響音が丁に倒され、黒狼と白崎の2人となった。
「「響音ッ!!」」
倒れた響音に急いで駆け寄り、起こそうとするが、全く起きなかった。
「さて、そろそろ決めようとするかな……」
──『驟雨』(しゅうう)ッ!!
と丁は上へ向けて連続で発砲する。
途中で弾が切れても、手早くシリンダーへゴム弾を装填し、続けて撃ち続ける。
放たれた何十発のゴム弾は、軌道を変え、降り注ぐ雨のように、黒狼達へ向かっていく。
この丁の技に、避けようとしても降り注ごうとする弾は黒狼達を逃がさない。
誰もが2人が倒されるとそう感じていた。
……だが、白崎の行動がこの危機を脱する一手となる。
「ハァァァァァ!!」
急に白崎は駆け出す。
駆け出した白崎に黒狼は驚き、「白崎待てッ!?」と制止しようしたが、白崎は止まらなかった。
(ここを超えないと響音には追い付けない……)
(いや! それよりも皆に追い付けなくなる!!)
(だから、今の俺を超えるための勇気をッ!!)
白崎の強い思いが今叶う。
左腕の小盾が輝き出し、そこから聴こえる音は、ドラムや太鼓の叩いて鳴らす重音で、それはまるで大地から伝わる振動となる。
──音弾装填ッ!「大地のドラム」ッ!!
白崎はそう叫び、その輝いた小盾を地面へと叩きつける!
すると、そこから衝撃波が発生し、降り注いで来た弾を全て落としたのだ。
白崎の覚醒に、丁は「何ッ!?」と驚き、周りも同じく驚いていた。
だが、初の特異音弾を使ったからか、白崎の体に強い疲労感が襲い、膝待ついてしまう。
(もう、俺は戦える力はないけど……!!)
自身の戦えないのを察した白崎は、スッと息を吸い、大声で叫ぶ。
──いけぇ!!黒狼ォォォ!!
「おうッ!!」
なんと黒狼はいつの間にか丁の背後に回り込み、下から斬り上げようと構えていた。
背後を取られた丁は反応が遅れたが、何とか回避をしようとする。
(……白崎がやってのけたんだ!!俺だって!!)
「はぁぁぁぁっ!!」
そう斬り上げる時、黒狼の刀も輝き始める。
その刀から聴こえる音は、吸い込むような音であり、何処からか狼の唸り声も聴こえ、それは相手の音を喰らい、自身の力にしようとする力強い音であった。
必死の黒狼の攻撃ではあったが、丁の回避が間に合い、ギリギリで躱される。
しかし、丁の体から黒い煙が発生し、その煙を黒狼の刀へ吸収している。
躱した丁は反撃しようとするが、何故か身体に力が入らず、膝から崩れる。
丁はまさか自身が膝を着いてる事に、目を大きくし驚いていた。
丁の力を奪った刀は、煙を纏い、その刀身を伸ばし、黒狼はそれを上段から振り下ろそうとする。
例え丁は逃げようとしても、力が入らないので逃げられない。
なので、この一撃は必中の一撃となる。
「食らえぇ!!!!」
黒狼は伸びた刀身を力強く振り下ろす。
それは狼の牙のように、噛みつこうとしていた。
これには丁は
「……あぁ、これは僕の負けだな」
と潔く負けを受け入れようとする。
ドォォォォン!!と、激しい衝突音を鳴らし、丁へと命中する。
──今、2人が精鋭へと成長した。
「新たな音弾」
・大地のドラム 使用者 白崎 珀斗
丁との戦いで目覚めた白崎の特異音弾。
彼の勇気がまるで大地を揺らす程であり、ドラムのような重音が響音には聴こえてくる。
特異音弾を覚えたことに大喜びしたそうな。
・音喰(おとくい) 使用者 黒狼 蓮
白崎と同様に目覚めた黒狼の特異音弾。
丁に渾身の一撃を与えた。
これは相手の持つ音を奪い、その奪った力で強力な攻撃を放てる特異音弾であった。
黒狼も同じく覚えて喜んでおり、「これで追い付いたよな……」と、何処か安心した顔をしていた。