【完結】僕のピアノよCEに響け。逆行したニコルが絶望と悲しみの世界をやりなおします。   作:屠龍

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今回は難攻不落(笑)のアルテミス要塞です。
この要塞は落とされるのが仕事みたいな印象ですね。
まさか劇場版でニコルの戦法でまた落とされるとは思いませんでした。
あのシーン見ててメイリンってニコルと相性いいんじゃないかなと思いました。
爆発物はアスランより得意でアカデミー一位という多分作中最強の爆発物のスペシャリストのニコルと、プログラミングと情報処理が異常レベルに達してるメイリン。
アスランとチーム組ませたらテロ対策とかスパイ活動とか捗りそうです。


第24話 アルテミスの傘

 第24話 アルテミスの傘

 

 アークエンジェルはユーラシア連邦のアルテミス要塞に入港を許可された。

 アルテミス要塞は辺境にある軍事要塞である。

 小惑星をくり抜いて作られており、基地機能は小さい部類だがこの基地には絶対防御装置で名高い。

 

 『アルテミスの傘』

 

 小惑星全体を光波防御帯がすっぽりと取り巻き、どんな物体も兵器もレーザーでさえそのシールドを通さない。

 通称アルテミスの傘と呼ばれるこの防御帯と、戦略的に無価値な宙域に存在する事でこの要塞は不落無敵の要塞と言われていた。

 アークエンジェルクルーと保護された民間人はやっと安心できる場所にたどり着いた。

 そう思ったのもつかの間。

 アルテミス要塞に駐留している要塞守備隊に彼らは拘束された。

 対プラントという姿勢で協力はしているが、アークエンジェルの所属している大西洋連邦とユーラシア連邦は良好な関係とはいいがたい。

 大西洋連邦が極秘裏に開発したアークエンジェルとXナンバーのMSをユーラシア連邦は手に入れたかったのだ。

 

 ◆◆◆

 

 ヴェサリウスと共にクルーゼとアスランと重傷を負ったラスティはプラント本国へ帰国した。

 乗機を失ったミゲルとエマとジャンヌは補充機体受領の為に降下カプセル輸送艦を待つことになる。

 降下カプセル輸送艦は大気圏突入用のカプセルを11機装備しており、カプセル一機は四機のジンを降下させる事が出来る。

 つまり一隻で44機のジンを降下可能な巨大輸送艦だ。

 そこから3機のジンを受け取る事になる。

 ローラシア級MS搭載艦のガモフには6機しか搭載出来ないので一機はミゲルが、もう二機はエマとジャンヌが受領する。

 それまでの間ニコル達はイザークのデュエル、ディアッカのバスター、ニコルのブリッツで攻撃を行う作戦を立てる事になる。

 

 「アルテミスの傘か。足つきは厄介な所に逃げ込んだな。あの傘はビームもミサイルも通さない」

 

 イザークが忌々し気に呟く

 激情家だが相手の事を素直に認め方策を考えるのは意外と難しい。

 それが出来る人物は指揮官に向いている。

 

 「じゃあこのまま出てくるまでまつ?ずっと穴に閉じこもったまま睨み合い?」

 

 くすくす笑うディアッカをイザークが窘めた。

 

 「ふざけてる場合か。お前は用を終えて戻ったクルーゼ隊長に何もできませんでした。そう報告するのか?」

 

 ディアッカの発言にイザークが不機嫌に答えた。

 いやイザークはいつも不機嫌そうだが。

 

 「何とか突いて外に出せば、ガモフの主砲とMSで袋叩きにできるのにな」

 

 ミゲルも頭を悩ませる。

 確かにこの艦には937mm2連装高エネルギー収束火線砲があるから、足つきと一対一にならなければ砲撃戦とMSで攻撃すれば負けないのだが……。

 

 「そんな事言ってもさ、実際どうすんのさ?」

 

 エマは茶髪のショートカットで黒色の瞳をしている15歳の少女。

 そのエマが茶化すように言うとディアッカが一緒に笑った。

 彼女はイザークが好きなのだが相性はディアッカのほうがいいかもしれない。

 

 「エマ。それを今考えてる所だ」

 

 ジャンヌがそういうとディアッカがまた笑う。

 そんなディアッカをジャンヌが睨みつけると、ディアッカがやれやれと手をあげた

 ジャンヌは金髪ロングヘアの青色の瞳でエマと同じく15歳の少女。

 エマはジャミングを、ジュリアは射撃と格闘が得意だ。

 緑服とはいえその実力は折り紙付きでMS戦闘もトップクラスの成績をもつ。

 彼女はディアッカが好きだが、後にディアッカが好きになるミリアリアというカップルがいる訳で。

 所謂負けヒロインなのだ。

 そんなジャンヌは生真面目にディアッカを窘めてしまう。

 好きな男とはいえ間違った事は間違っていると告げられるのが、ジャンヌという少女の利点でもあり欠点でもあった

 

 仲間のやりとりを見ているニコルは悩んでいた。

 ニコルは前世の失敗を思い出していた。

 ブリッツのミラージュコロイドと呼ばれるステルスシステムを使えば奇襲できる。

 ここまではいい。

 前回は港の中で足つきを沈めようとしてストライクに邪魔をされ取り逃がした。

 前回はブリッツ、デュエル、バスターの三機だけだったが今回はミゲルとエマとジャンヌの三機がいる。

 六機すべてを港に投入すれば混戦で身動きが取れなくなってしまう。

 では、ミゲルがいうように巣穴から叩き出そう。

 

 「みんな。僕の考えた作戦を聞いてください」

 

 ニコルの発言に五人の視線が集まった。

 

 ニコルは部隊を三部隊にわける事を提案した。

 ニコルのブリッツでアルテミスの傘を破壊した後、機動力に勝るイザークのデュエルがブリッツと共にアルテミス要塞内部の港で足つきとストライクを攻撃する。

 狭い軍港内で戦う不利を悟った足つきとストライクは港の外へ逃げ出すだろう。

 ミゲル、エマ、ジャンヌのジンはアルテミスの傘を攻撃後、アルテミス要塞から脱出する足つきを艦上と艦底から対艦ミサイルで攻撃。

 ブリッツとデュエルは足つきの動力部を破壊し足を潰す。

 最後は長距離砲撃が得意なバスターとガモフの主砲で止めをさす。

 

 「堅実な案だな。ただブリッツの侵入が上手くいかないと全てがご破算だ」

 

 ガモフの艦長ゼルマンが頷きながら了承する。

 ミゲルとエマとジャンヌが賛成し、イザークもディアッカも渋々了承した。

 

 直ちに作戦は開始される。

 ガモフはアルテミス要塞砲の射程を遥かに離れた宙域で停止する。

 そしてブリッツがガモフから発進した。

 

 「ミラージュコロイド生成良好、散布減損率三十七%。今回はそれほど暴れないからエネルギーに余裕がある」

 

 消えたブリッツを見ながらイザークが機影を見守り毒づく。

 

 「地球軍も姑息な物を開発したものだ」

 

 「ま、臆病者のニコルにはお似合いじゃないか?」

 

 ディアッカがそう返すとミゲルが答えた。

 

 「使えるものは何でも使う。戦場で生き残るのに必要な事だ」

 

 ディアッカが暗にニコルの事を姑息で卑怯だと思ったのを窘める。

 だがイザークはそれに異を唱えた。

 イザーク・ジュールはプライドが高い男である。

 ストライクのパイロットはナチュラルでありコーディネイターより劣った存在であると思い込んでいるため、ナチュラルに対して慎重になる事を嫌うのだ。

 後の名指揮官もまだ若かった。 

 

 「イザークもディアッカもその辺にしないか。ニコルは単独で要塞に攻撃をするのだ。それのどこが臆病な卑怯者だというのだ」

 

 それまで黙って聞いていたジャンヌが発言しイザークを睨みつけると、イザークも半歩前に出てジャンヌを睨みつけた。

 その様子にエマが慌てて間に入る。

 そんな三人の様子を尻目に、ミゲルが困ったといった表情でイザークとジャンヌを窘める。

 

 「戦友が命をかけているのにつまらない言い争いをしている場合じゃない。巣穴に潜り込んだ卑怯で臆病者で卑劣なアルテミスのモグラにザフトの恐ろしさを見せてやろうぜ」

 

 そういってイザークとジャンヌの肩を叩いて仲直りをさせる。

 そして、全員が出撃準備を整えて待機している格納庫に向かうために歩き出した。

 

 「あ~あ。みんなやる気が高いのはいいけどさ。チームワークを忘れないでよ」

 

 エマが皆の背中に声をかける。

 その言葉に一同は振り返らずに手だけを上げて答えた。

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