今、響音の再挑戦が始まる。
朝まで特訓したのか、軽い切り傷などが付いており、少し汚れていた。
だが、その分何処か自信の満ちた顔をしていた。
(ほお……いい顔じゃのぉ〜、どう変わったか気になるし、早速試させて貰うかぁ~)
とおうかは、また瞬時に姿を消して、響音へ攻撃を仕掛けようとする。
姿を消したおうか相手に響音は驚きの行動をする。
「ふぅ……」と息を深く吐き、そのまま瞳をそっと閉じた。
目を閉じ、両耳に力を入れると、小さな足音が聞こえてくる。
ヘッドホンをしていても、トタトタとその足音を捉えていた。
その小さな足音は響音の後ろへと回り消え、飛び掛かってくるのを感じ取っていた。
響音はバッと目を開け、後ろへ向けて槍を振り向ける!
そうすると、消えていたおうかが現れ、後ろへと飛び下がり、気付かれた事に驚いていた。
「お……お主、まさか……!?」
驚いているおうかに響音は自信満々で何故反応出来た理由を話す。
「……劉さん達の特訓のお陰で、おうかさんが瞬間的に姿を消せる方法が分かったんだ」
「それは本当に姿を消した訳じゃない……おうかさんが目に見えない程小さくなっていたからなんだ」
と響音は話すと、おうかはチッと舌打ちをし、その場で観戦していた劉達へ視線を向ける。
劉達はここまで強くしましたと全員が胸を張っていた。
「そんな身体を小さく出来るのは、おうかさんの特異音弾じゃない、純粋な一般音弾の応用で、『ピアノ』の小さくする力を、自身の身体に適用させて、姿を見えなく出来る事を教わった」
「けど、姿が見えない程小さいと分かっても反応出来ない……でも、自分は反応が出来る方法があった」
と、ヘッドホンをしている両耳に手を当てる。
「この鍛えられた聴力が突破出来る鍵になったんだ。自分は尋常がない程の聴力を持っていたから、小さくなったおうかさんの足音に反応して反撃出来たんだ」
と響音は判明する。
おうかだけでなく、『狛犬』支部の皆がこの一般音弾の応用が出来る。
だが、おうかみたいに身体を小さくしたりする事は身体に負担がかかり、暫く激痛が襲うため、小さくなる事だけはおうかしか出来ない力であった。
自身の気に入ってる力を判明されたおうか、驚いていたが、それでも勝てる自信があり、好戦的にニヤッと笑っていた。
「そう判明してもこの攻撃には対応出来るかなッ!?」
と、今度は姿を小さくしないで駆け出してくる。
「!?」
まさかそのまま攻撃してくるとは思わなかった響音は驚き、接近してくるおうかに合わせて槍で薙ぎ払いをする。
しかし、槍が当たる瞬間におうかは身体を少し小さくして攻撃を躱し、そのまま槍へ向けて蹴り上げ、槍を天井へ突き刺す。
強制的に自身の楽武を捨てさせられた響音は「嘘だろッ!?」と目を見開いてしまう程驚いてしまう。
そのままおうかは続けてもう片方の足で響音を蹴り飛ばす。
響音は何とか腕を前で構え防御し、何とか飛ばされないように踏ん張った。
だが、愛用していた槍は天井に刺さったままで、戦うなら自身の身体で戦うしかなかった。
「これでお主の自慢の槍が使えなくなったが、どうするかの~?」
おうかはニヤニヤと悪い顔をし、そこから響音がどう動くか気になり始める。
(まぁ、きっと焦っているだろうかの~)
そう、おうかの心の中で思っている。
しかし、響音の目は迷いはなく、これからが本番かのように、強くおうかを見つめていた。
その響音の強い視線に、おうかは困惑する。
(……何をこれからしてるんじゃ?)
「……皆さんッ!!すいませんッ!!」
響音はいきなり劉達に向かって大声で謝る。
急に大声で謝った事におうかは何の事だ?と疑問になるが、これから響音は驚きの事を話す。
「これからこの道場……滅茶苦茶にしますッ!!!」
と、響音は身体に備えていたポーチから何を取り出す。
その発言に「よし!!これから衝撃に備えろ皆!!」と観戦していた劉達は守りの構えを始める。
一体、響音は何をするのかとおうかは警戒する。
やがて響音がポーチから取り出したのは……
………ただ普通の木の棒であった。
それを片手で4本、両手合わせると8本を持っていた。
(え?ただの木の棒じゃと?一体何をする気じゃ?)
そう、おうかはまた困惑していると、響音はおうかへ向けてその8本の木の棒を投げ付ける。
なんも脅威がないただの木の棒で、おうかは気にしてなかった。
……だが、響音のある一言でその木の棒は脅威へと変わる!
「……『解除』ッ!!」
『解除』、その一言で木の棒は巨大な木の柱へと変わり、8本の柱はおうかへ向かって飛んで来る!!
「ッ!?」
まさか自身の支部の力である「音弾の応用」を、一晩中で覚えた響音の実力におうかは目を見開いて驚いてたが、迫ってくる木の柱を次々と殴り蹴りで打ち落としていた。
おうかが打ち落としてると、木の柱1本だけが劉達の近くに落ち突き刺した。
その場に居た全員が「ひぇ」っと肝を冷えていた。
「ふぅ……流石におうかでもこれは驚いたの…!?」
と全ての柱を打ち落としたおうかは、視線を響音へ戻すが、そこに響音は居なかった。
急に消えた響音を何処へ行ったか周りをキョロキョロと探す。
しかし、それでも見つからない。
そんなまだ探しているおうかの後ろへ響音はもう回り込んでいた。
何故こう回り込めたのかは、響音はおうかの真似をしたのだ。
かなり負担がかかるが自身の身体小さくし、飛んで行く柱の1本へしがみ付いて、おうかの後ろを取ったのだ。
「……そこだ!!」
響音の強力な蹴りはおうかへ向かっていく。
それに対し、おうかは急に現れた響音の気配を察しし、急いで守りの構えをするが、少しおうかは後ろへ飛ばされた。
おうかへ一撃入った事に、「狛犬」支部の全員が驚いていた。