音響士   作:かげかげ

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「水面の卯」編 「ラビット・ステップ」

 卯沫は華麗にカメレオンのノイザーの攻撃を躱しながら戦う。

 それはウサギが跳ねて踊るように躱している。

 

 (うん、このノイザー、デカイわりに全然動き分かりやすくて弱いな~)

 と卯沫は余裕そうにし躱していた。

 だが、その時に…

 

    グキィ!!

 

 卯沫がカメレオンのノイザーの鉤爪攻撃を跳んで躱し、地面に着地する瞬間、左足から激痛が走る。

 そう着地する瞬間、左足の足首を捻挫したのだ。

 その激痛に卯沫は「うっ!」と痛みに苦しんだ。

 

 左足の足首を捻挫した事で卯沫は動けなくなり、カメレオンのノイザーはその瞬間を見逃さず、ニヤッと不気味に笑い、口を大きく開け、黒い塊を作り始める。

 

 これは不味いと卯沫は急いで動こうと思うが、左足がかなり痛く、全然動けなかった。

 動けない分、ノイザーが作る黒い塊はどんどんと大きくなり、卯沫がいる地形を埋め尽くす程の大きさとなっていた。

 その時卯沫は思った。

 

  …もう…ダメかもしれない…

 

 そう卯沫が諦めそうになった時、何者かが素早くノカメレオンのノイザーへ飛び出して、その顔面へ強力な蹴りを放った!

 その強力な蹴りにノイザーは倒れ、溜めていた黒い塊は消滅する。

 ノイザーへ蹴りを放った者は綺麗に着地し、カメレオンのノイザーへ視線を向け、持っていた槍の楽武を構えていた。

 

 卯沫は一体誰が来たのかその者へ目を向けると、驚いてしまう。

 「え…なんで君ウサミミ生えているの…?」

 

 その者は、卯沫と同じ白のウサギの耳を生えているが、卯沫のウサミミに付いているアクセサリーさえも同じで、その付いている位置も同じであった。しかもヘッドホンをしていた。

 一見違う人物だと思うが、彼は森で一人で迷い、湖へ落ちてきた彼であり、現代人であった。

 それでも彼には卯沫と同じウサミミを生えていた。

 

    そう、響音であった。

 

 卯沫だけでなく、ハシモとレイも今の響音の姿に驚き、もか達もまた新たな力を得た響音に驚いている。

 

  自分…もしかしてその人の「音弾」自体を真似るんじゃないんだ

  …もしかして、その人の持つ力を自身の「音弾」として扱う事が出来るんだ!

 

 たった今、響音は自身の力を理解する事が出来た。

 最初に覚えた音弾「二重奏」はちぎりの「音弾」であった為、てっきり自分自身、相手の「音弾」を真似すると思い込んでいた。

 

 だけど違った。

 卯沫のウサギが踊るような跳ねる姿、跳ねた時に感じたリズミカルな太鼓の音をやってみたいと強く願った。

 そして、今の卯沫と同じウサミミを生えた姿になった。

 これが自分の力で、卯沫から受け継いだ力なんだと響音は感じ、自身の力を確信に近づけた!

 

 カメレオンのノイザーは立ち上がり、響音に狙いを定め、一口で食らいつこうと噛みつき攻撃をする。

 それを響音は跳ねて躱す。

 その跳ねて躱す姿は卯沫と同じ、ウサギが跳ねるような躱し方をし、それを見た卯沫、レイ、ハシモはかなり驚いていた。

 

 まさか軽々と躱された事にカメレオンのノイザー自身も驚く。

 その驚いている瞬間に響音はまたカメレオンのノイザーへ素早く跳び蹴りを放ち、カメレオンのノイザーを少し宙に飛ばしてしまう。

 

 「すごい…今体が軽くなった感じする…!」

 と響音自身も驚いており、槍を持っていない左手を見つめていた。

 そして、何か決めたのか、見つめていた左手をギュッ握りしめる。

 

 「『ラビット・ステップ』…これがこの音弾の名前だ!」

 

 と響音は新たに得た音弾の名前、『ラビット・ステップ』と名付け、カメレオンのノイザーへと対峙する。




 「新たに覚えた音弾」

 「ラビット・ステップ」
  卯沫がノイザーの攻撃を躱す時を自身の音弾として扱えるようになった音弾。
  その音弾を使うと、卯沫と同じように軽々と動けるようになり、より素早く動く事が出来る。
  だが、その音弾を使うと卯沫と同じウサミミが生えてしまう。
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