【完結】僕のピアノよCEに響け。逆行したニコルが絶望と悲しみの世界をやりなおします。   作:屠龍

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前回に引き続き今回も悩みました。これやっていいのかなと。しかしクロトが生きている以上アリスにロドニアの事言わない筈がなく、聞いたアリスが何もしないなんてありえません。そして自分達では戦力が足りない事をアリスは自覚していますのでこういう話に。二次創作でやっていいギリギリの範囲ですね。


【外伝『僕の歌姫』 第八話 ロドニア】

【外伝『僕の歌姫』 第八話 ロドニア】

 

 オノゴロ島にある秘密ドックに集まった面々を見てキラは絶句した。

 そこに集まったのはアークエンジェル、ドミニオン、バルトフェルド以下エターナルのメンバーだったからだ。

 シンにサイにトールにミリアリアまでいる。

 フレイは今回残ってカガリのサポートをする。

 これだけ集まれば研究所一つどころか普通の国相手でも戦える。

 

 「カガリ。非公式って言ってなかったの?」

 

 キラは隣に立つ姉を見る。

 カガリは誇らしげに腕組みしている。

 そんなカガリを見て肩をすくめるアスランと微笑むラクス。

 

 「非公式だぞ。なにしろここにいる全員オーブとは関係ない亡命者だからな。亡命者が何をしようがオーブは関与しない」

 

 カガリがそう言うとキラが困ったように口を開く。

 

 「いやいやいや、流石に無理があるでしょ!?それにマリューさんやアリスさんはオーブ軍人になったんじゃないですか?」

 

 そう言うキラにマリューは微笑む。

 

 「さっき除隊申請して許可されたわ。つまり私は民間人」

 

 マリューに続いてナタルが憮然として言う。

 

 「何だ?私達では不服か?」

 

 「とんでもない。嬉しいですけど」

 

 「ならいいじゃないか。また一緒に戦えて光栄に思う」

 

 そう言ってナタルはいつもの癖で敬礼しようとして苦笑いした。

 

 「失礼。今の私達は民間人だったな」

 

 ナタルの発言にムウもマリューもみな大笑いだ。

 キラもラクスもつられて笑ってしまう。

 カガリはアリスと握手した。

 

 「今回もよろしく頼む。アリス」

 

 「はい。必ず救出成功させましょう」

 

 今回の作戦はアリスとマリューが立案しムウとナタルが補完した。

 ナタルの厳しい目が光ったおかげで穴らしい穴は無い。

 あとは実行のみだ。

 

 「アスハ代表にこれを」

 

 ムウがカガリに沢山の封書が入った束を手渡した。

 中身は見ていないが辞表だろう。

 他のメンバーも同じような顔をする。

 ここにいる全員が今から失業者だ。

 帰国したら引く手あまたの人材ばかりだから再就職には困らないだろう。

 

 「お前ら……本当に馬鹿だなぁ……」

 

 カガリが笑いながら参加者みんなを見回した。

 顔を見た事も無い子供たちの為に命をかけようという物好き達はみな笑みを浮かべている。

 作戦に必要だと思われる人員の確保はアリスに任せたらこうなった。

 つまり全員必要だという事だ。

 「カガリさんありがとうございます。みなさんありがとうございます」

 

 アリスは微笑みながら深々と頭を下げた。

 

 「いいんだ。みんなもこうしたいと思ったから」

 

 カガリの言葉に全員が頷く。

 彼らの絆は確かなものであり、それを感じさせる温かな空気が流れていた。

 その後各員が乗り込みアークエンジェルとドミニオンはマスドライバーで宇宙へ発進した。

 

 大気圏外を航行するアークエンジェルのブリーフィングルームにアリスとマリュー達幹部組とキラたちMS組が揃っていた。

 編成はアークエンジェルとドミニオン。

 MSはアスラン、オルガ、シャニ。

 子供たちの救出はバルトフェルドが指揮官でキラ、シン、ムウ、クロト、そしてアリス。

 特に内部に詳しいクロトは重要な役目だ。

 そして報道カメラマンとしてトールとミリアリアが一緒に行く。

 今回ドミニオンの艦長は代理でナタルが務める事になった。

 

 作戦はいたって簡単だ。

 アークエンジェルとドミニオンは大気圏外で待機する。

 バルトフェルド以下の救出組がロドニアに潜入し、子供たちの避難経路の確保と潜入を行う。

 特に塀の外は地雷原になっている為クロトの案内が必須だった。

 施設内に侵入と同時にキラとメイ☆リンが作ったコンピューターウイルスとアリスの電子戦能力でロドニアと周辺基地三十キロ圏内のレーダーや通信機能を作戦完了までマヒさせる。

 

 つまりロドニアから三十キロ圏内はWIFIが使えなくなる。

 迷惑な話である。

 

 重要なのが兵士と子供たちの隔離で隔壁を閉めて連絡を絶つ。

 このコンピューターウイルスは綺羅星ことキラとアリスのネット仲間のメイ☆リンが共同で作り上げた代物だ。

 使用用途は伝えていないがアリスがメイ☆リンに話したところ『面白そうですね』と快諾された。

 綺羅星と有栖とメイ☆リンが同じ組織で組むのは後日の事である。

 基地機能をマヒさせ子供たちの避難誘導が終わった直後、アークエンジェルとドミニオンが地表に降下。

 子供たちを乗せて大気圏へ脱出し、L4にあるハーバーコロニーで下船させたのちオーブの精神科医と医療チームの元で治療を施し社会復帰を目指すというものだ。

 ハーバーコロニーは現在ニコルの住むマイウス市が所有しているがジャンク屋に格安で貸してある。

 いずれ子供たちはジャンク屋経由であちこちの職に就くことになるだろう。

 難しいのは救出後のほうで、戦い以外を知らない子供をどうやって社会復帰させるか。

 ここからは時間と努力が必要だろう。

 だが戦争は終わったのだから、こんな非人道的な施設はいらないはずだ。

 

 ロドニアへは現地近くまでシャトルに乗った観光客を装って入国する。

 そこから手配しておいた車と潜水艦で移動。

 潜水服に着替えて水中から侵入する。

 途中のトラップなどはバルトフェルドが解除する。

 彼はアフリカでゲリラ狩りを行っていた経験がありこういうのには慣れている。

 MSはロドニアへ直接降下する。

 アスランとオルガとシャニは救出組に合流し護衛を担当する。

 戦闘は基本的に防衛のみで子供たちに被害を及ぼさないのが条件だ。

 キラもロドニアのシステムをダウンさせた直後にバルトフェルドと合流する。

 基地と30キロ圏内すべてをシステムダウンさせたあと、アークエンジェルとドミニオンが到着すれば作戦は成功したも同然だ。

 

 「今回は戦いに行くわけじゃないわ。敵の殲滅など一切必要ないのよ。子供たちの救出だけを最優先ね」

 

 マリューの言葉に全員が頷く。

 子供たちの命を救うための戦いが始まろうとしていた。

 

 

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