これから黒狼、白崎、響音の3人対丁1人の戦いが始まる。
丁の戦いが始まる事に、周りの視線がこちらへ集中し、注目の的となる。
「安心して、使う弾はゴム弾にしてるから、何処からでもかかっておいで」
と丁は自身の楽武であるリボルバーを取り出し、響音達を挑発する。
そんな余裕そうな丁に対し、響音は おうか に教わったことを思い出していた。
(……全力を出さずに、限られた力で戦うには)
と難しく考えていた。
そんな難しく考えている響音の様子に、黒狼はその背中を強くドンッと叩く。
あまりに強かったので、響音は「いたっ!?」と痛がり、深く沈んでいた思考の中から呼び戻された。
「大丈夫だ、俺達もいるから任せてくれ」
そう黒狼は刀を構え、
「そうだぞ!お前1人だけいい姿させるかよ」
白崎も剣と小盾で何時でも戦える状態であった。
そんな2人の頼りある姿に、響音は安心し、
「黒狼……白崎……ありがとう、頼るね」
と、難しく考える事を止め、2人に感謝する。
感謝された2人はへへっと頼られた事に、少し嬉しそうであった。
そんな3人のやり取りに(仲良いんだなぁ~……)と丁はほのぼのと油断して見ていた。
そんな油断してる丁へ早速、響音は槍から弓へ持ってる楽武を変形させ、矢を3つ放つ。
槍から弓へ姿を変えたのを見た人達は、「おお!」っと驚きの声を上げ、発明者である睦月はふふんっと自慢げに鼻を伸ばしていた。
丁も「おお!すご!?」と同じように驚いていたが、身体は冷静に対処を始める。
飛んで来る矢に対し、しっかりと照準を合わせて射撃し、3本全て撃ち落とした。
響音の攻撃は止められたが、黒狼と白崎が左右から刀と剣で斬りかかる。
「お!コンビネーションいいね!」
とそう言いながら丁は、黒狼の攻撃は紙一重で躱し、白崎の攻撃には、剣の持ち手である右腕の手首を掴み、相手の勢いを利用して投げ飛ばす。
投げ飛ばされた白崎は背中から強く打つ。
「いてて……って危な!?」
痛がっている白崎へ丁は容赦なく発砲し、それを白崎は咄嗟の判断で小盾を構え、何とか守る。
追い討ちをかけている丁に、黒狼は刀を振るうが、それを華麗に躱される。
「助かったぁ~」と白崎は安堵し、自身の攻撃を躱された黒狼は「クソッ!」と悔しがる。
「いや~危ない危ない、斬られる所だった~」
と丁はそう言うが、全然余裕そうにしていたが、「当たれッ!!」と何もない所から響音が急に現れ、かかと落としを繰り出す。
急に現れた彼に殆どの人達は大きく驚き、丁さえも
「え!?どうやって姿消して来たの!?」と目を大きくしたが、少し身を引き、ギリギリの所で躱す。
響音は教えられた力を充分に発揮したが、攻撃は躱され、身体を小さくした反動で、全身に痛みが走っていた。
あまりの痛みに響音は顔を辛そうにし、黒狼と白崎はすぐに駆け寄り、「大丈夫か?」と声をかける。
心配された響音は「なんとか」と痛みに耐える。
「へぇ~、どうやらそれを使うと、かなりデメリットがあるのか」
と丁は今の響音の様子に分析し、銃口を向けていた。
撃ってくる!と響音は判断し、まだ動くのが辛い身体を無理やり動かし、丁へ駆け出す。
「ほぉ~向かってくるのか〜、なら……」
丁はそう言うと、リボルバーに意識を向け、自身の音の力を込める。
──音弾装填……『一弾必中』ッ!!
リボルバーから放たれた弾は、少し輝いており、響音へ向かって飛んで来る。
飛んで来る弾に響音はギリギリで躱し、丁との距離を詰める。
距離を詰められた響音は(今だッ!!)と、槍から双剣へと変形させ、そのまま斬りかかる。
これは避けることは出来ないと誰もが思っており、丁は避けずに立っていた。
これは響音達の勝ちだと思った。
……だがしかし、
ガァンという鈍い音が響音の後頭部から鳴り、攻撃を繰り出そうとした響音はグラッと意識を失いかけ、持っていた双剣を下へ落とす。
「響音どうした!?」
「大丈夫か!?それに何だ?さっき鈍い音が聴こえたような……」
急に倒れそうになる響音へ、黒狼と白崎の2人は何があったか困惑していた。
しかし、そんな響音達の戦いを観ていた フィメル と もか は響音に何があったか分かっていた。
「さっき響音が躱した弾丸が急に軌道を変えて、響音への後頭部に向かって追尾したんだぁ!!」
「3人とも気をつけてぇ!!」
と響音達へ伝える。
そんな追尾する弾に黒狼と白崎は驚き、響音は何とか意識を保つ。
だが、そんな響音へ向けて丁は標準を合わせ、
「良く頑張ったからここで眠ってね」
と爽やかに言い、響音の額に撃ち込む。
丁が放った弾は見事に命中し、撃たれた響音はこれで意識を手放し、倒れ込んだ。
これで丁1人と黒狼と白崎2人の対決へと変わる。
「新たな特異音弾」
・一弾必中 使用者 丁嵐 丁
弾丸に込める音弾、狙った物を必ず当たるまで追尾する特異音弾であり、撃ち落とさない限り追ってくる。
丁の持つ、狙った時に鳴らすという力が込められている。