻る途中で声を掛け、合流したのだ。

 それに響音は驚き、あんな複数の「ノイザー」との戦いでもこんな平気そうにいられるやこは九尾なんだなと関心しながら思っていた。

 

 戦いで体はボロボロなのに響音はちぎりの特異音弾を真似できて大喜びしていた。

 大蛇を倒して、村で休んでいる時、響音はもう一度ちぎりの特異音弾を放とうとしたが、なんと持っていた槍から煙が立ち、響音の槍を持っていた右手は軽く火傷し、火傷した手を抑えながら転がっていた。

 しかも、響音がもう一度槍を持ち上げようとすると、なんだか槍が重くなってる感覚がし、覚えている一般音弾を込めようと念じてみるが、槍が光らず、発動出来なかった。

 それには黒狼達は疑問になる。

 それは無理はない、こんな違う人の力を使う音響士は見た事がないのだから。

 

 休憩中、そんな出来事がエルフの村で起きていた。

 そして、休憩してから半時間後、ちぎり達の消耗した体力は回復し、元の世界へ戻る事となる。

 

 元の世界へ戻る時、村にいるエルフ全員が総出でお見送りをし、ありがとう!やまた来てね!の声が聞こえていた。

 沢山の感謝の言葉に任務の達成感がより感じられ、ちぎり達はエルフの住人達に向けて手を振ってから自身が所属してる陣営へ帰る。

 

 黒狼の骨折してる腕の痛みは和らいでいるが、まだ折れている状態で、治るまで次の任務は出撃出来なかった。

 響音は自身がちぎりの音弾を真似出来た事、その後にもう一度音弾を真似をしてみようとしたら、槍と一般音弾が使えなくなった事を睦月に見てもらおうと考えていた。

 白崎はなんとか任務を達成出来た事に、少し自分自身に自信が付いていたのを感じていた。

 そんな初任務が終わり、妖精界から響音達の人種が過ごしている現代界へ帰ってきた。

 

 「ほな、私達は私達の支部へ帰ってるから気をつけて帰りな〜」

 「初任務お疲れ様3人とも!のどかちゃんまたね!」

 とやことちぎりは自身の所属している『ラビスタ』支部へ

 「またね!僕も結構疲れたから先帰るね!」

 とのどかは『狸山』支部へ帰って行った。

 

 そんな3人の後ろ姿を見た響音は

 (…自分もあんな凄い音響士になりたいな…)

 と思い、やこ達3人が持っている力強い音を響音は感じていた。

 「おい、俺達も帰ろう」

 と骨折した腕を包帯で巻かれている黒狼は、3人の後ろ姿を見ていた響音へ声を掛ける。

 声を掛けられて響音は気づき、黒狼達はそのまま『夜空』支部へと帰還する。

 

 『夜空』支部は麓にある支部で、森の中ではあるが、平原みたいに見渡しやすい場所に建てられている。

 一見普通の建物であるが、天体観測が出来る望遠鏡が付けられている支部である。

 そこから夜空の星々が見る事が出来るから支部の名前が『夜空』と付けられている。

 

 黒狼達3人は『夜空』へ無事に帰ってくると、中でリラックスしていたもかが気付いて声を掛ける。

 「3人共お疲れ様〜初任務はどうだった?」

 とのほほんとした様子で声を掛けてきた。

 

 どうやら「入浴室」から上がって自室へ戻る所を鉢合わせたようだ。

 もかから初任務どうだったか聞かれて、3人は疲れた様子で

 「「「大変でした…」」」

 と答えた。

 そして、もかは黒狼の骨折してる腕を見て、驚き急いで黒狼を「医療室」へ連れて行く。

 もかが掴んだ所が骨折した腕だったので、黒狼は「イテテテッ!!そこ!骨折した所ぉ!!」

 と痛がりながら連れて行かれていた。

 

 そんな黒狼に白崎と響音は

 ((お疲れ…黒狼))

 と痛がりながら連れて行かれる黒狼へご苦労さまと思っていた。

 「それじゃあ、俺は先にお風呂に入って自室へ休むから、ここでおやすみ」

 と白崎は響音へ先に休むように言い、「入浴室」へ向かうようにした。

 

 この『夜空』支部の中は、色んな設備とここへ属している音響士の自室があり、「入浴室」、「食事室」などがある。

 特に「観測室」は、もかが好きな場所であり、そこから望遠鏡で眺める星々は綺麗で、なんか考え事を一時的に忘れたい時やゆっくり休みたい時に使うのが一番の場所であった。

 

 響音はとりあえず睦月がいる「設備室」へ向かって、自身が起こした出来事を話そうと思い向かう事にした。

 何故自分がちぎりの特異音弾を真似して使えたのか?

 何故もう一度真似して使うと、「楽武」の槍がショートするようになるのか?

 睦月にお願いして、分析してもらわないとと思い、「設備室」へ足を動かし、この一日は終えた。

 

 一方、自室にいるらんまは、自身の刀を見ながら、ある言葉を呟いていた。

 

 「…まさかあのクソ親父が生きているのか…?だったらこの手で…」

 

 と呟いていた。

 そのらんまの顔は、いつもの明るい顔ではなく、復讐したい人を見つけたような、恐ろしい顔をしていた。

 机の上には様々な情報が載った資料があり、そこにはらんまが集めた情報を書き写したメモもあった。




 「響音の新たに覚えた音弾」
これは主人公である響音が他の人の力を真似して覚えた音弾を説明する所

 「二重奏」
 これは円逢ちぎりが使う特異音弾を見て覚えた音弾。
 一撃に二度の衝撃を与え、その二度目に一撃よりも強力な衝撃を与える強力な音弾。
 響音はちぎりの内に感じた、まるで大太鼓を鳴らす時の重い音が響くような音を感じ取って覚える事が出来た。
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