先程倒したノイズかかっている生物、『ノイザー』がまだ街の中で漂っており、人を見つけ次第喰らおうとしていた。
そのためもか達『音響士』は、『ノイザー』の討伐、そして人々の救出を行っていた。
「皆さん!僕について来て!」
ともかは救出されている人々の前を走り、もかの近くにはらんまが何時でも抜刀出来るように構えながら走り、救出された人々の後ろには、辺りを警戒しながら走るリトの姿があった。
残りの弓道、フィメルの2人は、『ノイザー』を見つけ出して倒すという討伐の方へ回っていた。
救出された人々から怖い、このまま大丈夫か?、という暗い言葉や感情が出ていた。
(まさかこんな拠点から近い場所であいつら『ノイザー』が出てくるの可笑しいって)
とすぐに救出に移せた事には良かったけど、どうせなら人気がない場所に出てきて欲しかったともかは思っていた。
安全な場所までもか達は走っていると、建物の影から犬型の『ノイザー』が3匹飛び出して、飛び出した勢いのまま、先に走っているもかへと飛び掛かる。
しかし、それにはらんまがいち早く気付いて、もかの前へ飛び出し、
「らんま流刀術…」
と自身の編み出した剣技の名前を言い、抜刀する。
「天雨っ!!」
らんまから出された剣技は、刀を上段から一回振り下ろしたが、もかへ飛びかかっていた3匹同時に切り捨てて消滅させる。
まるで空から降ってきた雨の如く、3匹を斬ったのだ。
「らんま、ないす!」
ともかは言ったが、らんまは先程かっこよく敵を斬っていたのに、急にへこたれた姿になり、
「なんで俺だけが刀なの!?」
と泣きながら言った。
『音響士』が持っている武器は特殊な武器で、『音響士』それぞれに適した武器を持っている。
何処が特殊なのかは、武器それぞれに不思議な機能が付いているからだ。
「ちょっとそこ夫婦漫才しないのっ!!」
とリトが焦りながら言い、それにはもかから「夫婦じゃないっ!!」と突っ込まれた。
リトが何故焦っているのかは、丁度リト方面から別の『ノイザー』が現れたのだ。
その『ノイザー』は先程の犬型ではなく、カマキリ型で、その数は10体が迫ってくる。
カマキリと言えど、このカマキリ型の『ノイザー』の大きさは人並みであった。
いきなり10体が迫ってくるお陰で、救出された人々の心に恐怖が現れ、『ノイザー』から発するノイズも強くなってくる。
リトはチッと舌打ちをし、もうこの武器の力を使うしかないと思い、リトが持っている武器へ意識を向け、こう呟く。
「『音弾装填』…」
リトがそう呟くと武器が一人でに弾を入れる音のカチャと鳴り、持っている力を発動してるみたいに少し輝き出す。
カマキリ型の『ノイザー』はそれを何とも思っておらず、リト目掛けて襲いかかる。
10体の化け物に1人の女性が食い殺されるという悪い光景が目に浮かんだ。
だが、そんな悪い光景は無かった。
リトは武器から力を貰ったのか、ビリビリと雷を身に纏っており、その状態から足に力を入れ、駆け出した。
駆け出した時の雷は何体の『ノイザー』を巻き込み、さらに銃身の長い銃で、『ノイザー』の頭へ近距離目掛けて放つ。
その銃はマグナムみたいにかなり威力の高い弾を放っていた。
リトは10体の『ノイザー』の間を駆け切った。
駆け切った事で、雷で感電して消滅する『ノイザー』、頭を撃たれて消滅する『ノイザー』の光景があった。
これが『音響士』が持っている武器の不思議な機能であった。
『音響士』がその武器がある理由はこれであり、武器との相性は『音響士』の持つ音で決まっていた。
この武器は『楽武』と呼んでいた。
「よ〜し、倒した」
とリトは武器の力を使ったからか、少しだけ息継ぎをしていた。
それにはらんまはなんかここでふざけて申し訳ないと思い、もかは流石リトさんと見ていた。
「お〜い、そっちどうだ〜?」
と討伐の方へ向かっていたフィメルと弓道が駆け寄ってきた。
「だいぶ救出の方は出来たと思うけど、弓道さん達の方は?」
と結構人々を探して救出出来た事をもかは話し、弓道の方からは
「こっちも遠くから弓で射抜いたり、フィメルの銃であらかた片付いたと思う」
とだいぶ片付いた方と話した。
これで少し気持ちが楽になりそうだな〜と少し気が抜けていたが、それを許してくれなかった。
ドシンッドシンッ
地面が揺れ始める。
地震だと思ったが、地震にしては揺れに区切りがあり、地震ではないことを確信した。
ドシンッドシンッ
揺れがだいぶ強くなってきた。
もか達は何時でも戦えるように武器を構え始める。
ドシン!!
と一気に揺れが強くなり、もか達は一瞬ぐらついた。
そして、もか達を見つけたのか、ビルの影から顔を出した。
それは巨人の姿をした『ノイザー』であった。
やっと見つけたのかその巨人の『ノイザー』は喜んで叫び声を上げるが、叫び声はやっぱりノイズなので、強い頭痛として耳に入ってくる。
「これは俺の出番だな」
と弓道1人、もか達の前へ立ち、あの巨人を射抜く構えを取る。
あんな巨人に1人だけ、しかも弓で倒す事は見ただけで分かるが、もか達は弓道の実力を信じて、後ろから見守っていた。
巨人の『ノイザー』は早く人を食べたいのか、その重い足を使い走り出す。
一歩一歩が地面を揺らすが、それを弓道は平然とし、弓を引いて、ある程度まで近づかせるまで力を貯めていた。
かなり力を貯める事が出来たのか、今度は弓道の口から
「『音弾装填』…」
と言い、弓道の弓から弾が込められる音が聞こえ、弓は少し輝き出す。
巨人に向けて放つ矢にその光が集まり、矢は太く、鋭くなる。
巨人の『ノイザー』は弓道の弓が輝いてるのにも関係なしに走って向かってくる。
ある程度引きつける事が出来たのか、弓道はその光が集まった矢を放った!
その矢は真っ直ぐ巨人へと向かい、巨人の体を貫こうと飛んでいく。
それには巨人は本能的なのか、自身の腕でその矢を止めた。
だが、巨人が光集まった矢を止めようとした事に弓道はニッと笑った。
「この矢でも貫けないのはあるけどさ」
巨人は焦る。
確かに止めたはずの矢はまだ自身を貫こうとする勢いが止まっていない。
「あんたみたいな敵なら貫けるんだよ」
弓道がそう言うと、止められた光の矢はそのまま巨人の右腕全てを貫いた。
貫かれた巨人は何が起きたか分からずのまま消滅した。
「世界観の紹介」
ノイザー
この世界に現れた人を襲い食らう存在。まるでノイズが走った音を発しており、全体的にドットに覆われ、本当に身体があるのか分からない存在。
世界が一つに繋がった時に現れた。
音響士(おんきょうし)
人を襲い食らうノイザーを倒す為に作られた機関。そんな彼ら音響士を人々は英雄だと認知している。
そんな音響士になるためには、必要な力、「音」を使う力と認定試験に合格すれば音響士になれる。
音響士には特殊な武器『楽武』を使い、その『楽武』でしかノイザーを倒せない。
楽武(がくぶ)
音響士が使う武器。
楽武は誰でも使える訳でなく、その音響士の持つ「音」と相性が合う楽武でしか扱えない。
もし相性が合わない時は、その楽武はかなり重くなり、扱うことが出来ない。
音弾装填(おんだんそうてん)
これは音響士が扱える力で、自身を強くするための力でもある。
これには「一般音弾(いっぱんおんだん)」と「特異音弾(とくいおんだん)」の2つの音弾があり、特異音弾を扱える音響士は先鋭の部類に入るとされる。
音弾装填という言葉となったのは、楽武に力を入れる時に、まるで弾が入ったような音が自身で聞こえた事で音弾装填という言葉となった。