音響士   作:かげかげ

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実践編 前半

 ただいま60人程が『音響士試験』へと参加している。

 その試験内容は、筆記と体力テストとなっていて、どちらも大変である。

 全試験を終えた白崎はもう一度振り返る。

 

 筆記はやはり「音響士」において様々な知識を試されていた。

 その内容は、他の世界との戦争、「ノイザー」の誕生、それぞれの種族の宿してる力などが出ていた。

 歴史的な問題で苦戦をしたが、あの問題はとても気に入ってた問題だったので簡単に答えられた。

 

 それは「音弾」関係の問題だ。

 「音弾」には、「特異音弾」と「一般音弾」があり、「一般音弾」は音響士になれる素質がある人全員が使える音弾で、「フォルト」や「ピアノ」など音楽記号から取られた名前の音弾だ。

 そんな音響士なら使える音弾であるが、それでも強い力がある。

 

 ただ、「特異音弾」は別だ。

 それはその人が持つオリジナルの「音弾」で、「一般音弾」と比べて、かなり性能が違う。

 その為か「一般音弾」よりも「特異音弾」の宿してる音響士の方が音響士の中で先鋭の部類になってる。

 もしも俺がその「特異音弾」だったらかなり自信つくんだろうな。

 

 体力テストはそのまんまのテストであるが、今もかなり体に疲労が襲っている。

 体力テストの内容は、一定の記憶を超えなければ直に脱落にする鬼畜な内容である為、受験者全員が決死に体を動かした。

 そのテストの中に、「一般音弾」の発動試験もあり、慣れてない人には落ちやすかった。

 

 そんな過酷な試験だったからか、60人程いた受験者は今は20人ぐらいだ。

 俺と黒狼はその中に入っていて、見事「音響士」になれる資格を手に入れた!

 あのヘッドホンの人も見かけたが、まさかここまで辿り着くとは思えなかったからかなり驚いた。

 

 それにしても俺達が資格を得られたはずなんだけど、審査員が「私の後に続いてくれ」と言って、俺達はその後をついて行ってる。

 しかも試験を受けてた場所よりかなりこの建物の奥までついて行っている。

 流石にこれは黒狼も何をするのか焦っていて、これは俺も同じ気持ちだ。

 俺達だけでなく、これを知らない人もいるのか不安そうに小声で話したりする人もいた。だが、その逆にこれを知っている人もいて、その人達は自信がありそうな顔をしており、あのヘッドホンの青年も自信があるような顔をしている。

 

 「さぁ、着いたぞ。ここだ」

 と審査員はある部屋の大きな電子ドアの前に立ち、何かしら操作をしている。

 きっとこの電子ドアを開ける操作をしていると白崎達は思った。

 ある程度の操作をし、電子ドアからガチャンとロックが解除される音が聞こえ、段々とそのドアが開かれる。

 開かれるドアに受験者達は息を飲む。

 開かれたドアの先にあるのは…

 

 ビルなどの建物が沢山あり、その中に倒れている建物もある。

 見る感じ戦闘で荒れている街をイメージした作りになっており、大きさはかなり広く、まるでもう一つの街に一気に移動した感覚を受験者達は感じた。

 

 電子ドアを操作して開けた審査員は振り返り、

 「これより実戦を行う!!」

 と大声で受験者達へ伝え、その瞬間、受験者達の下から何かが飛び出してくる。

 それは音響士の使う「楽武」であり、様々なタイプの「楽武」が入っている容器であった。

 

 「その楽武は、この試験専用の楽武で、本物とは性能が弱い方だが、この実戦にはぴったりである楽武だ」

 と審査員はこの実戦の説明を始める。

 「この実戦は、音響士からのスカウトをするための実践で、ここでの実戦を違う所で音響士の方々が見ている。もし音響士の方が気に入った人を見つけられたら、その受験者の中からそれぞれの陣営にスカウトの声が掛かる訳だ!」

 「もし受験者の中で1人に2つ以上の陣営から声が掛かった場合、受験者は声を掛けてくれた陣営の中から一つ選ぶ事が出来る!」

 「そして、この実践のルールは、30分間のサバイバルとなっている。この実戦の為の体に付ける携帯用のバイタルもその容器に入っている楽武と一緒に備わっており、そこで倒されて気絶させられた人、リタイアした人を判断させる!」

 と審査員は続けての説明をした。

 

 その説明に白崎と黒狼はかなりプレッシャーとなる。

 それはこれを知らない受験者も白崎と同じ気持ちで、30分間生き残れるか不安そうにする。

 だが、音響士から直々のスカウトが来るならやってやろうと言う気持ちも溢れていた。

 

 白崎達は覚悟を決め、それぞれ自身にあう「楽武」選ぶ中、ヘッドホンの青年、響音はスカウトに来ている音響士の中で、自身のお世話になっている人達の事を思い込んでいた。

 (もかさん達、応援してくれてるかな…)

 

 一方その頃、この受験者達の実戦を見る事が出来る部屋で、沢山の音響士が集まっている。

 その中にもか達もスカウトの為に来ていた。

 「響音…大丈夫かな…」

 と受験者達が映し出されている画面を見ているもかがそう呟き、

 「もかち、大丈夫だ〜 あいつは今かなり強くなった」

 「私もらんまと同じ、ここまで強くなってきたのを見てきたでしょ?」

 らんまとリトはもかに響音はあの子供の時よりも肉体的にも精神的にも強くなったと話し、もかを安心させる。

 

 「さぁて、今の響音君の強さを見て、新たな発明を考えるか〜」

 ニシシと悪そうな笑みを浮かべる黒髪眼鏡の白衣の男性、睦月はこれから行われる実戦での響音の動きを楽しみに待っていた。

 今回もか、リト、らんま、睦月の4人がスカウトの為に来ていた。

 

 「しかし、やっぱりこの時期は凄い人が集まるな〜」

 とらんまが自分達と同じくスカウトの為に来ている音響士を軽く見渡す。

 

 ある音響士は、うさ耳を生やした音響士であり、そのうさ耳にピアスなど付けられており、「眠い〜」とウトウトしており、その隣には「うまつ、起きないと駄目だぞ」と優しそうな顔をした眼鏡の音響士がいた。

 

 その近くには、「ぽしゃけ〜」とこの時期なのに、酒を呑んでいる和服犬耳の音響士がいて、「駄目だこの犬」と狼耳の音響士が頭を抱えていた。

 

 今映し出されてる画面をじっくり見ている配達員姿の双子の音響士がいて、

 「さて、今回はどんな子がいるのかな〜、どんな子来ると思う贐(ジン)?」

 その1人は新たな出会いを楽しみにしていて、

 「わはは!僕は元気な人なら嬉しいな!丁(てい)!」

 ともう1人は元気そうに答えた。

 

 「わぁ、今回もいっぱい居るね〜ちぎりちゃん」

 とたぬきの女の子が受験者達を映してる画面を見ながら言い、

 「だね!どんな人いるか楽しみだね!のどかちゃん!」

 と中華風の衣装を着た女性、ちぎりとワイワイと話し合っていた。

 彼女らも音響士で2人は別々の陣営であったが、かなり仲良しさんであった。

 

 その他にも沢山の音響士が集まっており、ここにスカウトとして来ている音響士は何処も音響士の中でかなりの精鋭の部類であった。

 そんな彼ら彼女らを軽く見たらんまは、

 「ほんと凄い人達集まったな〜」

 と集まっている音響士の数に驚いていた。

 

 そんな精鋭が集まって受験者達を見ている中、これから受験者達の30分間の実戦が始まろうとしていた。




「登場人物紹介」
 丁嵐 丁(あたらし てい)現代人
  「ラビスタ」支部の音響士。
  姿は配達員の姿をしていて、配達員も兼ねて音響士として動いている。
  彼の使う楽武は銃であり、その技術は正確で早撃ち出来る程の強者の1人。
  実は財閥の息子であり、天翔贐が兄、円逢ちぎりが妹の3兄妹であった。

 天翔 贐(あまかけ じん)現代人
  「ラビスタ」支部の音響士の1人。
  配送員の姿をしており、彼も丁嵐丁と同じように配送員をしながら音響士をしている。
  丁嵐丁とは違い、かなりパワフルな性格で、その身で車を持ち上げる事が出来る噂もある。
  財閥の息子の1人で、丁嵐丁と円逢ちぎりの長男である。

 円逢 ちぎり(えんあい ちぎり)現代人
  「ラビスタ」支部の音響士の1人。
  姿はチャイナの服であるのは、2人の兄、丁嵐丁と天翔贐が音響士になった後を追うために、自身のお父様であり、財閥のお父様にお願いして、中国で鍛えてきた。
  彼女もかなりの力を身についており、「え?僕だけそんなに力なくね?」と3人兄妹の中で丁嵐丁自身が思ってしまう程。
  彼女には猫の尻尾が生えており、これは遠い血縁が猫族である為、猫耳は生えないで尻尾だけが生えてしまった。
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