音響士   作:かげかげ

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終わり、少年の決意

 巨人型の『ノイザー』を倒し、もか達はそのまま街の人々を救出をした。

 もか達の救出活動によって、『ノイザー』による犠牲が出ていたが、被害を最小限に抑えられ、沢山の人々を救う事が出来た。

 

 ただいま避難場所にもか達がいて、そこには傷だらけの人々もいた。

 それはもか達も同じで、あの街の人々を見つけ次第襲いかかっていた『ノイザー』との戦闘をたった5人で成し遂げ、それぞれの体には切り傷などがついていた。

 

 避難場所に居る傷ついている人々にもかは

 「大丈夫、皆の傷を治すよ」

 と優しく声をかける。

 どうやってこの大量の人々の傷を治すのかとこの街の住人の何人かが思うが、突然もかは足に付いてあるホルダーから一丁の拳銃を取り出す。

 

 もかが急に拳銃を取り出したので、それを見た住人は驚いてしまい、恐怖の声を上がってしまう。

 その恐怖の声は次々と人々の間に伝わり、拳銃を取り出したもかを恐ろしく見えてしまう。

 

 もしかして自分達もあの『ノイザー』と同じように退治されるかもしれない

 その恐怖が人々の中に出て、撃たれると思い目を閉じる。

 

 だが、そんな恐怖な事は起きない。

 むしろ不思議な体験が人々に起きる。

 

 「『音弾装填』…」

 ともかはその一丁の拳銃の銃口を上に向けて、『楽弾装填』と言うと、また勝手に弾が込められた音が鳴り、その拳銃は不思議と光り始める。

 その後もかは優しく笑い、その拳銃の引き金を引き、天へ向けて撃つ。

 

 拳銃から放たれた弾は拳銃からその光を貰い、光り輝く弾となって空中で爆発し、そこから光の雨を降らした。

 その光の雨は避難場所全体へと行き届いた。

 

 光を雨を浴びた人々の体に付いた傷は段々と消え、失った体力が不思議と戻ってきたので、人々は次々と驚いていた。

 それはもか達も同じで、先程の戦いで傷ついた傷口が光の雨に当たると自然と消えていた。

 

 「ほんと助かるよね〜 もかちゃんの『音弾』は」

 とリトはそう言う。

 その言い方はいつももかに治療されている感じであり、実際もかは傷ついた仲間を癒す力を持つ音響士であった。

 それにはリト以外の仲間も同意見で、全員頷いていた。

 

 リトの言葉を聞いたもかは

 「僕に回復任せてよ〜」

 と自信満々に答える。

 

 そんな5人の音響士の姿に、最初に助けられた子供は見ていた。

 その子供も一旦避難場所へいた方が良いと判断され、もか達と一緒に戻ったのだ。

 

 「…凄い」

 子供はそう言葉を漏らしていた。

 確かにあの脅威的な存在の『ノイザー』を倒した事もあるが、その子供にはもか達の持つ『音』を聞いて、感動していたのだ。

 

 暫くもか達は他に負傷者が居ないか探してから、自分達の拠点へ帰還しようとする。

 その時、

 

 「待ってよぉ!!」

 

 あの最初に襲われていた子供がもか達の後を追いかけてきた。

 それにはもか達は驚き、「僕、どうしたの〜?」ともかが話しかけた。

 話しかけられた子供は、必死に走ってきたのか、息を切らしていたからか肩で息をしてから、自身の気持ちを言葉にする。

 

 「ハァハァ…僕も仲間にしてくださいッ!!」

 

 仲間にして欲しい

 それは予想外の言葉だった為、もか達は一瞬驚く。

 そして、その後にもか達は目を合わせていく。

 それぞれの意見をアイコンタクトで通じ合い、もかは当然の答えを出す。

 「ごめんね、僕、僕たちと一緒に来るという事はあの化け物と戦うし、そんな危険な事に巻き込みたくないんだ」

 ともかはハッキリと言い、もか達の仲間になる事を拒もうとしたが、子供から驚きの事を話した。

 

 「危険なのは分かってるけど、ねぇさんやにいさんから凄い音が聴こえたんだっ!!その音をもっと聴きたいんだっ!!」

 

 と子供はもかさんやらんまさん、フィメルさんのここに居る音響士から聴こえる音をもっと聴きたいという明らかに変な事を話したが、それは音響士である5人にはかなり驚いていた。

 

 何故こんなに驚くのかは、音響士には自身の持つ音を『楽武』に伝えて戦うのが基本であるが、ほとんどが自身の音しか聴こえなく、他の音響士の音を聴き取るとしても、それぞれに独自な音を持っている為、聴き取るのが難しい。

 

 だがそんな難しい事をこの子供は『楽武』を持たずに、もか達の音を聴き取れたというのだ。

 一瞬嘘をついていると思っていると

 

 「まずねぇさんの音は、まるで自然の優しい音が聴こえて、あの光の弾が撃った時、凄いそれが聞こえたんだっ!!まるで夜空が見える静かな夜の音みたいにっ!!」

 とその子供はもかが『音弾』を放った時に聴こえた音を頑張って表現しようと興奮しながら話す。

 

 それを聴いたもかは、確かに僕の音はそんな感じの音で、誰かを癒す力の音だと自身で分かっていた為、かなり驚いていた。

 

 「そして!そこの兄さんの持つ音は、なんか最後に盛り上げるように、その少しでかっこよく決める音が聴こえたんだっ!!」

 と子供は次にフィメルの方を向いて、感じ取った事を精一杯話す。

 

 それもフィメルは驚いた顔をしており、

 「なんでわかるんだ…」

 とも呟いていた。

 

 この子供の感じ取った音を聞いて、もか達は少し集まって話し合う。

 

 集まって話し合う姿に子供は

 (な…なんかやったかな…)

 と不安そうに思っていると、もか達はもう一度子供に向き合う。

 それには子供は一瞬ビクッとしたが、もかの口から嬉しい言葉が出てくる。

 

 「…君、僕たちと一緒に来る?」

 

 それには子供は(…へ?)となったが、頭が理解すると、子供はすぐに返事をする。

 

 「…!行きたい!!」

 

 それはもか達の仲間になるという言葉であり、その言葉を聞いた音響士5人は嬉しそうにその子供を仲間として迎える。

 

 フィメルと弓道は嬉しそうに頷きながら、らんまとリトは明るく振る舞い、もかは「さて!帰ろう!」と右腕を振り上げて、一緒に帰還しようと合図をする。

 

 新たな音響士の誕生であった。

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