響音はおうかの圧倒的な強さにやられ、医療室に運ばれていた。
二人の戦いにより、お社の室内が少し破壊され、それにより桜達が一時的に修理する事になった。
ただおうかだけは「ちょっと疲れたから任せるのじゃ」と言い、桜達に任せて休んでいた。
「くそぉ~あの飲兵衛犬ッ!!」
と銀次はそう苛つきながら、金槌と板を運び、ヒロ、獅白、文月 桜も運んでいた。
劉はまだ怪我が良くないので、松葉杖を使い、ヒロ達と一緒に歩いていた。
時間は夜の22時、外はもう真っ暗で、支部の周りに咲いてる桜は不思議と少し明るく照らしていた。
「なら、後で仕返しでもするか~?」
とヒロが悪そうに笑い、「いいねそれ!」と劉達が賛同する。
どう仕返しするか話し合いながら長い廊下を歩いていると……
「……あそこの桜の下に誰かいるぞ」
いち早く気付いたのは劉で、全員がそこへ視線を向ける。
包帯に巻かれているが、それでも槍を素振りし、特訓しているヘッドホンをした青年がいた。
青年はまだ万全に回復してないのか、痛そうな顔をしながら身体を無理して動かしていた。
そんな無理して特訓している彼を劉達は知っており、急いで声を掛けに行く。
「そんなに身体を動かしたら危ないぞ?響音」
そう、特訓していたのは響音だった。
だが、劉が危ないと言われても響音は特訓をまだ続ける。
そんな響音にヒロ達は無理やりでも止めようと動くが、劉は「待て」と制止し、どうしてそんなに無理して身体を鍛えるか質問する。
「なんでそんなに鍛えるんだ?一旦休んでもいいだろ?」
そう劉は聞くと、響音は身体の痛みを耐えながら話し始める。
「確かに今休んだ方がいいと思う……だけど!!」
「僕は皆の所に早く戻りたいんだッ!!僕の父さんと母さんはノイザーに喰われてしまった……そんな瞬間を見てしまって、今でもたまに思い出すんだ……」
「それが悪夢として表れて、何度も心が寂しくて苦しいのを何度も味わった……でも、もか達『夜空』支部が側に居てくれた事でその寂しさは少し和らいだんだ」
「だから、僕はこれからも皆と一緒に戦いたいんだッ!!ここで諦めてたまるかッ!!」
と響音は弱った身体に鞭を入れ、立ち上がった。
その響音の姿に劉達はこれが響音の覚悟だと感じ取り、感動する。
再び特訓が始まろうとした時に、「おい待てよ響音」と劉が静止させる。
「……無理やり止めようとしても続けるよ」
と響音は止めようとしてると思い、無駄な事を言うが、予想した事と違った。
「いや、違う。俺達がお前を強くさせる」
と話したのだ。
まさかの答えに響音は驚き、劉達に視線を向ける。
彼らの顔は「強くさせるから任せてくれ」と強く感じられ、嘘をついてないのを感じられた。
「……本当にいいの?おうかさんの支部の人達なのに、倒そうとしているのに?」
そう疑問を響音は聞くと、大丈夫だっと彼らは話す。
「いや~丁度一回おうかに痛い目合わせたいなと思ってた所だしいいよ」
「だな!おうかだけ何もしないで休んでるのは卑怯だよな~俺達はこうして修理してるのに」
「そうそう!だから響音……強くなったお前の力を見せつけてくれッ!!」
「そうだそうだ!是非勝ってくれ!」
銀次、ヒロ、桜、獅白はそう響音に応援する。
その温かく優しい心に、響音は少し涙を浮かべていた。
「それに、俺達『狛犬』支部の力を教えたいと思っていたんだ。どうか覚えてくれ……一般音弾の応用を!!」
そう劉は真剣に話す。
そんな劉の姿に響音は一瞬息を飲んだが、「はいッ!!」と力強い返事をした。
……夜が明け、新たな1日が始まる。
「ふぁ~良く寝たのぉ~」
おうかは大きな欠伸をしながら廊下を歩いていた。
朝起きた時、銀次達が全然見かけなかったので、こうして軽く身体を動かしながら探していた。
「しっかし一体何処に行ったかのぉ~……」
と言い、道場の扉を開けると、そこには探していた銀次達が既に居り、響音はおうかの事を待っていたのか真っ直ぐに見つめていた。
その響音の視線におうかは再挑戦したいのを察するが、今の響音は昨日までとは違うのも感じられていた。
いつものヘッドホン、楽武の槍は変わらないが、両腰に小さなポーチが付けられていた。
何が入っているかまだ分からないが、何かしら新たな力を得たのだとおうかは推測する。
「どうやら昨日までとは違うようじゃのぉ~」
と、おうかは余裕そうに言うが、響音は「今度こそ勝つッ!!」と言い、自身に気合いを入れ、槍を構え始める。
銀次達は二人の邪魔にならない場所へ移動し、これから始まる戦いを見届けようとしていた。
これから響音のリベンジが始まる。