「お社の狛犬」編 無人のトンネル
圧倒的な力でノイザーを3体倒したおうかの姿は先程とは違い、道端で叱られて捨て犬のように泣いていた姿とは違い、武神のように戦う姿に響音は驚愕していた。
ここで無事にノイザーを3体倒したが、まだ街中は騒がしく、まだこの騒動は収まっていないのをこの場にいた響音とおうか達は察した。
このノイザーの急な出現に音響士である響音達のスマホにピピッと着信がある。
届いた内容を確認すると、
『コンバイ街に複数のノイザーの出現!ただいま近くの音響士は対処せよ!』
という文字が浮かんでいた。
コンバイ街は今響音達がいる街だ。
近くにいる音響士はコンバイ街へ向かってくるのだろう。
丁度コンバイ街の近くは「夜空」支部の範囲に入っており、もか達も後で来るのだろうと響音は思った。
「水面」支部は少々遠いからコンバイ街に来るかどうか分からなかった。
響音はスマホを仕舞っていると、おうか達「狛犬」支部は何か話し始める。
「もしかしてこれ、親玉のノイザーいる感じかのぉ?」
「いや、こんな騒いでたらいるの確定だろ」
「なら、何処にその親玉居るんだ?」
とおうか、桜、銀次が話し合い、劉とヒロ・ワーグナー、獅白 渚(しはく なぎさ)の2人も考え込んでいた。
しかし考えても親玉のノイザーはこの広いコンバイ街中の何処かに潜んでいて、探し出すのが困難だった。
だが響音だけは違った。
響音は両目を瞑り、自身の両耳に意識を向ける。
例え周りの音を少し遮る為のヘッドホンをしていても、響音には聞こえている。
そして、卯沫達『水面』支部から聴覚でより周りの音を聞き取る力を今身に付けている。
目を瞑っていると、コンバイ街中の音が入ってくる。
ノイザーから発するノイズ音、そのノイズ音とぶつかっている音響士の音……
そして、コンバイ街の何処かにある無人のトンネルから多くのノイザーが溢れだす音がまるで流れる川みたいに聴こえてきた!
少し両耳をヘッドホンごと抑えようとしたが、お陰で大体の位置を把握でき、響音は急いでそのトンネル目掛けて走り出す。
「なっ!?あやつどうしたのじゃ!?」
急に走り出した響音に対しておうかは驚き、他の人達も響音へ目を向ける。
「親玉のいる場所が分かった!誰も使われてないトンネルから沢山のノイザーが出てきているんだ!」
そう答えると、おうか達は驚いた。
まさかたった一人の青年がいち早くノイザーの出現場所を見つけ出すとはと。
「なら急いで向かうぞ!!」
とおうかはまたもちまるを呼び出すが、先程とは違う姿だった。
可愛らしい姿は変わらないが、大きさが違い、小さな姿から人を何人か乗せて走れる姿へと変化した。
大きくなったもちまるの背におうか達は飛び乗り、風を切りながら走り出した。
例え先に走っていた響音さえも追い付いてしまう。
大きくなったもちまるの姿に響音は「え!?でっか!?」と驚いてしまう。
「先に行ってるぞぉ~」
ともちまるの背からおうかは言い、スピードを上げようとした。
置いていかれると思った響音は急いでもちまるの尻尾に飛び付いて、振り回されながら「狛犬」支部の皆と向かうことになった。
(あ、めっちゃふわふわだ)
響音は振り回されて絶叫を上げていたが、もちまるの尻尾のふわふわに少し癒されていた。
「登場人物紹介」
ヒロ・ワーグナー 西部界
「狛犬」支部に属する銃使いの男性音響士、彼が住んでいた世界は砂に覆われた世界で、たった少ない水でも貴重とされ、水を求めて銃撃戦が多い世界であった。
そんな世界で戦い続けてきた銃の技術はかなりある。
彼が使う楽武は2つの銃で自慢の早打ちする。
獅白 渚(しはく なぎさ) 現代人
「狛犬」支部の音響士、彼は着慣れたスーツを着て、何故か結構疲れているような雰囲気をだしている。
その疲れている原因は音響士としての活動しているが、もっと収入を得るように軽いバイトや他の音響士と一緒に戦いに行くようにしているからだ。
彼の使う楽武は短剣で、速さには自信がある彼に合う楽武である。