コンバイ街にザァザァと容赦なく雨が降り始める。
街の人々は大雨の為、出歩く人は少なかったが、そんな大雨の中、響音は必死に走っている。
そんな彼を見かける人達は忘れ物をしたのか、乗り過ごしたのかと思っていたが、今、響音は大切な仲間を探している。
もか 達も急に消えた らんま を見つける為に全員、「夜空」支部から出ていた。
全員が必死に探している中、響音は らんま が持つ音を聞き取り、『ゲート通過所』へと駆け出していた。
何故真っ直ぐに向かう事が出来るのかは、『ゲート通過所』から らんま の持つ音、炎がゆっくりと燃えているような優しい音が響音の耳に聞こえたからだ。
そろそろ息が切れそうになるが、そろそろ目的の通過所へと辿り着く。
ここまで来たのは、妖精界のエルフの村へ向かうぶりであった。
到着して息を整えるが、今、らんま が通過所の中へ入る前であった。
らんま は沢山の物を入れられるバックを背負い、腰に刀を備えている。そして、どうやら今居る響音の姿は見えておらず、覚悟の決めたような鋭い目をしていた。
いつも陽気にしていた彼とは違う様子に、響音は内心驚いていた。
らんま が通過所の中に入られる前に、響音は大声で呼び止める。
──らんまぁぁぁぁッ!!
らんま はまさか呼び止められるとは思ってなかったのか、響音の叫びにびっくりし、振り返る。
そして、やっと響音の存在を確認出来た らんま は目を大きくしていた。
「……響音」
と呟く らんま 。
その声は、まるで今会いたくなかったのか、悲しそうな声をしていた。
「らんまさん……どうして1人でここまで来たの?『ごめん』って一体どういう意味?皆探してるから戻ろうよ」
そう説得する響音。
しかし、らんま は首を振る。
「……もう俺は『夜空』支部には戻れない。やらないといけない事があるんだ」
そう言う らんま の顔は本当は戻りたいけど戻れないという苦しそうな顔をしており、一体 らんま さんに何があったのか?っと響音は心の中で思っていた。
「これでもまだ連れ戻そうとするなら……」
と、らんま に刀を抜き、刀先を響音に向ける。
まさか刀を向けてくるとは思わず、響音は驚き、少し後ろへ下がってしまう。
……この俺を倒して見ろッ!!
らんま はそう言い、響音へ向けて斬りかかる。
「ッ!!」
響音は らんま の斬撃に合わせて、瞬時にポーチから小さくした槍を取り出し、元のサイズに戻してから攻撃を受け止める。
新たな力を得た響音に らんま は ほぅ? と感心する。
「どうやらまた強くなったみたいだな……だがッ!!」
と らんま は斬撃から続けて体勢を低くし、そこから回し蹴りをお見舞いする。
まさかの回し蹴りが来るとは思わず、響音の腹に命中し、後ろへ消し飛ばされる。
「うぅ……くそぉ……」
あまりに強力な蹴りだった為、呼吸が大変であるが、それでも らんま を連れ戻そうと思い、響音は立ち上がる。
立ち上がった響音へ らんま は「立ち上がるのか……」と呟く。
本心はこれ以上戦いたくないという気持ちでいっぱいであるが、らんま自身の目的、父親を打ち倒す事を達成するには、この戦いは後が引けなかった。
「さぁ!!どうした!?掛かってこい!!」
と らんま は挑発し、響音が戦う気を沸かせようとする。
「何で……戦わないといけないんだ……」
響音は仲間である らんま と戦わないといけない状況が嫌で、槍を持つ手は震えていた。
だが、もう勝たないと連れて戻せないと判断し、歯を強く噛み締め、響音は らんま へ立ち向かう。
「さぁ!!来いッ!!」
「ハァァァァッ!!」
刀と槍がぶつかり合い、2人の戦いが始まった。