【完結】僕のピアノよCEに響け。逆行したニコルが絶望と悲しみの世界をやりなおします。 作:屠龍
本年もよろしくお願いします。
ニコルとキラの一騎打ちの回です。
完全に史実が狂ってますね。
未経験のキラ対経験者のニコル。
勝つのはどちらでしょう。
第14話 ニコル対キラ
アスランからの報告を聞いたニコルはブリッツの踵を返す。
今ならストライクはまともな武器もない筈だしパイロットも不慣れかもしれない。
何より今ここで破壊しておかなければ。
どれほど凄腕のパイロットが搭乗しているかわからないけど、こんなチャンスは二度と来ないかもしれない。
それにストライク撃破が長引けばクルーゼ隊長は、対要塞戦用D型装備を使用してヘリオポリスごとストライクと最新鋭艦を破壊する。
ニコル達ザフトの目的はMS開発計画の破壊であってヘリオポリスの破壊じゃない。
クルーゼ隊長が最悪の決断をする前にストライクを倒さないとヘリオポリスの市民にも犠牲者がでてしまう。
「待てニコル!!OSの書き換えが完全じゃない今のブリッツじゃ無茶だ!!」
「おい貴様どこへいく!!」
「命令を無視するつもりか!?」
後ろからアスラン、イザーク、ディアッカの制止が聞こえるがニコルは聞こえないように通信スイッチを切った。
たとえ軍法会議にかけられても、ストライクは今ここで確実に倒す。
ニコルはバーニアを吹かしながらブリッツの残り電源を逆算する。
そんなに長くはもたない。
☆☆☆
「はあっはあっまだ来るのか!!どうして僕達を放っておいてくれないんだ!!」
キラがミゲル機を撃退してほっとしたのもつかの間。
今度は上空から黒いMSが現れた。
「あれはブリッツよ!!」
「ブリッツ?」
「GAT-X207ブリッツ。Xシリーズの一機で偵察や近接戦用のMSよ。ナイフしかないストライクで戦える相手じゃないわ!!」
「じゃあどうすればいいんですか!?」
「モルゲンレーテの工場にバッテリーパックと装備を乗せたトレーラーがあるわ。そこまでたどり着ければ」
「そんなのどうすればいいんですか!?」
「走るのよ!!」
ラミアス大尉の無茶な指示にキラは内心で舌打ちするが喧嘩している暇はない。
ストライクはブリッツに背を向けて走り出した。
☆☆☆
「逃がさない!!僕は運命を変えるんだ!!」
ニコルの操縦するブリッツは強奪直後で残量電源が少ないのでミラージュコロイドを展開して姿を隠す事はできない。
同様にビームライフルも使えない。
眼下に見えるストライクはナイフしか装備していないようだ。
ビームサーベルが使えるブリッツのほうが圧倒的に有利だ。
「エネルギーが足りないから長期戦は無理か。それなら」
ニコルはビームサーベルを装備してストライクに迫る。
そして右腕に装備した盾から3連装超高速運動体貫通弾ランサーダートを発射した。
ランサーダートが命中する瞬間、ストライクがフェイズシフトシステムを展開してランサーダートを弾く。
逃走を諦めたストライクがブリッツに向けてナイフを構える。
「ブリッツの性能を舐めるなあああ!!」
ニコルは油断せずビームサーベルを構えてストライクへと迫る。
ストライクはアサルトナイフ”アーマーシュナイダー”を構えたまま地面を蹴ってビームサーベルをかわす。
やはり凄腕のパイロットだ。
今ここで倒しておかなくてはいけない。
「はああっ!!」
ストライクのナイフをブリッツのシールドで受け止める。
ブリッツはシールドごとストライクに体当たりして地面に押し倒そうとする。
それをストライクはかわしナイフで反撃を行う。
ビームサーベルを振るうブリッツの攻撃をぎりぎりの動きでかわし、ストライクは果敢にナイフを繰り出した。
ニコルはザフトレッドでアスラン、イザークに次いで接近戦の成績は優秀だ。
その腕をもってしてもストライクを仕留めきれない。
圧倒的優位に立っていた筈のニコルが焦りだす。
相手はザフトレッドを超えたパイロットだという事実。
でもニコルも負けられない。
ニコルとキラの攻防が激しさを増す。
☆☆☆
「ブリッツにあんな動きができるなんて」
GAT-X207”ブリッツ”の性能にラミアス大尉は驚愕する。
まるで自分の手足のように機体を操る姿はラミアスはじめ、G計画参加者全てが想定していた以上の動きだった。
相手はコーディネイターとはいえ強奪したばかりの機体で発揮できる性能ではない。
まるで最初から自分用に調整された機体のようだ。
そしてその攻撃をぎりぎりでかわし続ける目の前の少年───キラの操縦技術には脱帽するほかない。
「───あなた達何者なの?」
ラミアス大尉はブリッツのパイロットとストライクのパイロットが只者ではない事を感じていた。
書き換えたナチュラルのOSでここまでストライクを操縦する少年と、強奪したばかりで完全に書き換えが終わっていないOSでブリッツを手足のように操縦するザフトのパイロット。
こんなパイロットが他にもザフトにいたらと思うとぞっとする。
ラミアス大尉はストライクとブリッツの戦いから目が離せなかった。
ストライクとブリッツの戦いは膠着状態となりつつあった。
キラはここまでの攻防で、相手のパイロットがかなりの手練れである事を見抜いていた。
このまま戦っていたらストライクは破壊され、キラは殺されるだろう。
「負けるわけにはいかないんだ!!」
キラはバーニアを全開にしてストライクのスラスターを吹かす。
ストライクとブリッツが高速で移動しながらビームサーベルとナイフをぶつけ合う。
ニコルも自分の攻撃を全てかわす相手のパイロットが只者ではない事を感じていた。
ブリッツとストライクのエネルギーが限界に近づく。
ストライクはミラージュコロイドを展開できない。
キラは最後の賭けに出た。
ストライクのスラスターを全開にしてブリッツに体当たりを行う。
「うわああああ!!」
ストライクが全速で加速した事で、ブリッツと衝突した瞬間に両者の機体が激しく吹き飛ぶ。
ニコルは素早く機体を立て直してビームサーベルを構えるがストライクの姿がない。
「まさか!?」
ニコルは慌てて周囲を確認する。
そして次の瞬間上空からストライクがアサルトナイフ”アーマーシュナイダー”を手にブリッツへ迫る。
「はああ!!」
キラの渾身の一撃がブリッツの胴体に突き刺さると同時にブリッツのビームサーベルがストライクの右肩を貫いた。
ニコルは咄嗟にシールドで防御するが、ストライクの威力を殺せずそのまま地面に叩き落された。
ストライクも地面に激突し激しい土煙が起こる。
「ぐうっ」
ニコルは衝撃で気を失いそうになるが、何とか機体を立て直す。
そしてモニターに映った光景に驚愕とする。
ブリッツとストライクの装甲には深い傷が刻まれていた。
その光景を最後にニコルの意識は途切れた。
ブリッツのコクピットではニコルが頭から血を流して気絶してしまう。
ブリッツとストライクの装甲には深い傷が刻まれ機体はボロボロになっていた。